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[映画] 『バトル7』 

バトル7

あらすじベトナム戦争当時のタイ。軍隊上がりのケチなギャンブラー"イカサマ"は、在タイ米軍が秘密裏に運んでいる貨物を「ベトナムの財宝だ!」と勘違いした街の顔役から、この貨物を奪取する仕事を請け負う。イカサマは従軍時代の仲間――二挺拳銃使いにしてリーダー格"赤パン"、手榴弾坊主"和尚"、八百長ボクサー"ムエタイ"、素手ゴロ"鉄拳"、J.ディーンかぶれの"ジミー"、失恋ソルジャー"ロマンス"といった顔ぶれを召集、貨物の奪取には成功する。しかし最初から裏切る気マンマンだった顔役や機密漏洩を恐れた米軍らが彼らの敵に。腕っ節も肝っ玉も強いが頭は弱い曲者7人の運命やいかに。

『マッハ!!!!!!!』や『トム・ヤム・クン!』で知られるプラッチャヤー・ピンゲーオ製作の映画。でも監督は別の人であり、映像の出来は格段にショボいです。役者の動きは大味だし特撮は合成丸出しだし、『七人のマッハ!!!!!!!』のように1~2人くらい人死にが出てんじゃないカシラと思わせる渾身の気迫などは望めません。脚本もなんだかまとまりがなく、中盤まではけっこう退屈。
しかしこの映画の真価はラスト15分の怒濤の展開にありました。

 
[以下、『バトル7』のエンディングまでのネタバレを含みます。つってもネタバレしたところで面白さが減少するような類の映画ではないんですが、ともあれご容赦ください]

 
クライマックス、ついに在タイ米軍部隊との対決に踏み切った7人。完全武装の米軍人らに対しさしたる負傷もなく、藤木源之助ばりの下アゴ吹っ飛ばしパンチを浴びせたりつつ善戦しますが、あと一歩というところで貨物の乗ったジープを米軍のヘリに奪われてしまいます。ジープの上にいる仲間は赤パンのみ。このままでは多勢に無勢、しかし空の上では助けにいくこともならず…。

battle7_3そこでイカサマが、戦場に転がる迫撃砲を見て閃きます。コレを使えば…!
わたくしてっきりこれでヘリを狙撃して不時着でもさせるのかと月並みな予想をしたんですが、この映画そんな予想のはるか斜め上へ向かって大暴走。

battle7_4迫撃砲を立て…しかし砲口は地面に向いたまま。ん?
そしてイカサマとロマンスが砲をガッチリと挟み込むようにスクラム。んん?
その状態のまま点火するロマンス。え…? ちょっと…!?


と…飛んだァ――――ッ!!??


battle7_6そして、はるか上空の米軍ヘリまで到達するイカサマ&ロマンス!!
つうか砲口からロケットエンジンのごとく炎が噴き出していて驚愕。コレさっきまで単なる大弾を飛ばすだけの大筒だったはずなんですが。

battle7_7ともあれ、首尾よく米軍部隊を撃退した赤パンら。しかし制動を失ったヘリは墜落コースに。
とっさの銃撃でヘリから貨物を載せたジープを切り離すことに成功した赤パンですが、自身はヘリとジープから落下!
どうする赤パン!?


A.空中での犬かきによってある程度自由に動けた。



そしてパラシュートを確保していた仲間の体につかまって無事着陸。
…なんかもう、このへん10分くらいの展開内ではたらいている力学がいきなりディズニーのカートゥーンなみに荒唐無稽に。何たるマンガ係数の高さか。


battle7_8エンディングもこれまた奮っていました。
いつの間にか煩悩を振り切っていた"和尚"は僧侶として祭礼を執り行うまでに成長。神仏に祈りをささげる立派な息子の姿を見た和尚の母親は、安心のためか…突然ぽっくりと大往生
ムエタイ「和尚…お母上が」

ラストシーンは火葬場。号泣する和尚。仲間らも最初のうちは神妙にしていましたが「なんで中国は土葬なのにタイは火葬なんだ」とかいうどうでもいい無駄口が誰彼となく始まります。それにしびれを切らした赤パン、周囲を諌めて一喝。ムエタイが口にしていた紙巻も取り上げ、火葬の火の中に。
赤パン「こんな時に葉巻なんぞよせ」
するとムエタイ大慌て。
ムエタイ「それ葉巻じゃねえ! ダイナマイトだよ!」
何でそんなもん口にくわえてますかこのバカは
その言葉を聞くやクモの子を散らすように散開する群集。
そして爆発!

お空へ吹き飛ぶ和尚ママン。

傍らでこれを見ていた先輩格の僧侶が一言。「…これで天国に行けるな」

…なんでしょうかこの『サウスパーク』みたいなノリは。というかお母上はこのオチのために突然死なされましたか。何てこった。

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