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2018.03.16

オウム真理教事件死刑囚の死刑執行に関連して

 オウム真理教事件で死刑が確定した死刑囚13人中7人が、15日、東京拘置所から全国5か所の拘置施設に移送された。報道によれば、具体的には、林(小池)泰男死刑囚(60)が仙台拘置支所、岡崎(宮前)一明死刑囚(57)と横山真人死刑囚(54)が名古屋拘置所、新実智光死刑囚(54)と井上嘉浩死刑囚が大阪拘置所、中川智正死刑囚(55)が広島拘置所、早川紀代秀死刑囚(68)が福岡拘置所であるらしい。麻原彰晃(松本智津夫)死刑囚(63)ら6人は東京拘置所にとどまっている。
 今回の移送は、1月に一連の裁判は終結したことによる、死刑執行準備ではないかと見られていた。が、朝日新聞報道によれば、「拘置所内での共犯者同士の接触を避けるなど、配慮が必要なため」で「死刑執行とは無関係」とのことだ。
 しかし、いずれ13人の死刑執行がなされることだろう。ではそれはいつごろかだが、これに関連するのは、今上陛下退位と新天皇即位である。おそらく2019年は死刑が天皇制を支える心情から忌まれることになるだろう。そして、翌年2020年はオリンピックの年であり、すでに死刑を廃止した米国以外の先進国からの批判を避けるためにも、避けられると見てよいだろう。であれば、早倒しに今年行うかだが、すでに3月であり、天皇退位・即位の準備で避けられるだろう。すると、これだけの多数の死刑の執行は2021年からその翌年以降となるだろう。
 関連していうと、同様にこの関連で、恩赦が実施されるだろう。推測を延長すれば、恩赦は中央更生保護審査会への自己申請の形式を取るが、高齢者が配慮されるのではないだろうか。そう期待したいのは、それをもって事実上の死刑廃止につながればよいからだ。そう思うのは、いつもながら、いちブロガーとしての意見にすぎないが、死刑は廃止されるべきだと思うし、オウム真理教事件についても、死刑は執行されないことを願っている。
 理由は3つある。1つめはすでに述べたように、死刑そのものが廃止されるべきだということ。なぜ廃止されるべきかについては、すでに先進国で廃止されている理由と同じなのでここでは繰り返さない。2つめは、この事件は現行法での裁判としては終了しているが、日本の市民社会にとってはまだ多くの謎を抱えており、死刑囚を含めてその解明がなされるべきだと考えるからだ。これに関連することは過去、このブログにも書いてきた。3つめは、今回の移送にあたり、麻原死刑囚の娘さんから指摘があったことでもあるが、事件の中心人物される麻原死刑囚は精神的な疾患の状態とみてよく、そうであれば、裁判の正当性に疑問がつくことだ。
 とはいえ、現状の日本の精神風土からすると、死刑廃止に国民の理解が得られるとは考えにくい。昨年時点で確定囚は123人。昨年の例でいえば、執行4人、病死4人。2014年以降は、執行は3人から4人で推移しており、今後については先にも述べたように天皇の退位・即位から恩赦や執行の事実上停止や抑制が想定されるので、この数年間に日本社会は、ある意味で猶予的な期間が得られることになる。この間に、段階的な死刑廃止に向けた取り組みがなされることを望みたい。

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