2019・4・27(土) びわ湖クラシック音楽祭(5) プーランク:「声」
大ホール 3時~3時55分
これはびわ湖ホールの売りもののシリーズの一つ「沼尻竜典オペラセレクション」の一環。プーランクのモノ・オペラ「声」(「人間の声」)の演奏会形式上演で、びわ湖ホール芸術監督・沼尻竜典が指揮、京都市交響楽団が演奏、中村敬一が演出しての字幕付フランス語上演だ。
指揮者もオーケストラもステージ上に配置され、指揮台の下手側前方にソファと電話やコップなどが乗せられた小さい机が置かれ、それに照明演出がつく。
当初は砂川涼子が歌うことになっており期待していたのだが、体調不良の由で降板とのこと。そこでカヴァーキャストに入っていた石橋栄実が歌ったが、急な交替にもかかわらず素晴らしい歌唱と演技を示してくれたのは嬉しい。彼女としてはこれでまた新境地を開いたことになるのではないか。
オペラは、主人公の女性が「過ぎ去りつつある恋人」と、40分以上にわたって電話で応答し続ける物語だ。
石橋栄実が歌い演じたこの主人公は、ヒステリックに興奮したり哀願したりするにしても、外国人女性歌手が演じるような猛烈型(?)タイプとは違い、歌にも演技にも、優しさとか可憐さとかいった雰囲気を感じさせる。それはやはり日本人歌手ならではの良き特徴だろうか。字幕の歌詞(中村敬一)の訳文がこのドラマの内容にしてはえらく丁寧な言葉だったのも、そういう印象を更に強めたかもしれない━━。
彼女が「愛しているわ」と繰り返しつつ歌ってソファに倒れ、音楽が終って暗転した瞬間、私の周囲の客席から感動と納得を思わせるような低い嘆声が聞こえたのが面白かった。観客は沸いた。沼尻と京響の色彩的な演奏をも讃えたい。
これはびわ湖ホールの売りもののシリーズの一つ「沼尻竜典オペラセレクション」の一環。プーランクのモノ・オペラ「声」(「人間の声」)の演奏会形式上演で、びわ湖ホール芸術監督・沼尻竜典が指揮、京都市交響楽団が演奏、中村敬一が演出しての字幕付フランス語上演だ。
指揮者もオーケストラもステージ上に配置され、指揮台の下手側前方にソファと電話やコップなどが乗せられた小さい机が置かれ、それに照明演出がつく。
当初は砂川涼子が歌うことになっており期待していたのだが、体調不良の由で降板とのこと。そこでカヴァーキャストに入っていた石橋栄実が歌ったが、急な交替にもかかわらず素晴らしい歌唱と演技を示してくれたのは嬉しい。彼女としてはこれでまた新境地を開いたことになるのではないか。
オペラは、主人公の女性が「過ぎ去りつつある恋人」と、40分以上にわたって電話で応答し続ける物語だ。
石橋栄実が歌い演じたこの主人公は、ヒステリックに興奮したり哀願したりするにしても、外国人女性歌手が演じるような猛烈型(?)タイプとは違い、歌にも演技にも、優しさとか可憐さとかいった雰囲気を感じさせる。それはやはり日本人歌手ならではの良き特徴だろうか。字幕の歌詞(中村敬一)の訳文がこのドラマの内容にしてはえらく丁寧な言葉だったのも、そういう印象を更に強めたかもしれない━━。
彼女が「愛しているわ」と繰り返しつつ歌ってソファに倒れ、音楽が終って暗転した瞬間、私の周囲の客席から感動と納得を思わせるような低い嘆声が聞こえたのが面白かった。観客は沸いた。沼尻と京響の色彩的な演奏をも讃えたい。
コメント
2日目に同じく石橋さん出演の、メノッティの「電話」を観ました。最初の登場のところから、歌唱はもちろん、演技、表情、間合い、ジェスチャー、笑いを誘う部分…あらゆる表現力を感じることができた名演でした。競演の晴さんとの掛け合いも素晴らしく、アンコールのロッシーニの猫も、更に磨きがかかっていました(以前に音大のVTRで拝聴)。