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2004.07.01

子どもがキレて何が悪い

 こういう馬鹿には知の鉄槌を下してやらなくてはいけない、と思った。読売新聞系「キレる子供の脳には特徴?1万人追跡調査へ」(参照)を読んで、そう思ったのだ。
 この法螺話を真に受けるとこうだ。近年、ささいなことですぐにキレる子供が増えたのは、ゲームやインターネットの普及などと関連がありそうだが、因果関係はわからない。そこで、科学的に研究しようというのだ。


 少年犯罪の増加や学級崩壊、不登校のまん延などの原因を、最先端の脳科学で探ろうと、文部科学省所管の独立行政法人科学技術振興機構は29日、零歳児と5歳児計1万人について、行動の特徴と脳の働きの関係を5年間にわたって追跡調査すると発表した。
 同機構は、体を傷つけずに磁気や光で脳内の活動を調べる「機能的MRI(磁気共鳴画像)」や「光トポグラフィー」といった最先端技術を活用。子供の生活状況や心身の発達、言語の習得具合などを調べながら、脳との関係を長期間にわたって観察する。
 そのうえで、家庭環境の違いや地域差、男女差なども詳しく分析。問題行動を起こす子供の脳の特徴や、その原因などを突き止めるのが目標だ。

 私は一読して馬鹿かと思った。ふざけてんのか新聞と思った。が、そうでもない。この愚劣な研究はマジである。「科学技術振興機構報」(参照)を読んで、私の脳はキレた。いや、キレたらいいのだが、率直に言えば、落胆した。ものすごい疲労感を感じた(暑いしな)。というわけで、私は、たらっと書く。誰か、ネットの天才たち、きちんとこの汚らわしきものを踏みつぶせ、と期待するよ。
 あのなぁ、とまず言いたい。子どもがキレる。というのは、心の働きだ。でだ、その心の働きは脳と因果的に関係なんかない。脳の働きは心の働きと共時的な変化の相を示す。しかし、それは因果関係ではない。あれほどいそいそと脳をこじ開けて奇妙なコビトの絵を描きだしたペンフィールドも、だからこそ、脳と心の関係はつながっていないと得心した。近年では、脳の病変と心理を追及したファインバーグは「自我が揺らぐとき」で、こう結論づけるしかなかった。文章は難しいし、訳者たちはフッサールの現象学をまるで知らないので哲学的にトンチキな訳語を付けているが、そんなこたぁ、目をつぶれ。

 意味の存在論が個別的であるように、個々の目的も存在論的に一人称であって、自己の「内なる視点」でのみ存在する。観察者は相手の脳のなかに目的の在処をつきとめることはできない。「意志」は触ったり指摘したりできるものではない。意志的行動を創出する脳の神経細胞の発火パターンを明かにすることができても、その発火パターンが目的をもった行動の一部であることを示すものは何もない。

 ファインバーグは哲学的に偉そうなことが言いたいわけではない。本書を読めば、彼がきちんと患者に向き合っている態度がわかるだろう。そうした日々の積み重ねとまっとうな思考から、脳は意志とは関係ないと主張しているのだ。
 どだい、子どもがキレるというとき、今の日本人は、それは脳が壊れたとでも思っているのか?
 もちろん、子どもだから感情が制御できないことはある。しかし、そうした感情が制御できない訴えかけもまた、純粋に人間の行為であり、人間の意志の現れではないか。自分が子どもだったとき、つらくキレたときのことを思い出せないのか。そうしてキレることがどれほど人間的であることもわからないのか、馬鹿ども、と私は思う。
 私は先日の参議院の年金議論のとき、一人国会に行って、石でも投げ込んでやろうと思った。キレたからだ。もちろん、というか、残念なことに、実行はしなかった。ふがいないと思った。普通の国民なら、キレる。なぜ日本人はキレないのかいぶかしかった。そして、今度はキレない子どもをつくるというのだ。
 ちょっと話が前後するが、このニュースを読んだとき、私はテクニカルにはMRIの危険性を思った。MRIは必ずしも十分に安全ではないし、生育期の子どもに適用すべきではないと考えるからだ。しかし、この点は、実はこっそり、日立製作所フェロー小泉英明の研究について当たってみた。安全性はそれほど問題はなさそうだ。逆にいうと、だから、こんな馬鹿げた発想を得たのだろう。
 この記事は、読売新聞以外に、私の知るところでは、朝日新聞にも掲載された。ネット上では「TVゲーム、パソコンどう影響 子どもの脳、1万人調査」(参照)がある。

 インターネットやテレビゲームなどの仮想空間と現実との混同は起こっているのか――。子どもの脳のメカニズムについて科学的に解明する研究を、文部科学省が今年度から始める。医学や脳科学、教育の専門家らが、乳幼児1万人を10年かけて追跡調査する。育児や教育の現場で役立ててもらう狙いだ。

 なにが育児や教育現場に役立てるだ。おめーらきちんと取材しろよと思う。取材というのは、言われたことを垂れ流しするんじゃなくて、こういう問題の背後に潜む、およそまっとうな人間の常識に反する危険な臭いを嗅ぐことだ。
 ここで利用されている技術「光トポグラフィ」は、近赤外線を光ファイバーで脳の外部から当て、それが頭骨を抜けて脳表面でどのように反射するかをもって血流を測定する技術だ。動き回る子供でも簡単に検査できる。かなり安全だとは言えそうだ。が、ジャーナリストなら想像してみなさい。頭に多数の光ファイバーを付けたその光景を。なにか思い当たるだろう。同じだよ。それに気が付くっていうことがジャーナリストだ。
 いや、普通の常識だと言っていい。1959年、文芸評論家小林秀雄は当時の最先端技術としての嘘発見機の愚かさをきちんと見抜いていた。「考えるヒント(文春文庫 107-1)」より。

 機械が、望み通りに、驚くべき性能を発揮するとする。裁判官は言う、「嘘をつくと、嘘発見機にかけるぞ」。被告は主張する、「嘘だと思うなら、嘘発見機を使用されたい」。たったそれだけの事を考えてみても、既に良心の住処が怪しくなって来るだろう。だが、嘘をつくつかぬという事は、良心の複雑な働きの中のほんの一つの働きに過ぎない。嘘はつかなくても、悪いことはできる。もし、嘘発見機に止まらず、これが人間観測装置として、例えば、閻魔の持っている照魔鏡のような性質を備えるに至ったならどうなるだろうか。この威力に屈しない人間はいなくなるだろう。誰にも悪いことは出来なくなるだろうが、その理由はただ為ようにも出来ないからに過ぎず、良心を持つことは、誰にも無意味な事になるだろう。人間の外部からの観察が、それほど完璧な機械なららば、その性質は、理論上、人間の性質を外部から変え得る性能でなければならない筈である。それなら、人間を威圧する手間を省いて、人間を皆善人に変えればよい。そうすれば彼らが、もはや人間ではない事だけは、はっきりわかるだろう。
 私は、徒らな空想をしているのではない。人間の良心に、外部から近づく道はない。無理にも近づこうとすれば、良心は消えてしまう。…

 キレない子どもをつくるために、人間観測装置を作り出す愚かさは半世紀近くも前に一人の常識人が喝破していた。こんなものを真に受けるやつらは、おかしいぜ、と。

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「社会」カテゴリの記事

コメント

 はじめまして。タイトルに惹かれて読みましたが、内容も面白かった! 私はいつも子どもの周辺の話題をブログで書いていますが、同感です。たとえば「ゲーム脳」なんていう言葉も、子供たちはよく知っていますが、果たしてなんなんでしょうかね。ゲームばかりして勉強しない子に対する「脅し」ですか?また、ゆっくり考えてみます。では。

投稿: ぶんぶんちゃん | 2004.07.01 11:44

怒る方と怒らせる方どっちがいけないんだろう。
両方責任があるのに、怒る方を「キレる若者」などとレッテル張りして思考停止してる。

せめて「キレる脳」と一緒に「キレさせる脳」も研究しろよな。と (笑

○○脳ってのは一種のはやりじゃないかと思ったりもする。
本屋に行くとそのての本が結構多いし。

投稿: (anonymous) | 2004.07.01 12:20

心と脳が関係無い訳は無いと思います.
キレるなんていう単純な反応(感情)には特にね.

喜怒哀楽なんて脳内の化学物質の濃度勾配でしかない訳で,
現に,海外では落ち着きの無いガキに一服盛って,
大人しく授業の席に着かせたりしている.

怒っているコオロギの体液を注射で吸い取って,
別の平常のコオロギに注射したら怒り出したりする.

単に,現状の計測精度が低いだけで,
(沖縄と北海道の2箇所の交差点を見て,日本の交通システムを見ようとしていると比喩されたりする)
特に非侵襲ではかなり難しいと思いますが,

痩せている奴もいれば,太ってるのもいる.
黒いのも白いのもチビもハゲもいる.
怒りっぽいのもいれば大人しいのもいる.

日本人は背が高く,胸が大きくなりつつある.
さらに,怒りっぽくなりつつあるんじゃないだろうか?

単に,そういうアプローチだと思う.

投稿: (anonymous) | 2004.07.01 13:08

子どものけんかがTVニュースになる時代ですかね。

投稿: ぷう | 2004.07.01 14:06

あと半世紀もすれば、本当に映画「リベリオン」のような社会が出来上がったりするのかもな、とふと思った。

投稿: カルマ | 2004.07.01 14:19

むしろ日本人は怒りにくくなっているようですが。>(anonymous)

投稿: synonymous | 2004.07.01 14:37

キレてもいいんだけど、そのキレ方やキレ具合の限度を躾けられてるかが問題だよね。この躾の方向が、限度を教えるんじゃなくて、キレないように抑え込む、ってものだったから、キレ方が大爆発なんでしょ。飼い犬が虚勢失敗で子供作っちゃったとして、その時に、虚勢方法や失敗の過程を論ずるんじゃなくて、犬は何故交尾するのか?って真顔で考えてるような的の外れ方。
脳の働きとか調べるんならDNAまで解析して、DNAと性格の関連性+脳と環境の関連性、とかにすべきじゃないかな。研究というよりは仮説に信憑性持たせようとしてるだけの実験みたい。(実験ってそーゆーモンだけど)なんか中途半端だよなぁ。

投稿: あんぽんたん | 2004.07.01 15:10

キレるキレると言いますが、昔の日本人の方がキレやすかったのではないでしょうか。人口の総計と犯罪数を見ながら(見認知犯罪数も考慮しつつ)、ポツリ。

もしこれ以上”平常時との差が激しい怒り”を防止するのであれば、幼い頃から”世の中の理不尽さ”を叩き込むしかないように思いますね。

理不尽だから怒るのでしょう?>みなさん

投稿: 幸司 | 2004.07.01 15:30

報道の程度は国民の程度なので。朝日新聞読んだ大人の血流量も調べたれ。現在、日本でもっともアレなひとの一人、森君が意気揚揚とゲーム脳を語っているあたりにアホさ加減を禁じえない。
自分が理解できないものを悪とすることで理解できないことを恥とせず、むしろ名誉とする自己保身。テレビの登場しはじめにもおんなじこと言ってたアホが居たな。こういう記事に触れて「わたしは切れないから正常」とおもってんだろうなぁ。それが異常だと気づかないあたりがもう、アホの真骨頂。

あと、何でも怒るのもバカだが、怒るときに怒らないのも同じくらいバカだ。

投稿: ばかたれ | 2004.07.01 17:32

あと、これを化学だと信じている人はアホ一確。

投稿: ばかたれ | 2004.07.01 17:33

キレるキレないとかゲームとかインタネットとかは、実験を実現するための説得材料だと思うのです。目的はデータ集め。

たぶん何の成果も出せないでしょうけど...

> その心の働きは脳と因果的に関係なんかない。

と言い切られてるのには、ショックを受けました。

投稿: (anonymous) | 2004.07.01 17:58

「キレる」という言葉は、子供たちにとっては、語感的に扱いやすいので、乱用されているのでしょう。
ところが最近では、いい大人が、メディアが、これを乱用していてこっちが恥ずかしくなります。
まあ、便利なのでしょう。理解不能で危険な行動を取る子供を「キレた子供」と表現してしまえるのは。子供のことを理解しようとしない大人にとっては。
子供は理性が未熟なので、感情を爆発させてしまうことはあります。自然なことです。
問題は、これを「キレた子供」とひとくくりにしちゃう大人のほうにこそあるんじゃないですかね。
科学の力をつかって脳の分析も結構ですが、子供の事を理解するために、もうちっと他にするべきことがあるように思います。

投稿: (anonymous) | 2004.07.01 18:49

 本田和子が、科学と、それに対置するものとして、繰り返しのきかない現在とか、で論じてる問題にすぎないのではと思います。テレビ、ビデオ、ゲーム、インターネットは、メディアとして、科学の実験にすぎないものに終わりがちであるがゆえに、子供にとって危険であると。

投稿: | 2004.07.01 20:06

一昔前、プッツンという言葉がはやりましたが、今はキレル。
因果関係をメディアに求めるか、核家族化に求めるか、あるいは少子化に求めるか・・・。まぁ、ある程度で踏みとどまるという心(理性)が一部の人は育っていないのかなぁ。

投稿: やまざる | 2004.07.01 20:47

一昔前、プッツンという言葉がはやりましたが、今はキレル。
因果関係をメディアに求めるか、核家族化に求めるか、あるいは少子化に求めるか・・・。まぁ、ある程度で踏みとどまるという心(理性)が一部の人は育っていないのかなぁ。

投稿: やまざる | 2004.07.01 20:47

こんばんは。今回予定されている実験については極めて有害というか、そういう実験を行うような発想・姿勢が控えめにいってもろくでもないと思います。◆ただ、たとえば「キレやすさ」が、普段長期的に摂っている食物と一定の相関関係を示す、というようなことはあり得るだろうと考えます。また、『EQ-こころの知能指数』という本を以前読んで、情動とその制御については脳との関係である程度までは生理学的な説明がつくという印象を持ちました。◆急いで付け加えると、生理学的な説明がつくからといって、それを検証するために(今回の実験とは別であっても)大規模な実験を行うことの是非はまったく別問題ですね。実験の対象とされる人や家族への(心理的な)悪影響だけでなく、アナウンスメント効果というのでしょうか、政治的な意味も絡んでくるので。

投稿: けいた | 2004.07.01 23:37

朝、コメントしましたが。すごいね、いっぱい書いてある!勝手な読みで恐縮ですが、要するに極東さんのブログでは、機械とか薬物とかそういうもので人間を測ったり、コントロールしたりするのは、どうなの?ということだと受け止めたい。確かにアメリカなんかでは、薬が氾濫していて、人の攻撃性も腑抜けにできるようだと聞きます。が、子どものキレルのも、即物的に捉えていいのかね?という問題提起かなと。で、私のブロク「ぶんぶんの落とし穴」も見て下さいね。宣伝してごめんなさい。始めたばかりなもんで、お許しを。

投稿: ぶんぶんちゃん | 2004.07.02 00:01

日本人のキレルぐらいではMAX値が低いのでお隣の国の火病を元に調査すればいいのに。あれだけ落差のあるキレっぷりならばもしかしたら貴重なデータが脳の中で発見できるかも。

投稿: (anonymous) | 2004.07.02 00:05

批判のついでにじゃあどうすればいいのかということにも言及してほしかったですね。
放置しておいてキレる子供が減るとは思わないし、ましてや子供がキレるということに問題がないとは思えない。
いづれ掘り下げてくれるものと期待しています。

投稿: moon | 2004.07.02 00:12

キレるの定義がそもそも不明な気も。
実際には大人もキレるし、子どももキレる。キレたあとに何をするかが問題で、まっとうならばキレて犯罪を犯したら「そのあとどうなるか」を想像できるから自分の行動を制御できるわけで。

そのへんの想像力や共感する力、行動の制御を行うのは前頭葉で、これがうまく発達していないと情動のまま、欲望のままに行動してしまう。

てな具合に理解してますが、今回のエントリとは関係ないですね。

投稿: tara | 2004.07.02 00:57

子供のころ、カエルの尻の穴にストローを突っ込んで破裂寸前まで(または破裂するまで)風船が如く膨らませるような遊び、やりませんでしたか。あるいは爆竹で爆破したり。
大人なら眉をひそめるような残酷な遊びですが、子供はこういうくだらない遊びを通じて、「やりすぎちゃったらどうなるか」ということを学んでいたように思います。
今の子がこういう遊びをしているところは見たことがないんですが、どうなんですかね。都会ではカエルとかあんまり見ませんし。
小さい子供のころに、こういう人間が元来持っている残酷な好奇心を満たしておくのは大事なことだと思うんですがね… 現代の環境は子供が自然に学ぶことを阻害していると思う。
だからどうすればいいのかといわれると、わからないのですが。

投稿: (anonymous) | 2004.07.02 03:55

"キレる"という言葉の語意が曖昧だから使いやすいんでしょ.
昔と今がどう違うか比較しても不毛だし、因果関係を探って対策するなんて馬鹿げてる.
子供にとってそれが感情の発露であれば"キレる"のはいいではないか.
それを受け止める器(社会)をオトナが作ってやれないだけだろう.
落ちるところ考えて飛ぶのがフツーだけど、そうでないオトナが沢山居るからな.

投稿: AS IS | 2004.07.02 04:25

光トポとMRIですが、どうも「流行」のようです。文科省と研究機関スジの「空気」なのか、それとも「陰謀」でもあるのか、国の研究関連予算が縮小する中、光トポとMRIの組み合わせは、買ってもらえそうな雰囲気というか、空気が流れてます。でそれ使って何すべえということでの今回のネタのような、本末転倒ですが、そんな感じがします。

投稿: a watcher | 2004.07.02 07:44

まぁ、一種の疫学研究プロジェクトとしては筋が悪いかな、と感じるところではあって、こういうapplicationを書くには、自分をどれだけごまかしたことだろうか、とか要らぬ想像までしてしまいます。

投稿: synonymous | 2004.07.02 15:56

天才探しか超能力探しが本番じゃないだろうか。
そんなSFな理由だったら尚更言えなくてって事は
無いかな。

投稿: NonVacationClub | 2004.07.05 03:16

コメントを含め拝見しました。
対人的な行動である「キレル」ことを脳の働きに還元する
のはヘンだという認識が共有されていますね。

脳やホルモンが人間の行動を決める部分に目が向きがちで、
納得しそうな自分を戒めるとともに、
世の中にはマトモな人が多いことに元気づけられました。

つねづね、アメリカは社会病理は治療するという発想が
根づいていると感じます。薬物治療にしても、
行動療法的プログラムにしても。
これはアメリカが、個人の意志を試すと同時に、
結構やり直すチャンスのあるところだからかなあ。

「治療」的発想は日本にも取り入れられていくのでしょうが、
問題を起こした本人以外に、取り巻く家族や社会環境も
「治療」するし、社会が「治った」人のやり直しをとりあえず
受け入れるようにしないと、負のレッテルを貼られた人が
増えていくばかり。鬱々とするか、キレルかの悪循環は続いていく
のでは?

小学生の抑鬱傾向について:
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20040702/K0002201107006.html

投稿: じゃがりこ | 2004.07.06 13:17

キレる、というのは切れる、つまり何かがプチッと切れる、というのではなく、感情のふちまでたまったものがこぼれ落ちる状態、と表現したのを聞きました。
なるほどと・・・
脳のメカニズムというより、心の動きなんですね。
自分の居住地域の地域性かもしれないですが、問題行動より不登校の増加率が高い、ということは、抑圧、抑制の(よくない)効果に思えます。
「子どもがキレて何が悪い」同感です。

投稿: aosora | 2004.07.07 01:50

小林秀雄の引用文ですが、最後の部分が正確ではないようです。

|人間の外部からの観察が~ならない筈だからである。
  ↓
|人間の外部からの観察が~ならない筈である。

投稿: hs | 2005.09.25 23:32

hsさん、こんにちは。ご指摘ありがとうございます。修正しました。

投稿: finalvent | 2005.09.26 08:46

「キレる子供の脳とキレない子供の脳とに器質的な差異があるか?」
それは誰も知らないことではないのかしら?
それを遙か古代の科学と無縁の人の言葉を持ち出して否定するのはいささか滑稽ですわ
真実を知りたいのが科学者
自分の信じるものが正しいという主張はただの宗教ですわ

投稿: | 2012.12.16 22:25

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