酔っぱらいが女性をゲイ男性と間違えて暴力をふるい、ヘイトクライムで起訴される

米国マサチューセッツ州の男性が反同性愛的な言葉を叫びながら女性に暴力をふるい、ヘイトクライムで起訴されたというニュース。
この男性Eric Pattenはプロヴィンスタウンのカフェの前にいた女性2人に近づき、そのうち1人を「オカマ」と罵倒しながら突き倒してカフェの窓ガラスに突っ込ませたとのこと。ガラスは割れました。Pattenは酔っぱらっていたために、その女性2人がゲイ男性に見えたんだそうです。警察が来たときには、彼は地面に倒れた女性を拳で殴りつけていました。
Pattenはマサチューセッツ州のヘイトクライム法における脅迫暴行、危険な凶器(窓)を用いての脅迫暴行、警官への脅迫暴行、250ドル以上の財物の故意の損壊、治安紊乱及び逮捕に抵抗した罪で起訴されています。本人は無罪を主張しているとのことですが、プロヴィンスタウンって有名なゲイ・タウンなんですよね。日本で言うならわざわざ新宿二丁目に行って、そこらの人に「オカマ」と叫んで殴りかかったようなもの。これがヘイトクライムじゃなかったら何なの。

さて、最近はてな匿名ダイアリーで「ゲイが嫌いで何が悪いの?」というホモフォビックなエントリが話題になっていましたが、同性愛嫌悪っていうのは現実にこういう暴力事件を引き起こしてるんですよ。別にゲイ男性じゃない人だって、ゲイ認定されたらフルボッコ。マジョリティである異性愛者が、こうした暴力の根源となっている嫌悪や憎悪をわざわざ表明し広めていくことは問題だとあたしは考えます。

ちなみにゲイ認定されてフルボッコにされているのは、別にこの女性たちだけではありません。うちのこちらのエントリをごらんください。

アメリカで3人の子供たちが学校でゲイと呼ばれていじめ抜かれ、自殺に追い込まれたというニュースです。3人のうち少なくとも2人は、ゲイだと名乗ってすらいませんでした(後の1人のセクシュアリティは公表されていません)。

11歳の子供を自殺に追い込み得るような嫌悪や憎悪をわざわざ世界に向かって広くアピールすることがいいことだなんて、あたしにはとても思えません。異性愛者が率先してホモフォビアを垂れ流すままにしておけば、いつか暴力は自分たちにもふりかかります。「何が悪いの?」とネットで開き直る前に、「同性愛嫌悪が実際に世界中で何を引き起こしているのか」について知ってもらいたいものだと、あたしは思います。いつかほかならぬ自分がガラス窓に向かって突き飛ばされ、自分の子供が泣きながら首吊ってからじゃ遅いんですよ。

単語・語句など

単語・語句 意味
assault and battery [法律]脅迫暴行
statute 法律、法令、法規