朝日社説 9・11から8年―「テロとの戦い」を超えて

 大新聞の社説がこれを書くのだからあきれるというか、自身の欺瞞に気がつかないのだろうか。文脈だけ追ってみても、イラクとアフガニスタンの戦争は同じく戦争であり、ブッシュもオバマの違いはない。違いを見つけようとして現実のしっぺ返しを食らっている。現実に対応するのが現実的な力であり、いわゆるネオコンの幻想を軍人マケインが排した果実をオバマが賞味したのはいいが先がなかった。それだけのことだ。アフガン戦におけるでは現実はというとNATOの問題であり、NATOをどう英米が維持するか、世界は次第に英米のグリップからは外れるが、それはフクヤマ・ヘーゲル的な意味での歴史の進展ではないのは、環境問題や人権問題の見通しからもわかる。そしてその中間を狙ってべたな前近代の帝国のパロディとして中露が現れる。そういう問題だ。

イスラム社会との対話を深めることなしに、イスラム過激主義にうち勝つ道は見いだせないということである。

 そういう執筆子にイスラム社会が理解できているとは思えない。もし理解できているなら、シーア派がスンニ諸国の上に君臨するための核弾弾道ミサイルの意味を考えるだろうから。