中国のオランダ大使館で、「Smile for Gay」キャンペーンの写真展示開催

2010年7月31日、中国のオランダ大使館を舞台に、同性愛者への支援を求める「Smile for Gay」キャンペーンの写真展示が行われたというニュース。

このキャンペーンは吉林省長春のHou Haiyangさん(23歳)が始めたもの。異性愛者から同性愛者への支援メッセージと笑顔の写真を集めるというもので、計4409枚もの写真が集まったのだそうです。
展示では、

  • 「愛とはもっとも美しい法」
  • 「誰にでも愛し愛される権利がある」
  • 「同性愛者に思いやりと理解を示すのは、世の年長者の務め」

などのメッセージが見られたとのこと。「年長者」が出てくるあたりがアジア的で面白いですね。上記ニュースのトップに飾られている写真も、ぐっときます。新婚の男女カップルが笑顔で「あなたの選択を後悔しないで。頑張れ!」と書いたメッセージボードを持っているという写真なんです。

Houさんがメッセージを集めたときのエピソードも面白かったです。北京で水書道のパフォーマンスを行っている老人に「『同志』(現代中国語で『同性愛者』の意味)への支援を」と頼んだところ、老人は、それは紅軍の「同志」を支援する活動なのかと聞いてきたとのこと。ゲイ・プライドへの支援だと説明された後でその老人が言ったことには、


「そうさな、何のためのものであれ、わしら年長者が支援してやらねばなるまいて!」
"Well whatever it is for, we seniors should lend it our support!"

おじーさん、リベラル。素敵。

もっとも、写真集めも良いことばかりではなかったようで、街によっては警官や法執行官が撮影を妨害したり、「ゲイ」という言葉だけで走って逃げる人がいたりしたそうです。広西壮族自治区南寧では、キャンペーンの宣伝用資料を破いて「(同性愛は)不自然だ!」と叫ぶ人もいたとか。

「実のところ、支援してくれる人より非協力的な人の方が明らかに多かったです」と説明しつつも、Houさんは、「私たちの努力で、より多くの人がLGBTを理解してくれたので、とても満足しています」と話しているそうです。

ちなみにこの写真展示がオランダ大使館で開催されたのは、あらゆる国でLGBT差別と戦うのがオランダのポリシーであるという理由によるものらしいです。まだまだホモフォビアが残ると言われる中国でこれだけの写真メッセージを集めたHouさんもすごいし、展示会場を提供したオランダ大使館も太っ腹だと思います。この行動力、見習いたいなあ。あと、この写真、全部見てみたいです。A Day in Handみたいに、専用サイトができるといいのに。

単語・語句など

単語・語句 意味
water calligraphy 水書道
law enforcement officer 法執行官