競泳金メダリストのステファニー・ライス、「ホモフォビックな」ツイートでジャガーとの契約を打ち切られる

オーストラリアの競泳金メダリスト、ステファニー・ライス選手がtwitterで「ホモフォビックな」発言を行い、批判を受けています。この発言が元で、ライス選手はイギリスの自動車メーカーのジャガーとの契約を打ち切られてしまったそうです。

詳細は以下。

ライス選手は北京オリンピック競泳女子400m個人メドレー、200m個人メドレー、4×200mフリーリレーで世界新で3冠に輝いたスイマーです。彼女は2010年9月4日(土)、ラグビーでオーストラリア・チームが南アフリカ・チームに勝利したとき、twitterに


「ざまあみろ*1、ホモ野郎!」
"Suck on that faggots!"

とポストし、批判を浴びました。

ゲイ俳優で、以前オーストラリア・ラグビー界のスター選手だったIan Roberts氏は、ヘラルド・サン紙に対し、


「彼女は大ばか者だよ…そして、彼女を今後アスリートとして支持し続ける人も同じぐらい大ばか者だ」
"She is an idiot … and anyone who continues to endorse her as an athlete is an idiot as well,"
と述べているそうです。

ライス選手本人は、


「侮辱するつもりはありませんでした。謝罪します」
"I did not mean to cause offence and I apologise".

としており、またゲイの飛び込み選手マシュー・ミッチャムは、


「侮辱的で軽率な発言ではあったけれども、彼女とは2年間友人づきあいをしているので、彼女がホモフォビックな人ではないとわかっています。
「彼女に悪意はなかったんです、それに彼女はもう、一時の興奮で投下した不注意なコメントについて謝罪しています」
"It was offensive and very thoughtless, but being friends with her for two years, I know she is not homophobic.
"She meant no malice, and she has apologised for her careless comment posted in the excitement of the moment."

としてライス選手を擁護。

しかし、結局このツイートが元で、ライス選手はジャガーとの契約と、10万ポンド(日本円で約1300万円)のお金と、ジャガーXFを失うことになりました。ジャガーのスポークスパーソンは、以下のように述べているようです。


「(ライス選手との)契約を終結させます……彼女が使っていた車も回収します」
"We have terminated our agreement with [Ms Rice] . . . we will be taking the car that she's been using back.
「これは私たちがジャガーというブランドをどのように関連づけたいと思っているかということに関係があります。残念ながら、これは私たちが進めたいと思うような結びつきではありません」
"It's to do with how we want to associate our brand and unfortunately this is not an association we want to have going forward."

なお、オーストラリアの水泳団体Swimming Australiaのスポークスマンは、ライス選手の発言を許さないと表明しているとのことです。

単語・語句など

単語・語句 意味
suck on that aka take that!, beat that!, in your face!, etc.
endorse (人の言説などを)裏書きする、保証する;是認する、支持する
condone 大目に見る、容赦する、黙認する、見逃す
agreement 契約

*1:「これでもくらえ!」とか「そらどうだ!」とか訳してもいいかも。