残業を減らす!Officeテクニック
年賀状の宛名書きにも使える「差し込み印刷」をマスターしよう
2021年12月21日 12:30
文書の一部分だけ書き換えて印刷したいシーンは意外とあります。年賀状などの「はがきの宛名」のほか、定型文の宛名、ネームプレートの作成、封筒に貼るラベルなどさまざまです。数枚であれば、ファイルを複製して修正してもいいですが、十枚以上では手間も時間もかかります。
そんな時は、Wordの代表的なテクニック「差し込み印刷」を使ってください。ファイルのコピー&ペーストを繰り返す必要はありません。最新の「Word 2021」はもちろん、Word 2019/2016/2013、Microsoft 365でも利用可能です。
昔から難しい機能と言われますが、そんなことはありません。順を追って覚えてしまいましょう。まずは、宛先をまとめた「リスト」が必要なことだけ知っておいてください。
※本稿の内容は「Office Professional Plus 2021」で動作確認しています。
Wordから参照するExcelファイルを準備する
元のリストは更新されないため、既存の住所録や名簿などをそのまま利用しても構いませんが、これから作成するWordファイルと対になるため、「差し込み印刷」に利用するExcelファイルは別途準備しておくことをおすすめします。
はがきの宛名書きなら「郵便番号」「住所」「氏名」の項目があれば、その他の項目が含まれているリストでも問題ありません。
年賀状の宛名書きにも使える「はがき印刷」
ウィザードに従って新規文書を作成する
利用頻度の高い「はがき印刷」を例に、差し込み印刷を試してみましょう。前述の通り、宛名書きに利用する住所録を用意しておいてください。白紙の文書から[差し込み文書]タブ→[はがき印刷]→[宛名面の作成]の順に選択すれば、ウィザードが起動するので、画面の指示に従って操作します。
今開いている白紙のWordファイルとは別の新しいウィンドウが表示され、[はがき宛名面印刷ウィザード]が起動することに戸惑わないように。また、ウィザードの途中で「宛名に差し込む住所録を指定してください」の画面で[既存の住所録ファイル]を選択することもポイントです。
[はがき宛名名印刷ウィザード]を完了すると、参照するExcelファイルの1行目が、はがきのイメージで表示されます。[結果のプレビュー]グループの矢印ボタンをクリックして、すべてのレコードの内容を確認しておきましょう。
「差し込み印刷」を利用した文書の構造
Wordファイルには「枠」が用意され、Excelファイルに含まれるデータ(レコード)の内容が表示されるため、Word側では文字列を修正できません。間違いに気づいた場合は、参照するExcelファイルを修正するのが基本です。「差し込み印刷」を利用したWordファイルの構造を見てみましょう。
個人的な友人などに送る年賀状であれば会社名と部署の情報はいらないので、印刷されないようにしてみましょう。印刷する情報を編集するには[フィールドの対応]ダイアログボックスを使います。
フィールドを確認すると、住所欄には「<<住所_1>>」「<<住所_2>>」が表示されていることにお気づきでしょうか。ここで利用した住所録には「住所」の項目が1つしかなく、「<<住所_1>>」と「住所」の項目が対応しています。「<<姓>>」と「<<名>>」も同様です。
元のリストの項目と、Word上のフィールドの対応に不具合がある場合は、[フィールドの対応]ダイアログボックスで調整してください。
個別にデータを修正・印刷する
独立したWordファイルとして修正する
連名の追加など、特定の数枚を修正したいときは、[完了と差し込み]から[個々のドキュメントの編集]を選択します。この操作により、Excelファイルを参照しない独立したWordファイルが作成されて編集可能になります。
ただし、[すべて]を選択すると、元のリストの件数(レコード数)分のページでWordファイルが生成されるため、例えば、1,000レコードなら1,000ページ生成されます。おそらくWordが固まってしまうでしょう。特定の数枚ならレコード(ページ)を指定してください。
文書の一部に「差し込む」
「差し込み印刷」の利用例をもうひとつ、文書の一部を書き換える方法を紹介します。本文は共通で宛名のみを書き換える案内状などに利用できます。単に宛名を差し込んでネームプレートを作成するといった使い道もありますね。
リストを選択してから差し込むフィールドを指定するのが、はがきの宛名書きと異なるポイントです。元となるExcelファイルを選択することで、フィールドが差し込める状態になります。
フィールドの修正や印刷の方法は、はがきの宛名書きと同様ですが、案内状のような文書では宛先によって内容を書き換えたいこともあるでしょう。[完了と差し込み]から[個々のドキュメントの編集]を選択して、個別のWordファイルを生成してから内容を修正してください。