雪の幕間

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  飯山線 蓮  2019年









朝から雪を落とし続けた雲が不意に切れて陽光さえ覗く。

それは僅かな幕間であって一時間も経たぬうち、また白い闇に閉ざされるのだった。

千曲の畔の、変わらぬ冬の日である。

















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[ 2025/01/19 18:00 ] 最近の旅 中部甲信越 | TB(0) | CM(0)

ミラーが返る音

宗谷本線 音威子府 深夜の利尻1 1984年2月 日 16bitAdobeRGB原版 take2b1100

  宗谷本線 音威子府  1984年







こんどは41年前の音威子府、午前3時半。

冴え渡った漆黒の夜空に白いスチームを引いて、下り夜行急行「利尻」が発車してゆく。

最後尾の荷物車に煌々と灯る明かりの下、荷扱の車掌は停車各駅での積み下ろしに不眠の一夜を過ごしているのだろうか。

氷点下30℃の下、一眼レフのミラーが返る音が硬い空気を震わせる。


半世紀近くを経て記憶の深いところに刻まれているのは、素手で握った三脚に指が貼り付く感触だったり、

ジッと間を含んだメカニカルスローシャッターの音だったりする。

視覚の記録である写真は、むしろ視覚よりも饒舌なそれら五感の記憶の糸をそっと手繰り寄せる触媒ではないか。


というようなことを連載エッセイの原稿にしたためております。











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[ 2025/01/16 18:00 ] 最近の旅 北海道 | TB(0) | CM(0)

音威子府21時

hokkaido201702_14213_01 音威子府take1b1100

  宗谷本線 音威子府  2017年







最終下り特急が音威子府に着く。

路面が凍結する道北の冬、地元の人でさえ車の運転を怖がるという。

此処に生きる人がいるのなら、鉄道の役割はまだあるはず。











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[ 2025/01/13 19:10 ] 最近の旅 北海道 | TB(0) | CM(0)

関東空っ風 リハビリプチドライブ③  霞ケ浦落陽

筑波鹿島沿線 2024年12月 Z7Ⅱ_10406 霞ケ浦 桃浦 take1b1100

  霞ケ浦  2024年12月





この季節、この天気と来れば、霞ケ浦の畔に立たなきゃ。

空っ風に波立つ湖面も日没と共に凪いでくる。





筑波鹿島沿線 2024年12月 Z7Ⅱ_10353霞ケ浦 b1100



筑波鹿島沿線 2024年12月 Z7Ⅱ_10417_01 霞ケ浦 take1 b1100



筑波山はここから遠望すると名山の趣。やっぱり離れて見るに限るね。



筑波鹿島沿線 2024年12月 Z7Ⅱ_10443 霞ケ浦take1b1100




なかなか幕を引かない残照の宴。

鉄道は消えても山河あり。




鹿島鉄道 桃浦 2007夕景2 2007年月 AdobeRGB 16bit 原版 take1 b1100

  鹿島鉄道 桃浦  2007年




日帰りながら結局12時間、200km弱のあんまりプチでもないリハビリドライブ。

右手で持ち上げるZ7Ⅱ+24-200mmズーム、こりゃ重いと初めて思ったのは情けないが、

ほぼ1年振りにマトモに写真を撮って、安全運転で帰ったことを喜ぶべきか。





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[ 2025/01/10 18:34 ] 最近の旅 関東 | TB(0) | CM(2)

関東空っ風 リハビリプチドライブ②  石岡機関区

筑波鹿島沿線 2024年12月 Z7Ⅱ_10343 石岡 tak1 b1100

  石岡駅 鹿島鉄道石岡機関区跡  2024年12月







鹿島鉄道石岡機関区の跡地はマンション用地として売りに出し、累積赤字穴埋めの足しにすると聞いたが。

17年経過後の今も空き地を晒すばかりである。

長年使われた機関区の跡地となれば、染み込んでいるのはエンジンオイル、グリース、ディーゼル燃油。

それらを削り取っても、鉄道の痕跡は有害物質の蓄積となって今時の環境基準を満たさないのか。

それとも駅至近とはいえ市場性は薄いのか。


ここに油が滴る鉄道があったこと。 汗が滴る労働があったこと。








鹿島鉄道 石岡駅 キハ715 原版 take1 b1100

  鹿島鉄道 石岡駅  1981年


PB184434鹿島鉄道石岡5 take1b1100

  鹿島鉄道 石岡機関区  2005年


PB184467 鹿島鉄道 石岡機関区1 take1 b900  


PB184480鹿島鉄道 石岡機関区2 2005年 take1 b1100



( 続く )




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[ 2025/01/07 17:00 ] 最近の旅 関東 | TB(0) | CM(0)