アイルランド下院、シビル・パートナーシップ法案を可決。一方ハワイでは……

2010年7月1日、アイルランドの下院がシビル・パートナーシップ法案を可決したというニュース。

何人かの政治家から個人としての反対はあったものの、政党としてはあらゆる党がこの法案を支持したとのこと。このシビル・パートナーシップ法が成立すれば、同国の同性カップルには住居の賃借権、DVからの保護、相続、年金、税金、社会保障、移民その他の権利が与えられるとのことです。そうは言ってもこの法案だけではカバーしきれていない問題(同性カップルに育てられている子供たちへの支援など)も残るそうですが、アイルランドのゲイ権利運動家たちは今回の可決を歓迎しているとのこと。

この法案は今後上院に送られ、上院通過後に大統領のサインが得られれば法として発効するとのことです。

一方、ハワイではこんなニュースが。

米国ハワイ州知事リンダ・リングルが、同州のシビルユニオン法案(下院議案444)に対し拒否権を発動したというニュースです。知事は記者会見で「自分は同じジェンダーによる結婚には首尾一貫して反対の立場を明らかにしてきた」とし、「この下院議案444は本質上、名前を変えた同性婚」であると語っています。だから拒否するということらしいんですが、これって何かおかしくない? 「結婚」と「シビルユニオン」はあくまで別物でしょう?

以下、元記事より引用。


リングルが「下院議案444は本質上、名前を変えた同性婚」だからという理由でハワイのLGBT市民への平等な保護を拒否したとき、彼女は要するに、アメリカじゅうに向かって結婚とは言葉以上のものだと語ったことになる。つまり、結婚とは平等な保護や、平等な権利や、平等な責任のことだと語ったことになる。
When Lingle chose to veto equal protections for Hawaiian LGBT citizens because “House Bill 444 is essentially marriage by another name,” she basically told the entire country that marriage is more than a word; it’s about equal protections, equal rights, and equal responsibilities.

ではハワイのLGBT市民はどうするのか? リングルの拒否権発動の後では、彼らは結婚できず、シビルユニオンによって平等に保護されることもできないのだ。
So what do LGBT citizens in Hawaii do now? After Lingle’s veto, they can’t get married, and they can’t get equal protection through civil unions.
つまりリンダ・リングルは単に同性カップルを「結婚」させたくないだけではなく、同性カップルに「平等な保護や、平等な権利や、平等な責任」を与えること自体が嫌なわけですね。それらは「結婚」の専売特許であり、既婚異性カップルだけに独占させておくべきものだというわけです。それはフェアじゃないと思うわ。

そんなわけで、同時期に2つの国でここまで正反対の動きとあって、目が点になってしまったあたしでした。アメリカって全然自由の国じゃないなあと思う(今に始まったことでもありませんが)昨今です。

単語・語句など

単語・語句 意味
reuterate 繰り返す、念を押す
house bill 下院議案