IoTデバイスの多くは無線ネットワーク技術を利用します。有線で接続すると物理的な配線の処理が必要になり、いつでもどこでも使える状態にはならないためです。
よく使われるのはWi-FiやBluetoothです。対応する機器が世の中に大量にあるからです。例えば米グーグルの「Google Glass(グーグルグラス)」は、IEEE 802.11b/g対応のWi-FiとBluetoothの機能を、あの小さいきょう体のサイズの中に納めています。Wi-Fi経由でインターネットにあるレシピサイトを見ながら料理したり、携帯電話とBluetoothでつないで電話の着信を受けたり、メールを閲覧したりできます。
2.4GHz帯か、5GHz帯か
現在、一般ユーザーの多くが使っている無線周波数帯は、2.4GHz帯と5GHz帯です。これらの帯域であれば、免許が不要で、誰でも利用してよいからです。このほか携帯電話網では700M/800MHzや1.9G~2.1GHzなどが利用されています(図2-1)。
2.4GHz帯には、Wi-FiやBluetoothのほかに、組み込み機器系の無線技術でよく利用されるZigBeeもあります。さらにコードレスホンや、無線機器ではありませんが電子レンジなども使っています。多種多様な機器が利用します。
一方の5GHz帯では、“ギガビットWi-Fi”とも呼ばれるIEEE 802.11acが2014年1月に正式に策定されました。米アップルの「iPhone 6」が早速搭載し、スマートフォンで実測100Mビット/秒を超える通信が可能になりました。