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一般的なPCで瞬時にAI画像生成が可能なモデル「NitroFusion」のデモ版がリリース

Huggin Faceで体験可能、コンシューマーグレードのグラフィックカード1枚で動作可能

「NitroFusion」のページ

 米サリー大学People-Centred Artificial Intelligence(PAI)のSketchXラボは11月29日、一般的なハードウェアで瞬時に画像生成が可能なオープンソースのAIモデル「NitroFusion」を発表した。12月4日にはHugging Face Spaceでデモ版が試せるようになっている。

「NitroFusion」のデモ版

 「NitroFusion」は、手頃な価格のハードウェアのみを使用して、ユーザーが入力するのと同時に画像を生成できるAIモデル。『コンシューマーグレードのグラフィックカード』単体で動作可能で、個人やスモールスタジオでも手頃に利用できる。また、エネルギー消費を大幅に削減することで環境への配慮も実現。なお、『コンシューマーグレードのグラフィックカード』についての具体的な言及は発表ページにはなかった。

 モデルは、フォトリアルな画像を生成する「NitroSD-Realism」と、彩度の高いリアルなイラスト風画像を生成する「NitroSD-Vibrant」の2種類が用意されている。従来の画像生成AIは多数のステップでプロンプトに従ったデノイジングを行っていたが、「NitroFusion」では動的な敵対的トレーニングを用いて1~4回のステップでデノイジングを行い、高速な生成を実現したとしている。

「NitroFusion」の仕組みの模式図

 モデルのライセンスは「NitroSD-Realism」がCC BY-NC-SA 4.0、「NitroSD-Vibrant」がOpen RAIL++

 GitHubのプロジェクトページでは、ローカルで動作するアプリとトレーニングスクリプトを近日中に公開する予定とのこと。

 PAIのYi-Zhe Song教授は『NitroFusionは、AIを誰もが利用できるようにするためのパラダイムシフトを表しています。大規模な計算リソースや、ほとんどの画像生成プラットフォームで一般的なプロンプトと結果の間の長い待ち時間を不要にします』とコメントしている。