おひさ…しぶり…です…
 咲全国編アニメのキャスティングが発表されつつある今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
 人気の若手や実力派を揃えている永水。関西出身のフレッシュな方々中心の姫松。次に発表されることになっているのは宮守のメンバーですが、いったいどんな感じになるのでしょうか…ちょーたのしみだよねー!
 今回発表されるのは二回戦の相手のみだと思われますが、個人的には洲崎綾さんに有珠山の成香ちゃんかチカちゃんを担当していただきたいと思っております。『たまこまーけっと』の北白川たまこ、『キルラキル』の満艦飾マコ、艦これの電や青葉、鳳翔さんを演じていらっしゃる方ですね。
 有珠山アニメ登場はいつだろう…ちょっとだけでも顔を出して、ついでにしゃべってくれると嬉しいのですけど!


 さて、今日は清水谷竜華さんについてのお話です。
 彼女の名前が「園城寺」の本尊である弥勒菩薩に縁の深い「竜華三会」に由来している可能性は、すでにhannoverさんが指摘していらっしゃいます。

私的素敵ジャンク  元ネタから見る穏乃と怜=竜華のライバル関係(※4月8日は園城寺で竜華会が執り行われる日です)

 ただ、竜華の名前の元ネタというのは果たしてそれだけなんでしょうか。
 
 彼女の名字である「清水谷」からは、ひとつのお寺が連想されます。それは京都に修学旅行に行く場合、かならず行程に組み込まれているといっても過言ではない、「清水寺」。そしてこの「清水寺」に注目することで、興味深いことが見えてくる…かもしれません。
 じつは、「清水谷竜華」という名前には、菩薩(仏教で、成仏しようと修行しながら、あるいはあえて成仏せずに修行をつづけながら衆生を救いに導く存在)のひとりであり、古くから信仰を集めた「観音菩薩」のイメージが重ねられている可能性がある…かもしれないのです!あくまで可能性のレベルですけどねっ!

◆清水寺と青龍と観音菩薩◆

 清水寺の本尊は観音菩薩です。そしてこの清水の観音、どうも「竜」と深く結びついた存在と考えられているようです。清水寺門前会(寺の門前に位置する清水坂の商店街が構成する会だそうです)のサイトに、以下のような記述が見えます。


京都の地形に深く関わりをもつ四神相応の考え・・・
北の丘地に玄武、南の窪地に朱雀、西の大道に白虎、そして、東の流水出地に青龍
東山山系「青龍」の地に清水寺は位置します。清水の涌きあふれる音羽の滝に、観音様の化身である龍が夜ごと飛来して水を飲む...との伝えが清水寺に古くからあります。 さらに本堂の東方に位置する奥乃院の回廊南軒下にある祠に夜叉神が祀られています。この夜叉神は青龍の地を守り、清水寺の本尊の守護と共に、京の都を昼夜休みなく警戒し、人々の悪縁を断ち芳縁を結ぶ神として都の人々に信仰・畏怖されてきました。 清水寺創建千二百有余年、御本尊御開帳の年・平成十二年三月三日にあたり、ここ青龍の地に、音羽の滝の故事、夜叉神への畏怖が結びつき、人々の安寧を祈願する青龍会(せいりゅうえ)を結成、観音の化身である青龍の誕生とその開眼の法要が執り行われました。 

※清水寺門前会HP 清水寺青龍会―観音加持― による

 「四神相応」とは、東アジアに広まっている地形についての考え方です。東西南北の四つの方角には、それを司る霊獣(東に青龍、西に白虎、南に朱雀、北に玄武。四体合わせて「四神」)がいる。そして、土地の四方に、それぞれの方角を司る霊獣にふさわしい地形があった場合には、そこが「四神相応の地」―四神に守られた地である、と考えるのです。
 この「四神相応」は、近世以前の日本の都市計画と密接に関わっており、京都の平安京も「四神相応」の地とされています。平安京の「四神」に当てはまる場所がどこなのかについては諸説あるみたいですが、前掲したサイトの記述から、平安京の東の「青龍」=清水寺のある東山の地 とする説があったことが窺えます。そして東山で都を守る「青龍」は、いつしか、清水の観音の化身である竜と同一視されるようになったようです。
 『法華経』観世音菩薩普門品第二十五などによれば、観音は広大な慈悲によって衆生を苦しみから守り、救う存在です。また、観音は衆生を救うためにさまざまな姿に変化するともされます。すると、清水の観音と青龍を同一視する、という発想はそんなに突飛なものではないでしょう。


◆園城寺の観音堂―「華の谷」―◆
 さて、観音菩薩は衆生の苦を救ってくれるありがたい存在である、ということで人々の信仰を集めることになります。そういうわけで、観音がまつられているお寺は決して清水寺ひとつではありません。かなりたくさんあります。
 そして…竜華の相方は園城寺怜。彼女の名字は滋賀県大津にある園城寺に由来しており、そのキャラクター造型には園城寺の本尊・弥勒菩薩のイメージが反映されているとされていますが、実はこの園城寺にも観音菩薩をまつった観音堂があります。そしてこの観音堂、なんとかつては「華の谷」という場所にあったそうなのです。
 園城寺のホームページによれば、

西国観音霊場第十四番礼所である観音堂はもとは聖願寺とも正法寺とも呼ばれ、 現在地よりもはるか山上の華の谷というところにありました。 この華の谷に登るには道が険しく、また女人結界のため婦人方は参詣ができず、 観音さまの御利益を願う人々からは残念に思われていました。
文明九年三月のある夜、寺中の僧たちの夢の中に寂しげな様子の老僧が現れ、 「自分は華の谷に住まう者だが、いまの場所では大悲無辺の誓願を達成できないので、 これからは山を下り人々の参詣しやすい地に移り、衆生を利益したい」と告げられました。
僧たちは相談して、観音堂を山下に移すことにし、文明十三年(1481)に現在の地に 移されたといいます。
以来、今に至るまで多くの人々が観音さまと結縁され、四季を通じて巡礼の善男善女が 参詣するようになりました。
※園城寺HP「伝説」項 観音さまの御遷座 による

とのこと。

 すると、「清水」という名前の中の、「清水・竜」「谷・華」ということばはそれぞれに観音菩薩と結びつくことがわかります。
 竜華というキャラクターを造型する際に、「竜華三会」のみならず、観音菩薩の存在が意識された可能性は否定できないのではないでしょうか。それが彼女の性格付けや能力とどのように関係しているのかについては今後の課題ですけれども…。
 考えられることとしては、そうですね、観音はほんらい男性のはずなんですが、女性的、というか母性的なイメージが強い存在です。中国では小さな子供を抱く「慈母観音像」が制作されていますし、日本でキリスト教が禁止されてからは慈母観音像に擬した聖母マリアの像(いわゆるマリア観音)が隠れキリシタンの信心の対象となったりもしています。そういう観音の「お母さん」っぽい要素が、身体の弱い怜を心配ししっかり面倒を見る、エプロン姿も素敵な竜華さんに投影されているのかも…?(たんなる思い付きです。すみません)

◆おまけ① 園城寺と「水」のイメージ◆
 あ、そうだ。先に述べてきたこととはあまり関係ないけど、千里山のメンバーって怜を除き、「水」に関係ある名前がつけられていますよね。二条口セーラ、久保浩子、そして清水谷竜華。
 でも実は怜の名字である「園城寺」だって、水と深いつながりがあるんですよ。「園城寺の別名は「三寺」。「井」は井戸だとか、水をくむ場所、という意味のことばです。そしてこの園城寺には、龍神の住まう聖なる泉があるといいます(園城寺HP「伝説」項参照)。また園城寺の鐘は、平安時代、藤原秀郷が百足退治をしたお礼に琵琶湖の龍神からもらったものだとか…(同上)。というわけで、怜は決してネーミング的な意味で仲間外れではないのです!いいですね?

◆おまけ② 寒い日に飲みたい二条泉ちゃん◆
 京都の二条にある和菓子屋「二条若狭屋」に、「不老」という商品があります。どういうものなのかというと、熱湯を注いでつくるインスタントくず湯。プレーン、抹茶、ぜんざい風味の三種類がかわいい箱に入っているというとても素敵な商品でございます。お仕事の合間に、おやつの時間に、修羅場中一息つきたいときに…すてきな箱に入った泉ちゃんを取り出しお湯を注いで…飲んでみてはいかがでしょう…か?風邪の時にもいいみたいですし。実は京都駅のお土産コーナーで買えちゃったりしますし。
 抹茶味とぜんざい味のくず湯の中には水鳥のかたちのあられが入っているんですけど、これがお湯を注ぐとふんわりとろけて、おもちめいた食感になります。最高です。おもち。
 ちなみにこれを書いている人は、この箱かわいいから何か入れよう!この箱を素敵にアレンジして小物入れかなんかにしよう!と思っていたのですが…センスがなかったので…ええ…もう訊かないでください…