就職活動には黒服を着るというのでびっくりこいた
ブログをちょっとお留守にしている間の世間のできごとで、僕がいちばんびっくりこいたのは、現代の若い人が就職活動に黒服を着ていくということだった。NHKの番組で知ったのだけど、本当にびっくりこいたのだ。そんなことはないでしょ。多いと言っても六割くらいなもんじゃないのと思っていたのだった。ああ、なんたる世間知らずな、我よ。
ほとんど真っ黒らしい。「就活スーツ」というらしい。最初から黒らしい(参照)。
髪の毛も黒に染め直すらしい。
僕がそれを知ったとき即座に思ったのは、「ああ、やめとけ」ということだった。
それで「そんな黒装束を着るのはやめたほうがいいよ」とブログに書こうかと思った。が、ためらった。「就活している人の身になって考えろよ、ボケ老人」とか言われそうだなあと、わかったからである。まあ、わかるよ。
就活している現実の若い人にとっては、黒い「就活スーツ」なんて、デフォで、当たり前のことで、そんな次元でがちゃがちゃ言わなくてもいいよ、るせーなじじい、ということなんじゃないか。
どうなのだろうか。ということで、言うのは控えて、黙っていたのだ。
まあ、それもいいだろう。
歴史は繰り返すである。
とも思った。
いつか君と行った 映画がまた来る♪である。
僕は無精髭と髪を伸ばして学生集会へも時々出かけた
就職が決まって髪を切ってきたとき、もう若くないさと君に言い訳したね
僕より年上の全共闘世代は長髪で体制に反対とか言いながら、就職になるとその髪を切ったでさっさと体制に順応していったのだった。
正確に言うと、忸怩たる思いを抱えつつ生きるためにはしかたなくそうした、という人が多い。内面は絶対に体制に馴致されるものか、老人になった今でも※※断固反対、という感じの人も少なくない。
それでも、彼らは髪を切ったのだった。
そして髪を切らない人もいた。例えば、村上春樹。
どっちがいいとも言えない。
その世代の下の僕は、そもそも自己主張のために身繕いでアピールをするとか、自己を目立たなくするための衣装を着るとか、さらに団体活動するなんてこと自体、ouf、考えるだけで鬱で死にたい気分になるくらいだったから、原点が違うけど。
でも、まあ、どちらかというと、僕は、そういう意味で「髪を切らない」で生きて来た(髪についてのツッコミは禁止な)。僕が現在の若者なら、たぶん「就活スーツ」は着ないだろうとも思う。
でもまあ、そういう外見的な、象徴的なことはどうでもいいのだ。象徴性に過剰な意味を持たせて、「就活スーツ」なんかやめろ、とも思わない。着るもので過ごせることがあったら過ごしちゃってもいいと思う。
僕が、現代の若者の就活の黒装束について思ったのは、就活がそういう誰もが同じ黒装束でやりすごせても、その先には、たぶん、誰もが同じようにやり過ごすことができない問題が必ず発生するだろうな、ということだった。
その時には、黒装束を一人脱ぎ捨てるようなことをしないといけなくなるんじゃないか。
そういう時が来たら、ああ、これが自分なんだと諦めて、その時の「黒装束」を脱ぐしかないと思うよ。
| 固定リンク
« 実は、このエントリーでは他の話をつもりだった。が、なんか長くなってしまったので、これはこれにて。À demain! | トップページ | ピンズラー方式による120日間のフランス語の学習、終了 »
「雑記」カテゴリの記事
- ただ恋があるだけかもしれない(2018.07.30)
- 死刑をなくすということ(2018.07.08)
- 『ごんぎつね』が嫌い(2018.07.03)
- あまのじゃく(2018.03.22)
- プルーム・テックを吸ってみた その5(2018.02.11)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
今はこの黒装束の名前が変わってるんですよ。
自分による自分だけの自分らしい黒装束といいます。
着ている人は昔のものとは全く違うものだと思っていますが、本質的には昔と同じものです。
周りを変えることができず逃げ出すこともできなければ
自分を騙すしかないようです。
投稿: 20代半ば | 2014.01.27 20:03
こーした馬鹿なことを決めたのは老人なのに横槍するのも老人では若者が気の毒だわ
叩くなら決めた同じ老人にしなさいな
あとは
争う老人たちを見せてどちらが正しいかは若者たちに決めさせようぜ
決して中途半端に妥協せず徹底的争えば若者も何かを掴むんじゃないかな?さぁ黒装束を脱ぎ捨てかかって来いや!
投稿: ペロリスト | 2014.01.30 21:16
大多数にとって『装束』ですらなく『作業着』でしょう。
冠婚葬祭にも使える作業着。
投稿: 黒潮 | 2014.02.05 23:55
文章下手ね
投稿: | 2014.04.27 03:56
黒に近い紺のほうが多い気がする。まあほとんど黒なんだけど。
投稿: | 2014.04.28 10:06