イスラーム戦争の時代の憲法とは何か
2006/05/08(月) 22:35:47 http://awarm.blog4.fc2.com/blog-entry-220.html
内藤正典『イスラーム戦争の時代』NHKブックス、2006年。
実質三分の一ぐらいしか読んでいないが、良い本である。
もちろん、この本一冊でどうのこうのなるという話では有り得ない。
だけれども、酒井啓子と同様、いい意味でもがいている人間の文章を読むというのは、一種、心を打たれるものがある。
全然文脈は違うが、余談ということで一つ書かせてもらえば、長谷部恭男『憲法とは何か』は確かにいい本だが、この本を読む限り、長谷部が上の内藤本が取り組んでいるような問題に対してどこまで意識的なのか、疑わしい。
全く何も考えていないことなど考えにくいが、実際のところ全く明らかでない。長谷部は「政治的なるもの」と自身のリベラル・デモクラシーを無造作に切り離してしまう(ように見える)のだけれど、リベラル・デモクラシーや近代立憲主義そのものを受け入れがたい人々との対立をどこまで真剣に考えているのだろうか。
『憲法とは何か』が一般向け新書であるからこそ、現代の状況に照らしてこの論点を盛り込むべきだったと、私は思うのだが。長谷部がこの点につき詳細に論じているものをご存知の方はご教示願いたい。
イスラーム戦争の時代―暴力の連鎖をどう解くか (NHKブックス)
- 作者: 内藤正典
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
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- 作者: 長谷部恭男
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