インドで初のオンラインゲイ書店がオープン

インド初の、同性愛関連書籍を取り扱うネット書店Queer Inkがオープンしたというニュース。

この書店を運営しているのは、レズビアンでカウンセリングやゲイ・コミュニティのための活動をしているShobhna Kumarさん。同書店では、同性愛関連のフィクションや学術書、女性の健康についての本、同性愛者の子を持つ親向けの本、児童書などを販売しており、エロティカ作品は扱わないとのこと。中心都市なら2日以内に配達できるだけの在庫を備えているそうです。

この書店を始めた理由について、Kumarさんは以下のように説明しています。


「自分がこれらの本にアクセスすることができなかったため、自分本位な理由でこれを始めました」と彼女は説明している。「それに、アマゾンは、こういう本を配達してくれません。このような本はインド人の逆鱗に触れるため、税関を越えられないのだと思います。オンライン書店はいくつかありますが、配達に何週間もかかります。私以外の人たちも、同じような立場にあるに違いないと思いました」
“I had a selfish reason for starting this, as I could not get access to these books,” she explains. “And Amazon would not deliver them. I think they wouldn’t get through customs as they offend Indian sensibilities. There are a few Indian online bookstores, but they take weeks to deliver. I figured other people must be in the same position.”


同性愛者はロールモデルを欲しがり、自分たちの生活がフィクションに反映されるのを見たいと思っています。通常の小売りスペースでは、人はこのような本を選ぶのをためらうでしょう。だからオンライン書店にしたのです。
Gay people want role models, to see their lives reflected in fiction. I think one would hesitate to pick up books like this in a normal retail space, which is why I did it online,”

これって、ちょっと前の日本の状況と変わりませんよね。あたしの記憶が正しければ、恥ずかしくてゲイ雑誌をレジに持って行けなかった男子高校生が思い余って万引きし、それがバレて自殺してしまったという事件がかつてあったはず。自殺するところまでいかなくても、同性愛関連の書籍がそのへんにない、あっても人目が気になって買いづらいという状況が、インターネット普及前の日本には確実にあったと思うんです。Amazon.co.jpの普及で日本のどれだけ多くの性的少数者が助けられているか、筆舌に尽くしがたいものがあると思います。Queer Inkが大いに繁盛して、インドのゲイやレズビアンをうんと力づけてくれたらいいですね。

単語・語句など

単語・語句 意味
sensibilities 傷つきやすい感情、こまやかな神経、逆鱗