Apple社の音楽SNS「Ping」、レディー・ガガのツイートを検閲?

米Appleが2010年9月に発表した音楽SNS「Ping」が、レディー・ガガの同性婚関連のツイートを検閲・削除しているのではないかと言われています。
詳細は以下。

まず、この「Ping」とはどんなサービスなのかについて、公式サイトよりいくらか引用してみます。


音楽のソーシャルネットワーク。Ping、登場。
お気に入りのアーティストや友だちをフォローして、その人たちが気にしている、聴いている、ダウンロードしている曲をチェックしよう。
大好きなアーティストをフォローしよう。
大好きなアーティストのことなら、最新情報をいつでも知っておきたいもの。Pingでお気に入りのアーティストをフォローして、さらにディープなファンになりましょう。

というわけで、このSNSでは、もちろんレディー・ガガをフォローして日々のツイートを追うこともできるわけです。ところが、プロモーション用のスクリーンショットでは、なぜかガガの同性婚関連のツイートだけが消されているんだそうです。

削除されてしまっているのは、今年8月にカリフォルニア州での同性婚を禁じる「提案8号」(Prop 8)に違憲判決が出された時のツイート群。以下、ざっと訳してみます。


PROP 8が消滅した瞬間
At the moments notice of PROP 8 DEATH
9:34 Aug 4th via web

PROP 8が消滅した瞬間、すぐに曲を書き始めました。BUBBLE DREAMS*1よ永遠に! 完全な平等! これはほんの始まりよ!
At the monments notice of PROP 8 DEATH I instantly becan to write music. BUBBLE DREAMS FOREVER! FULL EQUALITY! THIS IS JUST THE BEGINNING!
9:35 Aug 4th via web

喜んで、そして世界中のゲイ・コミュニティとストレートを祝って。 私たちの声が届いたのよ! しっかりと! 声高く叫べ、アメリカ人たち!
REJOICE and CELEBRATE gay communities and straight all over the world. Our voices are being heard! Loud! SCREAM LOUD AMERICANOS!
9:36 Aug 4th via web
この3つが、なぜか「Ping」プロモ用のスクリーンショットからは消えているとのこと。
Appleはもともとゲイ関係のコンテンツにかなり慎重な会社ではあります。iPad用のオスカー・ワイルドの小説で、男性同士のキスシーンを削除したりしてますしね。ニューヨークのゲイシーン観光用iPhoneアプリを認めなかったということもありました。ただ、オスカー・ワイルドの方はAppleが後から「過ち」として元に戻していますし、ゲイシーン観光のアプリの方はブリーフ一丁の男性のローアングル写真があったりして、ヘテロ向けコンテンツでさえエロに厳しいAppleが嫌うこともわからないわけではないんですよ。でも、今回のガガのツイートは別にポルノ的でもなんでもないのに、それでも消してしまうという意味がわかりません。そうまでして保守層に「Ping」に入ってもらいたいんでしょうか。

この程度の同性愛ネタのツイートがダメなら、iTunes Storeでガガの超ゲイゲイしい「Alejandro」なんて売れたもんじゃないと思うんですけどね。何を考えてるんでしょうかAppleは。

(参考:Lady Gaga - Alejandro)

*1:レディー・ガガの曲"Speechless"の歌詞からの引用と思われます。参考:YouTube - Lady Gaga - Speechless (Live at the VEVO Launch Event)