ブックレビュー:Linux-DB システム構築/運用入門
Tweet
今回はケータイとは直接関係ありませんが、先日購入したDBについての書籍のレビューを書きたいと思います。
ケータイと関係ないとはいっても、全くそういうわけでもなく、ケータイサイトはPCよりもアクセスが集中するケースも多く、ページ遷移も頻繁で、その結果DBの負荷も大きくなりがちです。
パフォーマンスを意識したサイト作成は、必須の技術とも言えるでしょう。
今回ご紹介するのは、そのような技術を身に付けたい方にとってとても役立つ一冊です。
→ Amazon Linux-DB システム構築/運用入門 [amazon.co.jp]
結論から言うと、本書はかなりの良書だと思います。
MySQLのDB構築・設計に関わる方であれば、絶対に目を通しておいて損の無いといえる内容となっています。
Amazonでは評価の★がついていませんでしたので、実際に本屋で中身を見てみてから購入したのですが、これは買ってよかったです。
(後ほどamazonの方にもレビューを書いておきたいと思います)
目次は次のようになっています。
- Chapter 01 論理ボリュームマネージャ(LVM)を活用する
- Chapter 02 Heartbeatによるクラスタ環境の構築
- Chapter 03 DRBDによるネットワークミラーリング(前編)
- Chapter 04 DRBDによるネットワークミラーリング(後編)
- Chapter 05 高可用サーバーの構築
- Chapter 06 現場で使われる高可用構成
- Chapter 07 DBサーバーのパフォーマンス概論
- Chapter 08 インデックスのチューニング(前編)
- Chapter 09 インデックスのチューニング(後編)
- Chapter 10 DBサーバーのハードウェア選定
- Chapter 11 SSDの効果とアプリケーションへの影響
- Chapter 12 メモリ管理とスワップ領域の制御
- Chapter 13 ファイルシステムとI/Oスケジューラ
- Chapter 14 Linux-DBサーバーにおける負荷テストの心得
- コラム
※詳細な目次はこちらに記載されています。
→ SE shop.com Linux-DB システム構築/運用入門 [seshop.com]
本書は、DBマガジンの連載「Linux-DB システム構築入門」が、今年の9月に書籍としてまとめられたものです。
Linux-DBシステムという題名になっていますが、特にLinuxに特化した内容というわけではありません。
BSDやSolarisなどにも十分に応用可能です。
また、DBとやや抽象的な題名にもなっていますが、ほぼMySQLをターゲットに書かれていると思って間違いありません。
内容は、どの章もかなり深いところまで突っ込まれており、現場のノウハウが詰まっています。
特に2章に渡って書かれたインデックスのチューニングについては、SQLを使うプログラマにとって必見です。
絞込みやソートなどの際に、どのようなメカニズムでインデックスが利用されるかといった点にポイントがおかれて書かれており、内部構造の理解につながります。
自分がDBについてまだまだ理解していなかったことを思い知らされる内容でした。
Heartbeatを使ったクラスタの構築などの高可用性に関する章も充実してますので(むしろそちらの内容がメイン?)、インフラ屋さんにとっても役に立つと思います。
また、SSDを使った場合の効果など、新し目の話題も載っているのが嬉しいですね。
このように入門という名前は付いているものの、かなり深い内容で満足度は高いと思います。
私は今やっている仕事で負荷に悩まされていたため、大変ためになりました。
これでパフォーマンスアップは確実です(笑)
全体として偏った内容の記述もなく、顧客の求める高可用性やパフォーマンスをいかに実現するかについて、バランスよく解説されています。
(著者は普段はMySQLのコンサルティング業務に就かれているとの記述があり、納得しました)
プログラマーの方もサーバ管理者の方も、データベースを触るお仕事につかれている方は、読んでおいて損の無い一冊だと思います。
関連:
最近の記事