おわり。
と言いたいところですが…。
いやー、ランサーやっぱり良いですね。
個人的な好みで言えば、Fate/stay nightで一番好きなキャラクターがランサーなもので…。ここまで長かった。
今回、要所要所で作画がちょっと残念な回だなーとは思いましたが、背景が美しすぎて見惚れてしまいました。
きっと来週のバトル回への温存に違いありません、作画…。
(注意)
・ネタバレには気を付けて文字を反転しています。
Fate/stay nightの原作はゲームで、3つルートが存在し、どのルートも全く展開が異なるのですが、他のルートで明かされた謎も一応ネタバレとしておきます。
これからゲームをプレイするので、知りたくないという方はご注意ください。
また、今回のstay nightの10年前のお話を描いた外伝のFate/Zeroに関してはネタバレしてしまっています…。
冒頭は先週やり残したギルガメッシュのアレなシーンから始まりました。
手づかみでイリヤの心臓を引きずり出すという…俗に「ハートキャッチ」などと言われているらしいアレです。
「ギルガメッシュはとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です」
不謹慎でごめんなさい。
「ほう、何かと思えばセイバーのマスターとはな。
戦う意思はあるようだが、話にならん。
肝心のセイバーがいないのでは、貴様などに価値はない」
今更すぎますが、ギルが許せない士郎は彼を引き止めます。
ところが、ギルにとっては愛しのセイバーさん(ギルは前回呼ばれた聖杯戦争でセイバーにぞっこんになってしまった経緯があったw)がいないセイバーのマスターになんか用はありません。
「ちょっと待てよ。そいつさー、僕の知り合いなんだよねー」
ギルと違って士郎に(理不尽な)恨みがある慎二は士郎を放っておくなんてできなかったようです。
ゲスいお顔で登場です。
「こんなところで会うなんて奇遇だねえー。え・み・や♡」
イリヤちゃんをまたぐとか許せませんね。
万死に値しますね。
(♡は私の独断で付けさせていただきました。いや、なんか付いているような声音にしか聞こえなかったもので…。)
「こいつは僕の新しいサーヴァントでね。
ライダーなんかよりすごいだろう!
命乞いしろよ、衛宮。少しは考えてやってもいいぜ!」
さりげなくライダーさんにまだ鞭を打つか…。
慎二さんは完全に虎の威を借る狐状態です。
「断る!」
「そうかよ。じゃあ死んじゃえよ、おまえ」
友人だった人に簡単に死んじゃえと言える慎二くんの歪みっぷりが半端ないです。
「そこまでよ!そこのサーヴァント、指一本でも動かせば、マスターの命は保証しないわ!」
絶妙なタイミングで凛さんが加勢に来てくれます。
通常、サーヴァントとマスターは一蓮托生。
サーヴァントの依り代であるマスターが死ねば、サーヴァントも消滅を免れないと踏んだ対応のようです。
「ほう、即座に仕留めず警告に切り替えたのは、それを殺したところで我が止まらぬと判断したからだな」
「そうよ!あんたもマスターを失うのは痛手のはずよ!」
「それ」扱い…。
ここで素直にびっくりしてうろたえる慎二くんがなんだかかわいく見えてきました。
この作品の「一般人」ってある意味彼だけですからね、なんだかんだ言って憎めないのはそのせいかもしれません。
ネタバレ反転↓ ↓ ↓
ワカメを失うのは痛い。
これ、凛とギルでは認識が違うんでしょうね。
ギルさん、ここまではワカメを聖杯の器にしようと思っていたはずなので、確かに失うちょっと残念だったのかもしれません。
↑ ↑ ↑
「状況が変わったぞ、シンジ。あの娘であれば器として文句はなしだ」
どうやら、ギルは何かの「器」をご所望の様子です。
凛の啖呵がギルさんの琴線に触れてしまったようです。
「そうか!なあ遠坂!衛宮なんて放っといてさ、僕たちと手を組まないか?
キャスターが力を蓄えているのは知ってるだろう?
柳洞寺は今回の祭壇なんだ。このままだと少しばかり不利になると…」
必死に凛を純粋な意味で仲間に引き入れたいワカメは何度目かの凛勧誘に乗り出します。
ギルガメッシュの愉悦顔がなんとも言えないですね。
あくまでこの図だけを見ると、報われない必死なワカメの説得に笑いをこらえているようにしか見えません。
楽しそうですね、ギル様。
「お断りよ、慎二。
良いように使われてるだけのやつに、ついていく道理はないわ」
「やれ、ギルガメッシュ!衛宮も遠坂も皆殺しだ!」
凛さんにはやっぱりフラれました。
激高した慎二くんはこともあろうに、聖杯戦争中に敵の前でさらっと自分のサーヴァントの真名を暴露してくれます。
余裕のギルでなければ、ここでサーヴァントに激怒されそうな所業ですね。
そして、奇しくも慎二・ギルガメッシュ陣営は失恋コンビ(しかも本人たちはそう思ってない)になってしまったか…。
「いや、残念だが時間切れだ。これ以上放置すれば腐ってしまう」
ナマモノを持っていらっしゃるギルさんは早く帰って冷凍保存しないとまずいから、とマスターを置いて行く気満々です。
この心臓、まだ動いてるん…ですね…。
「後悔するなよ、遠坂!もう仲間にしてやらないからな!」
慎二は最後まで小物っぽさを見せつけてくれながら退場です。
そういえば、ポケモンもトレーナーの実力(バッジの数)が足りないと、ポケモンが言うこと聞いてくれませんもんね…。
強い使い魔がいればいいという訳ではないようですね。
「だそうだ、良い友人を持ったな」
「くそっ、くそくそくそ!」
バックに流れる慎二さんの悪態が愛おしく思えるのは、このアニメがそれだけ殺伐としているからなのかもしれません。
セラとリズの遺体はどうなったのだろうか…。
目の前のイリヤを助けることができなかった事実に士郎は涙します。
「どうして?あいつの前に出れば、殺されるってわかっていたでしょう?
なのに、どうしてこの子にそこまでしてやれるのよ?」
自分の命を度外視してまでも、大して面識のないイリヤを救おうとしたのはなぜなのかと問い詰める凛に士郎が返した言葉は
「どうしても何もない。助けたいと思ったから止めただけだ」
もう条件反射だったようです。
「前から異常だと思ってたけど、今ので確信したわ。
士郎、あなたの生き方はひどく歪よ」
凛、拳を震わせながらついに思いの丈をぶつけます。
士郎さん、目…。
この表情、士郎の「異常さ」がよく表現されてるなーって思いました。
「自分より他人の方が大切なんて生き方は間違ってる。
いい?人間は自分を一番にしないといけないの。
なのに、あんたは他人を助けようとする。
そんなことを続けてたら、壊れるのは当然なのよ!」
「いいえ、もう十分に壊れてるわ、あなたは。
だから言ってよ、十年前に何があったのか」
あんたがおかしくなってるのは、それが原因なんでしょうから!」
確か#11あたりで、一度あった問答ですね。
凛は自分のためにならないことはやれないと自称する人間ですが、凛がここまで士郎の生き方を正すのはそれだけではなさそうな剣幕です。
「ちがう、遠坂。俺は助けられただけだ。ただそれだけなんだ」
「助けられる代償に取られたものとかなかったの?」
「ないよ、切嗣は俺を助けてくれただけだ。
なくしたものなんて何もない。ただ…」
10年前、自分は火災から切嗣に助けられただけ、失ったものは何もないと言いますが…。
「嬉しそうだったから、その姿に憧れた。
助けられてその感情しか浮かばなかった。
俺はそういうものになりたかった」
自分を助けてくれた切嗣の姿が士郎にとっては何物にも代えがたい記憶になってしまったようです。
どうでもいいですが、こんなシリアスシーンなのに切嗣のアヒル口が気になってしまい、話に集中できません。
「だから、この次があるのならあのとき見捨ててきた全ての代わりにすべての人を助けなくちゃいけないんだって、そう思ったんだ」
「俺の望みはそれだけだ。そうじゃないと、一人だけ生き残った意味がない」
この作品を知って、世の中にはサバイバーズギルトという言葉があることを初めて知りました。
サバイバーズギルト…戦争や災害、事故、事件、虐待などに遭いながら、奇跡的に生還を遂げた人が、周りの人々が亡くなったのに自分が助かったことに対して、しばしば感じる罪悪感のこと。(by Wikipedia)
果たして士郎はサバイバーズギルトの典型なのか。
切嗣が士郎を助けたときの姿、切嗣の死に際の「正義の味方になりたかった」を士郎が引き継ぐ一連のシーンは士郎にとっては「呪い」、「枷」と表現されることもありますが、本当に士郎にとってそういうものでしかないのか。
このシーンの段階では判断できませんが、これからの展開が楽しみですね。
「それがおかしいって言ってんのよ!
助かったならまず自分を大切にしろって言うの!
それだけ酷い目に遭ったんだから、あとは楽しくやらないと嘘でしょ!?」
「いい?他人の幸せを願うだけなんて間違ってる。
それじゃ機械と変わらない!
人助けは結構よ、あとは思う存分やればいい。
でも、それは自分のため!あんたはあんた自身のために生きなきゃ!
何が幸福なのか、わからない!」
他人を幸せにしようとするあまりに、自分には何も残らない士郎の生き方を想って凛は泣きます。
情けは人の為ならず…ってあんまり良い意味の言葉じゃないって思ってましたが、ここでは印象がだいぶ変わる言葉ですね。
#13で凛は「人々を救うために呼び出されたのに、救うより先に人間がしでかした不始末を押し付けられた。(中略)そいつは結局死んだ後でさえ、理想に裏切られ続けたんだ」という英雄の夢を見ていました。
士郎もああならないように止めなきゃ!と必死な凛さんなのではないかと窺えるシーンと言えるかもしれません。
そういえば、歴史上には人のために自分を犠牲にして亡くなった聖人、聖女が多くいますが、あの人達はどういう想いで生きていたんでしょうね。
ときどき気になってしまいます。
「ああ、きっと遠坂は正しい。けど、いいんだ。
だって、誰かのためになりたいっていう想いが、間違いのはずないんだからな」
凛の言い分が正しいことはわかっているものの、あくまで自分の信念は譲らない士郎。
ここで、「誰かのためになりたい」の誰からしき人々が映し出されます。
桜ちゃん…序盤であんなに出番あったのにぷっつり出番が終了しましたが、ここで思い出してもらえて良かったですね。
桜、大河、一成、切嗣が次々と映し出されます。
切嗣亡き後の唯一の家族だった藤ねえ、もはや家族扱いと士郎が認識していた桜、親友の一成、養父の切嗣…。
ん、一成…?
ファミリーの中に一成が出てくるのが最高に胸熱ですね。
別に一成と生徒会室で一悶着あったときに目覚めたとかそういうわけじゃないと信じます。
彼はかけがいのない親友なんです。…うん。
「遠坂、ありがとう」
目の上の影が気になって仕方ありません。
無理して笑っているようにしか見えません。
満面の笑みではない…ですね、これ。
「まったく、そんな顔されたら何も言えないじゃない!
まあ、仕方ないか。
こうなったらもうわたしがなんとかしてあげるわよ」
すみません、私の勘違いだったようです。
凛がずっきゅーん!となってしまったので、さっきの士郎は最高に素敵な笑顔だったようです。
疑いすぎですね、私。
節穴ですね。
あなたがダメだから、私が支えてあげる!ときましたか。
凛はダメンズにハマる気がある女の子なのかもしれません。
あ、ワカメはお断りですけどね。
ネタバレ反転↓ ↓ ↓
これ、UBWラストにつながりますねー。
さっきの士郎の笑顔もラストのアーチャーにつながる笑顔なのかも。
↑ ↑ ↑
そういえば、イリヤちゃんの墓の前ですね、これw
「ねえ、八人目のサーヴァントのことなんだけど」
とりあえず、アインツベルンの森の途中にある崩れかけた教会前まで移動し、今後の方策を練ります。
ワカメがご丁寧に真名をばらしてくれたので、ギルの対策も練れます。
「古代メソポタミア神話に出てくる英雄」、「半身半神の英雄」、「ウルクの王」、「不老不死の探究者」…。
高校生なのにこんなにギルガメッシュに関するキーワードが出てくるなんてすごいよ…。
世界史の授業だけじゃこんなの出てこないよ。
ネタバレ反転↓ ↓ ↓
アーチャーがやたら英雄に詳しいのは強くてニューゲームのせいかと思ってたけど、この時点でこれでした。
↑ ↑ ↑
「あいつ、反則めいた強さだった。
けど、確かに強かったけど、わたしあの金ぴかとバーサーカーにそう実力差はないと感じたの。おかしいかしら?」
凛がギルを「金ぴか」と呼ぶのは、出してくる宝具が全部豪華だし、贅沢してそうなお金持ちオーラを出していると踏んだから…ということが原作では明かされていましたが、感が良すぎて笑ってしまいます。
嫉妬?から来る感の良さ、伊達ではありません。
「いや、あいつ自身はセイバーやバーサーカーと同じか、きっとそれ以下だ。
強さの差は武器だ。あいつが持っていた武器は全て本物の宝具だった。
いやきっと宝具の元になった武器なんだ」
「ギルガメッシュは一番古い神話の英雄で、あらゆる贅沢を尽くした王様だったんだろう?
なら、神話の元になった神話の元になった原典、宝具の元になった武器を持っていてもおかしくない」
「生前に集めた武器を収納した蔵こそが、あいつの宝具なんだと思う」
純粋な戦闘力で言ったら武器の扱いに長けているわけではないギルガメッシュは最強とは言い難いですが、他の英雄たちの弱点となる武器も持っているわけだから強いよねー、ということらしい。
ネタバレ反転↓ ↓ ↓
士郎がこれだけギルの「剣」に関して詳しいのは、魔術特性が剣だからかー。
↑ ↑ ↑
「おまえたち二人だけでか?
そんなもの通用するわけねえだろ、まぬけ」
「いつぞやの夜以来だな、お二人さん」
キャスターの方が先決だからギルは後回し…と言いかけたところに突然声をかけてくる人がいました。
#01以来、表に姿を現していなかったランサーさんでした。
いたね、こんな人。
突然の敵襲来ですが、ここで士郎と凛はどちらがランサー戦の前線を担当するかで痴話げんかを始めます。
原作では「数分」言い争いをしていたと書いてありますが、まかり間違えばここで二人揃ってランサーに刺されて死亡の展開しか見えませんw
もはや、コントとしか思えません。
これは微笑ましく見守るところなのか、失笑するところなのか…。
「夫婦喧嘩は犬も食わない」とのことわざがありますね。
じきに仲直りするから、他人が仲裁に入るのは愚かなことであるというたとえみたいですね。
そういえば、ランサーの真名クー・フーリンはゲール語で「クランの猛犬」って意味だったか…。
犬だったか。
「お、もう終わりか?別に急がねえから最後まで済ましちまいな」
「こっちに戦う気はない。見るに見かねてな。
少しばかり手助けしてやろうと出しゃばりに来たわけだ」
なんと、ここでキャスター組に与していない最後のサーヴァントが加勢してくれるという、ありがたいお話が舞い込んできました。
アーチャーがいなくなった今、新たに筋肉要員が仲間になってくれるようです。
「そう、本当に出しゃばりね、ランサー。
それはあなたのアイディア?」
「マスターからの指示だ。
ま、キャスターたちを潰すまでの共同戦線ってやつだろうよ」
もう誰も勢いに乗ったキャスターを止められない状態なので、ランサーのマスターもしょうがないので動き出したようです。
ネタバレ反転↓ ↓ ↓
綺礼さん、計画途中にキャスターにうっかり凛を殺されたら大変ですw
↑ ↑ ↑
「まっとうな理由ね。けど、私たちよりもっと頼り甲斐のあるやつがいるでしょ」
ギルガメッシュを知っているか探りを入れてみる凛さん。
「バーサーカーを倒したやつか。
ありゃあ駄目だ。とてもじゃないが性に合わん。戦力的には申し分ないがな」
ランサーはギルさんを嫌っているご様子です。
ラッキーですね。
「いや、あんたらを選んだのは俺の趣味だ」
協力相手を選んだのはマスターではなく自分と言い張るランサー。
どことなく…あの、流し目ですね、ランサーさん。
士郎を二回も殺しかけた(というか、一回目は本当に殺していると言っても過言ではない)ランサーですが、士郎は絶対自分の言うことを信じるだろうと断言するランサー。
その根拠は
「おまえの参謀はさっぱりとした良い女だからな。
そんな女が手を貸すって言うんだから、おまえだって物好きなお人好しなんだろう」
凛が認めたやつなら大丈夫だろうとのことでした…。
ランサーさん、#00で凛とアーチャーともバトってますが、戦場と平時の人間関係を分けるのがモットーらしいランサーにとっては些末なことだそうで…。
「仕事は選べねえ分、相棒は好きに選ばないとな」
ネタバレ反転↓ ↓ ↓
ランサーの凛への肩入れは文字通り命とりとなるけど、この選択が彼にとって間違いだったとは到底言えませんね。
間違いなく彼、今一番輝いてますねw
↑ ↑ ↑
「初見からあんたのことは気に入ってたんだぜ。
美人で強情で肝が据わっているときてる。
女をマスターにするんなら、あんたみたいのがいい」
ここで士郎さんはなんとランサーに嫉妬の目を向けます。
恋敵(仮)を前にして、ついに士郎の気持ちも表に出てきました。
ランサー、恋のキューピッドじゃん。
「いいわ、わたしは賛成。
けど、衛宮くんが信用できないって言うんなら、この話はなかったことにするけど」
「だそうだ。どうする小僧、おまえ器を試されてるぞ」
「わかった。けど、条件付きだ。
手を貸してもらえるなら、俺たちもおまえを信用する。その代わり…」
「仲間だからって、気安く遠坂には近寄るな」
「なんだよ、悪いか!言っとくけど、遠坂はやらないからな!」
驚きの場違い発言(第三者視点)が飛び出ます…。
「はあ?」
大半の視聴者の反応、これなんじゃないでしょうか…。
そう言えばこのUBWは一応凛ルートでしたね。
「なるほど、なるほどそりゃあそうだ!
俺のマスターなんぞよりそっちの方が何倍も重要だよな、ボウズ!」
ランサーさんはむしろ理解してくれたようです。
くそ真面目なアーチャーやセイバーだったら、ここで助力の件はなかったことにされそうですが、理解のある人で助かりましたね!
「な、何言ってるのよあんた!
私たちは…そう!ただの協力関係なんだから!」
「何か言いなさいよ、ばかー!
これじゃ本当に私たちが好き合ってるって…」
何やら軽快なBGMでラブコメが展開されていきます。
冒頭で少女の心臓が引き抜かれた展開が嘘のようです。
「ったく、こりゃこの先も大変だぞ、ボウズ」
「ま、遠坂が大変なのはもうわかってるから」
士郎、真顔w
これ、話かみ合ってるんでしょうか、大丈夫でしょうか。
すごいな、このエロゲーの主人公。
一筋縄じゃいかないな、この少年。
「じゃあ俺もそれなりに気を使おう。
だがまあ、からかうとおもしろい嬢ちゃんなんでな。
話をするくらいなら、構わないだろう?」
「わかった、その線で行こう。
キャスターを倒すまであんたの力を借りる」
「決まりだな」
あれ、握手…拒否するんですね士郎さん。
この後、本当にランサーによる凛のからかいが展開されますが、尺がないのでカットのようです。
場面変わって二週に渡って完全に放置されてた冬木教会。
Zeroで綺礼とギルガメッシュによる愉悦部(聖杯戦争中に人の不幸を楽しむための活動)の部室だったお部屋では、なんと葛木先生が居座っていました。
そこに入ってきたのは
この上なく忌々しそうな顔で笑っちゃいますね。
「外の警護はいいのか?」
「形ばかりの役割に飽きてきてね。
キャスターの目は教会周辺を網羅している。私が見るまでもない」
どうやら、この人。
早くもサボりを覚えたようです。
意味ないからやらなくても良いよね?と早くも職務放棄し出します。
新人のくせに不真面目すぎます。
「それで自由行動か。キャスターもさぞ頭が痛かろう」
アーチャークラス特有の
「その点は安心していい。私にも監視の目はついているからな。
不穏な動きをすれば、令呪で処理される運命だ」
図太いな、アーチャー。
「いや、そういえば最後まであんたを知る機会はなかったと思ってね」
「最後まで」とかまたまた意味深台詞です。
ネタバレ反転↓ ↓ ↓
アーチャーの生前の聖杯戦争では葛木先生と接点なかったってことですね。
↑ ↑ ↑
「私は自分を育てなかった人間だ。
自分の欲というやつが薄い。そんな私が上手く言えないが、あの女の願いを叶えてやりたいと思った。
これは人間らしい欲望だと思うのだが」
まさかアーチャーと葛木先生の男語りシーンなんてものが出てくるとは思いませんでした。
アーチャーと並ぶと葛木先生すらも小柄に見えるマジック…。
今まで欲のなかった先生ですが、今回は違うようです。
キャスターのために聖杯戦争に参加していると語り出す葛木さん。
ここでもホの字カップルの話か。
今回、リア充だらけです。
「キャスターの願いと来たか。
あの女の狙いは自分だけが聖杯を手に入れ、自由を得ることだ。
おまえはそれを容認すると?」
「それは願いではない。
生きる上で当然のようにこなす義務だろうよ。
キャスター自身気が付いていないようだが、あれは帰りたいだけだ。
自由など初めから求めていない」
アーチャーが認識していたキャスターの目的は願いではない。
本当は、彼女は故郷に帰りたいだけ、と語る葛木先生。
先生、メディアさんのこと実は結構わかっていたのですね…というシーンでした。
操られて故郷を裏切ることとなってしまった少女時代のちびメディアが映し出されますが、ちょっとかわいい…。
「一つ、聞き忘れていた。あんたが思う正しさとはなんだ?」
「たとえ、自分の選択が間違っていたとしても後悔はしないことだろう。
善悪が等価に見える以上、それだけが私が良しとする人間らしさの証明だ」
去り際のアーチャーの表情、葛木の言葉が信じられないというか、理解できないって表情ですね。
奇しくも葛木のこの言葉は、士郎が「自分の生き方は普通じゃないとしても、人を助けたいと思う気持ちは間違いじゃないから」と言ったのと同じ意味なのでした。
ネタバレ反転↓ ↓ ↓
これ、アーチャーと正反対な結論ですからね。
耳に痛いですね。
↑ ↑ ↑
「俺の役目はセイバーの相手だ。最悪、セイバーもどうにかしなくちゃならんが、まあ抑えるだけなら問題ない」
「あのヤロウは苦手だ。できれば一対一でもやり合いたくはねえ。
だがアサシンは教会には現れねえよ」
最後の作戦会議で、ランサーはアーチャーとセイバーを同時に敵に回すことも恐れない勇猛さを見せてくれますが、アサシンさんはどうやら苦手のようです。
でもアサシンはサーヴァントがサーヴァントを召喚した制約であの山門から動けないから大丈夫!とのこと。
そうか、山門を教会前に移動させれば問題ないですね。
キャスターさん、頑張れ。
「私とキャスターを一対一にしてもらえれば、まず裏をかけると思う」
前回、キャスター、葛木、セイバーVS凛、アーチャーでは勝ち目が薄いと判断され、アーチャーに裏切られた凛ですが、実は今回は秘策があるようです。
どんな手か楽しみですね。
「君のことだ、必ず来ると思っていた。
それで?用意した策はなんだ?
何の手立てもなく勝負を挑む君ではあるまい」
待ち受けていたアーチャーの表情が完全に愉悦った顔にしか見えません。
どうやら本格的にさっきの愉悦部部室の入室は、部活入部のためだったとしか思えません…。
「ああ、とりあえず、てめえの相手はこの俺だ」
これにはアーチャーもびっくりのようです。
「驚いたな、私を失い数日と立たずに新しいサーヴァントと契約したか。
私もそうだが、君の移り気もなかなかのものだ。
これは袂を分かって正解だったかな」
全然人のこと言えませんが、アーチャーは平静を装ってお得意の皮肉を返してくれます。
絶対、内心ちょっとショックだったに違いありません。
「前から気に食わない野郎だと思ってはいたが。
てめえ、性根から腐っていたようだな」
「ほう、裏切りは癇に障るか、ランサー。他人事なのに律儀なことだ」
「てめえみたいなサーヴァントがいることが気に食わないだけだ!」
アイルランド国内では大変著名らしいケルト神話の大英雄であるランサーは、英雄の誇りを何よりも大切にしている人なので、自分のことでなかろうと「主人を裏切るサーヴァント」がいることが許せなかったご様子。
対してアーチャーは#09あたりでセイバーと言い争った際に「英雄の誇り」を一蹴した人でしたね。
相容れないようです。
「おまえたちは中に行け。こいつを倒したら俺も行ってやるからよ」
「わかってる。けど、アーチャーは…」
アーチャーを倒して消滅させたくない凛はランサーに手加減してほしいと頼みますが。
「ああ、手抜いてやる。
あいつには土下座しておまえに謝ってもらわなくちゃいけねえからな」
ランサーさん、かっこよすぎです。
「ありがとう。助力に来てくれたのがあなたで良かった」
いや、本当に。
「まったく、面倒なことになっちまったな。
いやなに、おいそれと主を裏切れねえ身としちゃあ、あの嬢ちゃんは少しばかり眩しいってもんだ」
ランサーさん大歓喜。
確か#01で自分のマスターを「いけすかないマスター」と呟いていたランサーにとっては、今回の任務はとても嬉しいものだったに違いありません。
お気に入りの凛の手助けですからね。
「ずいぶんと甘いな。君は隣の芝生は青いということわざを知っているか?」
「んなもん、俺が知ってるわけねえだろうが!」
ランサーが無知というわけではありません、たぶん。
生前、劣勢に立とうが罠にかけられようが、一人で国を守ったクー・フーリンの辞書にそんな言葉はないという意味ですよね、たぶん。
「このペンダントね、本当は一つしかないものなの。
これ、アーチャーに返してもらったものなんだ。士郎が刺されたあの日にね。
わたしはてっきりあいつが拾ってきてくれたものだと思ってたけど」
なんと、この世に一つしかないはずの凛の父時臣さんの形見のペンダント、アーチャーが持っていたものと士郎が持っていたものの二つがなぜか存在しているという矛盾を暴露。
「なるほど、アーチャーの正体は時臣なのか!」というコメントをネットで見つけました。
なるほど、確かに両人とも服が赤いしな…。
「遠坂、行こう」
凛の言葉を意に介さず、士郎はキャスター討伐を促します。
完全にランサーの乱入やらラブコメやら、いろいろと詰め込み過ぎた印象で、冒頭のイリヤちゃんの悲劇が記憶の彼方です。
次回、「暗剣、牙を剥く」
「必中の槍、無敗の盾」じゃないんですね…。
あれかっこいいタイトルなのになー。
どうやら、重きを置くところはランサーVSアーチャーではなく、「暗剣」の方のようです。
次回予告の図がネタバレのような気がしてなりませんが。
そういえば、アーチャーと葛木先生のアニメ追加シーンですが、あれはあって良かったなと私は思います。
キャスターに理解のある(と言っても本当のキャスターの望みは彼もまだわかっていないようですが)葛木先生の描写もあり、のちに明らかになるアーチャーの考えと葛木先生の考えが対比のようになっていてなかなか感慨深かったです。
←押していただけるとものすごく励みになります。
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