全生活保護世帯へ収入申告「確認書」
高知市、確認書の説明なく提出求める
国は一部にある悪質な不正受給者を取り上げ又、生活保護受給者へのバッシング世論を理由に生活保護費の基準額の切り下げを行おうとしています。この間も高齢者の老齢加算の廃止をするなど命のセイフティーネットである生活保護制度はボロボロになっています。その中で、国はさらに収入申告と返還などの取り扱いを強化するよう各自治体に通知を出しました。
市はこの11月上旬に生活保護の全世帯に「収入申告についての確認書」を送り、30日までに提出することを求めています。
国は不正をなくす為としていますが、今回、新たに事業主に対して生活保護世帯だということを知らせて申告の義務を課し、収入の有無に関わらず定期的に収入の申告書の提出を求めることや事前説明が行き渡っていない層である未成年者のアルバイトでも収入を得ている場合の申告を怠ると法第63条ではなく、法78条(悪質な場合への対応)の適用とするというのです。
このことは生活保護世帯のプライバシーは無くなり、生活保護が真に必要であっても制度が活用することが遠のく事態を拡大させます。
また、生活保護法に基づき、費用返還が生まれた場合は十分な事前の説明と理解が必要条件とされ、国の示した様式の事例文では「以上のことにつきまして、貴福祉事務所担当00氏より説明を受け、理解しました」とあり捺印を求めています。
市が通知した確認書は国の様式そのまま採用しています。最後の一文も全く同じなのですが、大きな問題は市は実際本人に何の説明もせず承諾の印を求めている点です。
チェック項、「不実の申告」の拡大に
7項目のチェック欄があります。その中の一つに『不正をする意思がなくても、申告漏れが度重なる場合は「不実の申告」と福祉事務所に判断される場合がある』となります。
例えば精神疾患や高齢などで申告などへの理解が出来ないケースも本人がこの書面で同意していれば取り扱いによっては法第78条の悪質なケースの処分となってしまいかねません。
市=「提出しなくても問題はない」
担当課は「言われたような理由で保護の廃止だとか法第78条扱いは考えていない」提出しなくても問題ないと言います。しかし全世帯に一律に確認書、同意を求め、状況に応じた個別の説明も行っていない今回の確認書の通知のあり方は不親切で問題だと思います。
この通知について相談が寄せられています。 精神疾患をわずらい生活保護を受給して生活を送っている60代の男性は「この通知の説明は受けてない」 「提出せんかったら保護がきられるのか、心配やき印を押したほうがいいだろうか」と話しています。
多くの方が十分な理解が出来ないまま、提出することが予想できます。
取り扱いについて提出しなくてもいいならそのこともきちんと説明を市は行うべきです。
ご意見や情報をお寄せください。