泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

借金へ

 金融機関から多額の融資を受けなければどうにもならなくなる状況が見えてきた。
 この社会は、理事長が年収300万(むろん手取りはもっと低い)で家賃53000円のアパートに住んでいる法人に2000万ぐらいはどこかで借りてこいとおっしゃる。現状維持でよいのならば必要ないが、それもまた組織として未来がなくなる。何より職員たちの人生が無茶苦茶になる。
 職員のライフイベントに対応できるような組織を作らねばならない→職員を増やさなければいけない→収益性の高い事業に移行を図らなければならない→移行するには指定の要件を満たす物件へと移転しなければいけない→福祉のまちづくり条例のせいもあって、バリアフリーに課される条件が異常に高く、リーズナブルな価格で購入できるような物件はほとんど使えない(このハードルの高さについては、いつか必ずまとめる)→身の丈に合っているとは思えない物件を買うために借金、という流れ。
 人に仲介を頼んだところ、そこから金融機関と電話で話せるところまでたどりつくのにおよそ4週間。仲介者がいつ誰とどういう話をしてくれたのかもよくわからず、ここから金融機関といったいどんなやりとりになるのかさえ想像がつかない。きわめて心細い。
 小さなNPOへの融資としてはたぶん高額である。利用者数が少しだけ伸び、貸付期間を少し長めにできれば、返済可能と思うが、もし無理と片付けられたらどうしようか。いずれにしても、今の場所はもうそんなに長くは使えない約束になっている。現行の事業のまま一時的に他の場所に退避したとしても、先は見えない。率直にいって「おしまい」である。現実にはできないが、自分の首を切りたい。が、誰と話していても、この危機感は伝わっている気がしない。手助けする方法は何もないし、今は福祉サービスもばんばん民間参入してやっているのだし、自分でなんとかするしかないんじゃあないの、というメッセージを感じる。被害妄想である可能性は否定しない。
 地域密着で10年やってきてこの仕打ち。金にならないことも山ほどやってきてこの仕打ち。「地域」が大事と日頃から言いながら、こうした本当に困ったときにその具体的な価値が発揮されないのは、空しい。