ブラック★ロックシューター
ブラック★ロックシューター 3話 『こらえた涙があふれそうなの』 感想
嫉妬とか、不安とか、恐怖とか。
彼女達はいつまで戦い続けるのだろう、という個人的な不安…
マトの決死の呼び掛けに遂に心を開いたヨミ… と、思えたのも束の間、彼女達の間には新たな問題が生じ始めていて、まぁ一言で言ってしまえば「嫉妬」ということで間違いないんじゃないかなと思います。
孤独の世界に閉じ込められていたヨミだからこそ、もう二度とあんな想いはしたくないって感じるその気持ちとか、やっと見つけた自分の居場所だからこそ、必死になってその場にしがみつこうとするその行動を理解することは出来るのだけれど、でもそれじゃあ、カガリがヨミにしていたことともあまり差はなくて、本末転倒になっちゃうよなぁとはやはり感じられてしまって。
ただ救いなのは、まだそこまでヨミが独占欲に支配されているわけではなく、マトを縛り付けているわけでもないっていう部分なわけですけど、なんだかもうそれだって時間の問題のような気もしてしまうというか…
特に3話冒頭のこのシーンは非常に示唆的というか、奥に位置する白雲を手前の黒雲が覆っている感じなんかは凄く嫌な感じのするシーンで、ジワリと不安を煽ってきます。
もちろん、この時点ではヨミの嫉妬心は明らかにされていないわけなんですけど、将来的に嫌なことが起こることを予感させてきて、気持ちがざわつく… とでも言えばいいのでしょうか。また、その辺りには作品性(鬱々しさ)という部分も相まって、そう感じることに影響を与えているのでしょう。
そして、場面が切り替わり左手がマト、右手がヨミという位置関係で、彼女達の足元が映し出されます。先程の雲の進行方向は左で、彼女達の進行方向も左。ということは、奥側がマトということになり、白雲=マト、黒雲=ヨミという関係性がここから読み取れます。
まるで、今度はマトが孤独を強いられる番なのだと言わんばかりのシーンの連続には、最早不安感しか感じられません。
極めつけはヨミがマトに対し鎖編みの腕輪を手渡すシーン。もうヨミさん、本気です。特にこの鎖編みに関しては1話でもヨミに対するカガリの束縛の象徴として描かれていたわけで、それを自ら編み込みマトに手渡すところからして、あの腕輪からは彼女の独占欲が溢れ出している事が如実に示唆されていたのだと言えるのではないかと思います。
いや、ただ独占欲と言ってしまうのはまだ早計なのかも知れないな、という部分は少し感じているところで、ヨミも別段「私の傍だけに居て」と願っているわけではないんですよね。けれど、マトとヨミの仲睦まじい関係を見る度に彼女は劣等感を感じてしまう。笑うタイミングが一緒、とか。泣くタイミングが一緒、とか。
そして、そんな劣等感こそがいずれは独占欲(自分のものにしてしまえば敗北を感じない)といった感情に成長するわけで、まぁそういった執念にマトが屈しないかどうかといったこの先への不安はやはり大きいですよね。ただ、そういった感情も言ってしまえば偽りの自己肯定でしかなくて、結局そうすることで彼女は自身の存在意義を確立しようとしている。
また、そういった彼女の姿が反映され描かれているものこそが、あの裏の世界の空間なのではと考えられるわけで、ようはカガリやヨミのああいった姿(チャリオットやデッドマスター)というのは偽りそのものの存在でしかなく、「本当の気持ちと向き合えないからこそ出来上がる、“思い通りにならないのなら、いっそ…”といったただの偶像」に過ぎないのだとも言えるのかも知れない。
そう考えると、公式HPでも書かれているような『心象世界=嘘の世界』といった世界観説明にも納得がいくような気がします。
故にそんな偽者の存在をブラックロックシューターは切り捨て、本人の心を剥き出しにしようと奔走するのでしょう。あの世界に紛れ込んでしまった先輩にしたって、本当はあの同級生のことが好きなわけで、あんな嫌がらせされて平気なわけがないのだけれど、そんな気持ちは隠したいからこそ彼女は平然を装った。でも、そこを逆手にとられ、より一層「そんなことはない」っていう自己暗示に拍車を掛けてしまったのだと思います。
つまりはブラックロックシューターがやってることって、そういった悪循環からの脱却の手助けなわけで、最悪その首を切り落としてまで彼女は『向き合うこと=曝け出すこと』を重要視しているのでしょう。そして、それはマトの意志でもあり、彼女の向き合って相手の気持ちを理解しようという行動そのものに起因しているのかも知れません。
ただ、そんな彼女のすぐ傍に黒幕の存在がいるという事実は今後の展開にもう二波乱ぐらい起こしそうな気配で、尚のことこの作品からは嫌な気配が漂ってくる感じが、どうしてもしてしまいますね。まぁそういった暗雲を払ってくれることをマトとブラックロックシューターに期待しつつ、また今後の展開を見守っていきたいなと思います。ちょっと怖いですけど、楽しみです。
次回 「いつか夢見た世界が閉じる」
孤独の世界に閉じ込められていたヨミだからこそ、もう二度とあんな想いはしたくないって感じるその気持ちとか、やっと見つけた自分の居場所だからこそ、必死になってその場にしがみつこうとするその行動を理解することは出来るのだけれど、でもそれじゃあ、カガリがヨミにしていたことともあまり差はなくて、本末転倒になっちゃうよなぁとはやはり感じられてしまって。
ただ救いなのは、まだそこまでヨミが独占欲に支配されているわけではなく、マトを縛り付けているわけでもないっていう部分なわけですけど、なんだかもうそれだって時間の問題のような気もしてしまうというか…
特に3話冒頭のこのシーンは非常に示唆的というか、奥に位置する白雲を手前の黒雲が覆っている感じなんかは凄く嫌な感じのするシーンで、ジワリと不安を煽ってきます。
もちろん、この時点ではヨミの嫉妬心は明らかにされていないわけなんですけど、将来的に嫌なことが起こることを予感させてきて、気持ちがざわつく… とでも言えばいいのでしょうか。また、その辺りには作品性(鬱々しさ)という部分も相まって、そう感じることに影響を与えているのでしょう。
そして、場面が切り替わり左手がマト、右手がヨミという位置関係で、彼女達の足元が映し出されます。先程の雲の進行方向は左で、彼女達の進行方向も左。ということは、奥側がマトということになり、白雲=マト、黒雲=ヨミという関係性がここから読み取れます。
まるで、今度はマトが孤独を強いられる番なのだと言わんばかりのシーンの連続には、最早不安感しか感じられません。
極めつけはヨミがマトに対し鎖編みの腕輪を手渡すシーン。もうヨミさん、本気です。特にこの鎖編みに関しては1話でもヨミに対するカガリの束縛の象徴として描かれていたわけで、それを自ら編み込みマトに手渡すところからして、あの腕輪からは彼女の独占欲が溢れ出している事が如実に示唆されていたのだと言えるのではないかと思います。
いや、ただ独占欲と言ってしまうのはまだ早計なのかも知れないな、という部分は少し感じているところで、ヨミも別段「私の傍だけに居て」と願っているわけではないんですよね。けれど、マトとヨミの仲睦まじい関係を見る度に彼女は劣等感を感じてしまう。笑うタイミングが一緒、とか。泣くタイミングが一緒、とか。
そして、そんな劣等感こそがいずれは独占欲(自分のものにしてしまえば敗北を感じない)といった感情に成長するわけで、まぁそういった執念にマトが屈しないかどうかといったこの先への不安はやはり大きいですよね。ただ、そういった感情も言ってしまえば偽りの自己肯定でしかなくて、結局そうすることで彼女は自身の存在意義を確立しようとしている。
また、そういった彼女の姿が反映され描かれているものこそが、あの裏の世界の空間なのではと考えられるわけで、ようはカガリやヨミのああいった姿(チャリオットやデッドマスター)というのは偽りそのものの存在でしかなく、「本当の気持ちと向き合えないからこそ出来上がる、“思い通りにならないのなら、いっそ…”といったただの偶像」に過ぎないのだとも言えるのかも知れない。
そう考えると、公式HPでも書かれているような『心象世界=嘘の世界』といった世界観説明にも納得がいくような気がします。
故にそんな偽者の存在をブラックロックシューターは切り捨て、本人の心を剥き出しにしようと奔走するのでしょう。あの世界に紛れ込んでしまった先輩にしたって、本当はあの同級生のことが好きなわけで、あんな嫌がらせされて平気なわけがないのだけれど、そんな気持ちは隠したいからこそ彼女は平然を装った。でも、そこを逆手にとられ、より一層「そんなことはない」っていう自己暗示に拍車を掛けてしまったのだと思います。
つまりはブラックロックシューターがやってることって、そういった悪循環からの脱却の手助けなわけで、最悪その首を切り落としてまで彼女は『向き合うこと=曝け出すこと』を重要視しているのでしょう。そして、それはマトの意志でもあり、彼女の向き合って相手の気持ちを理解しようという行動そのものに起因しているのかも知れません。
ただ、そんな彼女のすぐ傍に黒幕の存在がいるという事実は今後の展開にもう二波乱ぐらい起こしそうな気配で、尚のことこの作品からは嫌な気配が漂ってくる感じが、どうしてもしてしまいますね。まぁそういった暗雲を払ってくれることをマトとブラックロックシューターに期待しつつ、また今後の展開を見守っていきたいなと思います。ちょっと怖いですけど、楽しみです。
次回 「いつか夢見た世界が閉じる」
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