ツィンマーマン&パーチェ ~ バッハ/ヴァイオリンソナタ全集
2015, 01. 01 (Thu) 10:00
バッハ作品のなかでも、パルティータと同じくらいによく聴いてきた《ヴァイオリンソナタ全集》。
この曲集を聴くときは、必ずといっていいほど、フランク・ペーター・ツィンマーマン&エンリコ・パーチェの現代楽器デュオ。
今ではチェンバロ演奏が一般的で、演奏会や録音でピアノで演奏されることは少ないらしく、現代ヴァイオリンと現代ピアノによる演奏はかなり珍しい。
現代楽器同士の演奏だと、細部まで一音一音が明瞭に聴き取れるので、対位法の妙や和声の美しさがよくわかるところが私にはとても聴きやすい。
このDVDで、初めてこのヴァイオリンソナタ全集と2人の演奏を聴いて以来、曲自体が好きになったのはもちろん、ツィンマーマンとパーチェの録音のCDコレクターになってしまった。
ツィンマーマン&パーチェの演奏は、速いテンポで颯爽として、切れの良い音で奏でる旋律は流れるように滑らかで、躍動感豊か。
叙情的であっても情緒過剰になることなく、品の良いしっとりとした叙情感が美しく、《パルティータ》よりも自由度が増し、現代的な感性に近づいたような気がしてくる。
どの曲も好きなのだけど、急速楽章を聴くと心弾むような明朗さと喜びが溢れていて、気持ちが明るくなってくる。
新しい年の幕開けに似合っていると思うのは、第6番BWV1019の第5楽章(動画では14:19~)。
このヴァイオリンソナタ全集の最終楽章に相応しく、晴れやかな開放感と広がりがあって、堂々としつつ、空へ飛翔するように軽やか。
白亜の壁に囲まれたバロックホールの明るさとシックな内装が、気品のある曲と演奏をさらに引き立てて、ツィンマーマンとパーチェも互いに視線を交わしながら楽しそうに演奏しているところが、微笑ましかったりする。
この曲では、珍しくも第3楽章が鍵盤楽器による独奏楽章。あまりに気に入ったので、暗譜して弾けるまでピアノで練習したくらい。
Bach Sonata for Violin & Piano BWV 1019 G major F P Zimmermann, E Pace
第3番BWV 1016の第4楽章(動画では12:07~)も華やかで軽快。
Bach Sonata for Violin & Piano BWV 1016 E major F.P. Zimmermann, E Pace
こちらは、DVDの公式プロモーション映像。6曲(BWV1014~1019)のうち3曲の一部がメドレーされている。
[Euroarts 2057188] BACH, J.S.: Sonatas for Violin and Keyboard, BWV 1014-1019
<過去記事>
ツィンマーマン&パーチェ ~ バッハ/ヴァイオリンソナタ全集
ツィンマーマン&パーチェ ~ バッハ/ヴァイオリンソナタ全集(ライブ録音/DVD)