Li_to_Mate

「祐一～～。お昼休みだよ～～～～」


「だよ～～」じゃねえッ！！

実に恐ろしき北川。もの悲しい栞シナリオでこんなに爆笑させられるとは。一度目に見たときは北川に全てを持っていかれた……。
これはこれで、「普通に扱って下さい」と言った栞の言葉を実現させるための作りではないかなと考えらます。
祐一は、描かれてないけど、多分沢山のいろいろな葛藤があって、そして栞を普通に扱う事に決めた。で、それを見ていなくて祐一との隔たりが大きい視聴者のテンションを、栞を普通に扱う事を許容する為の、視聴者自身の立ち位置を『普通』の学校生活に戻す為のギャグなんじゃないでしょうか。
実際あんだけ重かったシーンの後でも、このギャグと栞の教室への強襲で、こちら側の姿勢が一気に普通のものになったし。つまり、ナイスギャグ北川！ということです。






今回の（も）絵は（絵以外もだけど）もの凄かったです。
降り続ける雪と、顔の陰影。
昼間の、祐一と会ってる時の明るい栞。
帰り道、彼女の溜息が起因となったかのように降りだす雪。
夜に雪はしんしんと降り続ける。全てを埋めてしまうかのように、全てを隠すかのように。
そして顔の陰影。
室内や昼間でもない限り、ずっとずっと影がかかる栞や祐一の顔。


え～となんでしょう、僕の表現力じゃ説明しようがありません。
「やっべーよコレ！すっげーよコレ！」
だけで今回のkanonレビュー、終えたい気分です。
あとは各々本編を2･3回見直すように。以上終わり！
で終えたいです。もうとんでもねえっすよ今回は。
この陰影とか降り続ける雪とか音楽とかが、ひどく緊張感があって、それがこの話に説得力を持たせているのです。



やっべーよコレ。

【More】

---

ということで、今回は（というか今回も）
「やっべーよコレ、すっげーよコレ！」
だけしか書くことないのですが、それだけだとあんまりにもアレなんで、以下適当に随感的に（つまりいつもどおりってことなんですがw）。

しかし本当、折り返し過ぎたくらいからのkanonのクオリティは狂ったように高いです。








美坂家と水瀬家との分かれ道になる交差点。
それぞれ一人で帰っていく栞と香里。来週、もしくは最終回はきっと、二人で並んでこの道を、家路へと帰っていくはずだ。というかそうなったら泣く！絶対！
こういうのをナチュラルに強調してくる京アニがニクい。




今回、「無言歌」ということで、この姉と妹が決定的に交わりませんでした。



姉に「おかえり」と呼びかける妹、それを無視する姉…。




一方水瀬家。
「おかえり」と呼びかけるあゆ、それに答える祐一。
「辛いことから目を背けようとしている人は、祐一の傍にいる」
（原作ネタバレ反転）
香里にとっての『辛いこと』の原因にあたる栞からの挨拶。
祐一にとっての『辛いこと』の原因であるあゆからの挨拶。
それに答えない香里と、それをまだ知らないからか答えられる祐一。
ええとなんだろ、ここも「やっべよー！すっげーよ！」で終わっていいか（笑）。もうよくわかんない。
なんというか、「辛いことから目を背ける」か否かの境界は、本当にちょっとしたことの差なんじゃないかと思う。






そしてこの『無言』なのはこの姉と妹だけではなく、ある意味他のキャラクターとも当てはまります。

心配しているあゆやそれなりに気にしてそうな名雪、ピロまでもが祐一を気にかけているのに、栞の病気のことは全く話さない祐一。それは香里も同じく。
例えばあゆなんかには、他のことは話すのに、この栞の病気だけはすっぽりと抜け落ちます。
そしてそれは、病気のことをいったん置いといて、普通に扱うと決めた祐一と栞との間にまで当てはまります。

つまり、『病気』のことに関すると祐一も栞も香里もみんな無言になってしまうのです。
「辛いことから目を背けようとしている」ってのは、色んなことに当てはまりますが、この病気のこともまたその一つだと思う。意識しているのに喋らないということは、返ってそのことがその人の中で大きくなる。
自分の病気や、それに基づく自分自身に対して、「最後まで笑っている」と自分自身のスタンスを決めた栞にとってはまだしも、その栞の病気や栞自体に対する付き合い方を決められない香里や、イマイチ仮託気味な祐一にとっては、この『無言』というのはどうなんでしょうか。
栞の死に耐えられるのでしょうか。
（もちろん死ぬと決まったわけではないですが）

なんかどことなく、その辺りに怪しさが漂う作りでした。


原作やったとき、どうもこの祐一の『栞の病状の諦め』の受け入れっぷりに違和感を覚えたのですが（自分だったら、なんとしても助けようと思っちゃうかなぁという意味で）、その祐一の感情変化も祐一がこういう性格なんだからそうなんですよね。つまりこれが祐一の姿勢であると。
でもこの姿勢は祐一の過去からくるものであって、それも結局「辛いことから目を背けようと」に結びつくというか。例えばあゆハッピーエンド後の祐一がこれと同じ状況に立って、これと同じ選択をするだろうか。

誰だって、辛いことからは目を背けたいし、それはやっぱ必要以上に責められる所ではないのではないでしょうか。でもその辛いことに向き合って、自分なりの答えをもって立ち向かっていけば、その先がたとえどんな結末でも自分なりの何か得るモノはあるのではないでしょうか。そしてソレこそがきっと、この栞シナリオでの『栞の得るモノ』なんじゃないでしょうか。

栞にとっては「最後まで笑っている」ことなのではないでしょうか。

---

う～ん、やはり今週は書きようがありません。来週は多分、書きたいことがいっぱいあるっぽいです。とにかくもう、今週は「やっべーよコレ、すっげーよコレ」。もうそれだけっす。

陰影や夜の雪による不安感・緊張感。必要以上に寄って来るあゆなど他のキャラ、誰にも栞の病気のことを話せない・話さない祐一。一人で、もうどうしていいのかもわからない状態の香里。普通の女の子に戻った後、異様なくらいに笑顔を見せる栞。
これら全てが、来週に帰結するのです。

うわもうこれはヤベエ！めちゃくちゃ凄いよ来週は！



しかもかなりオリジナル要素が強い作りになるっぽい（まあ栞シナリオから恋愛を抜いた時点でそうなるのですが、というか恋愛抜いといて栞シナリオ作った京アニ化け物だ）。

ああ～～やばい、来週はやばいぞ～。激泣くぞ～きっと。
来週はきっと本当に凄いぞ～。永久保存版だ（こんくらい期待しても、今の京アニならきっと大丈夫そう）。

来週も期待というか、期待しまくりです。凄い見たい。今すぐ見たい。


追伸：栞が重病の割りに、そんな素振り見せなくて変って意見があるけど、あれ実はめちゃくちゃ我慢しているのです。超～～我慢して笑顔を見せているのです。
まあ実際にはどうなのかわかんないんですけど、そう思い込んでおくと多分来週ボロ泣きの号泣できるっぽいので、そう思い込んでいた方がハッピーです、きっと。


WEB拍手を送る

---

おまけ

【kanon17話に潜んでいた者】


食堂に向かう栞と祐一、そこにkeyからのゲストキャラが待ち受けていた！




この古河っぽい触覚とみちるっぽいもみあげ（？）は……

麻宮姫里だーーー！！
（通称キィちゃん）


もはや誰もが忘れかけてたkeyのマスコットキャラ！KEYのホームページですら最近は見かけない！ビックリな登場だ！
KeyのOHPのGALLERY、一番上の段の左から三番目が今回バージョンのキィちゃん。つうかアレだ、ギャラリー見てたら懐かしすぎて泣きそうになった。



しかし、さらに驚きなのは、この麻宮姫里の向かいに座っている人物！




真っ直ぐロングの黒髪、
積み上げられた驚愕の皿の枚数、
そしてそれだけ皿を積んでるのに、さらにカレーを食べようとするこの姿勢……！

これはもしや、

ONEの大食いクイーン、川名みさきーーー！！


てゆうかこれだけの量のカレー食える人間なんて他に存在する訳がない（笑）ので、多分確定でしょう！



（カレークイーン川名みさきと、何気に13話以降殆ど登場しているキムチラーメンクイーン七瀬さん）

これで『えいえんの世界』まで、残すはあと三人……ッ！！
（メガネは勘定に入れなくていいよね？）


こんな小ネタまで仕込むなんて、やっぱり今回は、
「やっべーよコレ！すっげーよコレ！」
です！

テーマ : Kanon～カノン～ - ジャンル : アニメ・コミック

タグ : アニメアニメレビューkanonカノン京アニ