スウェーデンの銀行、レズビアンカップルへのローン貸し付けを渋り「あなたたちは別居すべき」と主張

スウェーデンのレズビアンカップルが同居するためマンションを購入しようとしたところ、銀行からローンの貸し付けで差別的扱いを受けたというニュース。

このカップルは、Sara Evaldssonさん(29)とMaria Engströmさん(31)。これまで約100km離れて暮らしていた2人は、Mariaさんの住むベステルオースで同居しようと決めました。ちなみに2人とも終身雇用の職についており、信用格付けも良好で、ベステルオースの買い得な物件を見つけてあったとのこと。

ところが2009年5月、2人がスウェドバンク銀行に住宅ローンの申し込みに行ったところ、職員からにべもなくあしらわれてしまったのだそうです。

2人が買おうとしていたマンションは安値であったにもかかわらず、この職員は490000クローナ(日本円で約590万円)は「大金」であると主張。10パーセントの頭金を払えと要求してきました。この判断にカップルが疑問を呈したところ、職員いわく、


「あなた方は個人的な立場を再考し、別々の場所に住み続けるべきです」
“You should reconsider your personal situation and continue to live in different places.”

何故一介の銀行員に、同居するか別居するかまで指図されなきゃいけないんですか。ノンケカップルにも同じことを言うんですか。あと、そもそも「個人的な立場を再考」させられる意味がわからないんですけど。同性婚が合法であるこの国で、この2人のいったいどんな「立場」が問題なのよ?

Saraさんたちはこの一件にショックを受け、スウェーデンの差別オンブズマンに届け出たとのことです。

ちなみに同日、このカップルがスウェドバンクのライバルであるノルデア銀行を訪れたところ、こちらはただちに融資を認めてくれたとのこと。Mariaさんは、地元紙にこう語っています。


「彼らはすぐに、それは安い買い物だと言い、私たちのうち片方だけでもほぼ住宅ローンが組めるだろうと言いました」
“They said immediately that it was a good purchase and that one of us alone would almost have qualified for that mortgage,”

そんな金額のものに「とにかく頭金を出せ、嫌ならおまえら別居しろ」とゴネたわけですよスウェドバンク職員は。ちなみにSaraさんたちは必要な書類を全部揃えてあったにもかかわらず、このスウェドバンク職員は「興味を示さなかった」とのことです。

なおスウェドバンクのAnna Sundblad広報部長は地元紙に対し、同行はこのような事態を「とても深刻に」受け止め、差別オンブズマンと協力して調査すると語っているとのこと。スウェドバンクには「宗教、ジェンダー、性的指向に基づく差別を決してしないという明白な方針」があり、また同行はストックホルム・プライドも支援しているということです。

いくらご立派な方針があっても、末端の職員が差別的だとどうしようもないという好例ですね。早急に職員を再教育するなり、再発防止のプログラムを作るなりしていただきたいものだと思います。同性愛者の顧客のお金を全部ライバル銀行にかっさらわれてもいいというのなら、話は別ですけどね。