週末ゲーム

第665回

B級戦争映画好きにはたまらない!2D戦闘ヘリシューティング「地獄のヘリコマンドー」

ミサイルや爆弾など多彩な武器を開発し、困難なミッションのクリアを目指せ

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、戦闘ヘリを操ってミッションをクリアしていく2D横スクロールシューティングゲーム「地獄のヘリコマンドー」を紹介しよう。

 なお、本作は有償の同人ゲームとして頒布されており、執筆時現在は委託販売店や通販、ダウンロード販売で購入可能。作者サイトでは体験版も公開されている。

特殊作戦ヘリ“ニンジャ・コマンドー”を乗りこなせ

戦闘ヘリを操ってミッションクリアを目指す2D横スクロールシューティング

 「地獄のヘリコマンドー」は、特殊作戦ヘリ“ニンジャ・コマンドー”ことXOH-1のパイロットになり、さまざまなミッションの達成を目指すミッションクリア型の2Dシューティングゲーム。本連載の第443回で取り上げた、ブレードで戦うアクションシューティングゲーム「Asteraiser」を手がけたゲーム制作サークル“OBLIQUEGLASS”の最新作だ。

 画面構成は2Dサイドビューで、ステージには戦車や戦闘ヘリが多数登場するB級戦争映画テイストな世界観が構築されている。ミッションの達成内容によって獲得できるメダルで武器や拡張パーツを開発でき、より強力な兵器や装甲などを搭載できる。砲弾が飛び交う戦場も魅力だが、ミッションの内容に合わせて搭載する兵器をどうカスタマイズすればいいのか考えるのも本ゲームの醍醐味だ。

 空中で停止できる浮遊感や、ゆっくりと加速したり慣性によって急停止できないなどヘリの雰囲気をうまく再現しているのに加え、敵機が上下左右からやってくるため、攻撃を当てやすく敵弾を避けやすいように上下の位置取りが重要になるなど、緊張感たっぷりのシーンが多いのも魅力だ。それだけに自分の狙い通りに敵機を撃破できた時はかなりの快感が味わえる。

 舞台となるのは、198X年の冷戦時代。東西大国の睨み合いは間に位置する小国の代理戦争の形で表出し、同時に近代兵器の開発競争を促した。前大戦末期に登場した軍事ヘリコプターは機動・打撃・装甲のすべてにおいて長足の進歩を遂げ、単機で各種任務の遂行を可能とする特殊作戦ヘリ“ヘリ・コマンドー”が誕生する。西大洋に浮かぶ島国“ベル・バルド”では、東側寄りの軍事独裁に対し西側連合が多国籍軍による介入を宣言し、連合軍艦隊の派遣を決定。プレイヤーは連合軍側の“ニンジャ・コマンドー”を操り、ミッションをこなすことになる。

 操作はWASDキーで上下左右の移動、マウスで照準、左クリックで機関砲、右クリックで対空または対地ミサイル、ホイールクリックでポッド武器となっている。ミサイルは、マウスボタンを押し続けると円形のサイトが展開し、その範囲に入った敵機をロックオン。ボタンを離すとロックオンした敵機にミサイルを発射する仕組みだ。ポッド武器は主に対地用で、遠くへ飛ばすロケット弾や下に落下する爆弾などが用意されている。

ミサイルは緑色の円形をしたサイトに敵を入れるとロックオン。ボタンを離すとミサイルが発射される
対地攻撃は爆弾を落下させるタイプが多いため、狙った場所に当てるのはやや難しい
長射程モードは画面全体がレーダーに切り替わる。敵機をレーダーで見付け、狙いを定める

 また、特殊なのがミサイルやポッド武器にある長距離用の兵器。クリックすると画面全体がレーダーとなる長射程モードに切り替わり、レーダーに表示された敵機に標準を合わせて発射する。これによって画面には表示されていない遠くの敵機への攻撃を可能にする。ただし、近距離の敵機はほぼ攻撃できず、しかも長射程モード時は自機が無防備になるので使用する場所には細心の注意が必要だ。

 ミッションは敵機の全滅をはじめ、特定の輸送機を破壊、要人の救出などさまざま。ミッションの内容を達成できなかった場合は失敗となるほか、敵機の攻撃によって機体の耐久力がゼロになったり、画面の左側に表示される燃料がゼロになっても失敗となり、ミッションのやり直しとなる。

 機体はコックピット、フロント、ボディ、テールの4つで構成されており、耐久力は画面左上の“BODY”と表示されている領域で確認が可能。耐久力が減っていくと各部位が緑、黄、橙と変化し、破壊されると赤くなる。一部でも部位が壊れると性能が低下するので注意が必要だ。すべて破壊されると撃墜となる。

メダルを集めて新たな武器を入手。ミッションや敵に応じた使い分けもポイント

 本作の大きな特徴と言えるのが、技術の向上によって武器と拡張パーツを入手できること。武器の種類は、ロックオンした敵機を自動射撃するものや、幅広い範囲を攻撃できる散弾砲など多彩だ。拡張パーツには装甲を強化するものや燃料の消費量を抑えるもの、弾速を高めるものなど補助的なものが揃っている。なお、拡張パーツは2つまで同時に装備可能となっている。

 技術の向上に必要なのが“メダル”だ。ミッションクリアまたは失敗時にミッションの進行具合、および使用した燃料、機体の残り耐久力、武器の命中率の3要素による評価に応じた数のメダルを獲得できる。

 そして、ミッションの選択画面で“Upgrade”ボタンを押すと技術の向上メニューが表示される。技術には、金属、機械、化学、電子の4系統があり、メダルを消費してそれぞれのレベルを上げていくことで新たな武器や拡張パーツを入手可能だ。たとえば化学を2段階目まで上げれば、高い破壊力を持つ爆弾“BM-M-60”を入手できる。複数系統のレベルアップが必要なものも多い。

ミッションの達成度に合わせて獲得できるメダルが変わる
メダルを使って技術を向上させると新たな武器や拡張パーツが手に入る
ミッション内容に合わせて搭載する武器を変えることが重要だ

 ミッションのクリアには、武器や拡張パーツを作り、ミッションの内容に合わせて選択していくことが重要になる。たとえば走行する輸送車両を撃破するミッションではスピードが重要となるため、加速と最高速を上昇させる拡張パーツ“EG-Turbo”を装備するとグッとラクになる。このほか、戦闘ヘリの撃破が中心のミッションなら、対空兵器を重視して装備するといった具合だ。

 ミッション中、敵機に合わせて武器を選ぶのも大切だ。対空ミサイルは空中の敵機にしかロックオンできず、対地ミサイルはその逆。マウスのどのボタンにどの武器が割り当てられているのか忘れないようにして、敵機に合わせてすばやく押せるようにしておこう。また、それぞれの武器には弾数が決められているので、ムダ弾を撃つと弾切れを起こしてしまう。たとえばスピードの速い小型の戦闘ヘリには、自動的に追尾するが弾速の遅い対空ミサイルは当たりにくい。この場合は機関砲で直接撃つほうが有効など、状況に合わせて使い分ける必要がある。

 また、一部の敵機は装甲の薄い部分がある。装甲車は砲塔の部分は厚いが、車輪や背後は薄い。ヘリはローター部やテール部分は装甲が薄くなっている。ムダ弾を減らすためには、弱点も把握しておきたい。

 後半になるほどミッションは難しくなる。もし、クリアできないと感じたら、前半のミッションをやり直してみるのもいい。前回のクリア時より評価が高ければ、メダルを追加で入手できるからだ。メダルを集めてより強い武器や拡張パーツを開発してミッションに再チャレンジしよう。

 硬派な雰囲気で、ヘリ操作のレスポンスは良好。敵のヘリや戦車を飛びながら撃破していくのはなかなか爽快だ。武器の種類も豊富で、クリアしたミッションでも別の武器を使えば、もっと評価が高くなるかも……と何度もプレイしたくなるのもうまい作り。また、ミッションの難易度は少しずつ上がっていくため、ゆっくり操作に慣れていける。2Dシューティングゲーム好きはもちろん、B級映画の雰囲気が好きな人にもオススメだ。

ソフトウェア情報

「地獄のヘリコマンドー」
【著作権者】
OBLIQUEGLASS
【対応OS】
Windows Vista/7/8/10
【ソフト種別】
ダウンロード販売 1,620円(税込み)など(体験版あり)
【バージョン】
1.20