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ワクチン迅速承認・緊急輸入の前例

2013-07-02 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
平成24年2月23日に申請された"ある"ワクチンは2カ月後にスピード承認となりました。

やればできる!と関係者は学びました。

平成24年4月20日 医薬食品局審査管理課による審議結果報告書で、サノフィ"イモバックスポリオ皮下注" (不活化ポリオワクチン(ソークワクチン)"本品目を承認して差し支えないとされ"ました。

すごいすごい。なんでこんなに早く承認になったのかしら?ですが、上記資料の2ページ目に特記事項として、

"迅速処理(平成24年2月23日付薬食審査発0223第4号 厚生労 働省医薬食品局審査管理課長通知)" とあります。

なじみがないから、なんじゃらほいですが、「迅速処理」って書いてあるから、課長さんが通知をだせば早く審査してもらえる方法があるのかな?と素人ながらに考えました。

日本小児か学会が「不活化ポリオワクチン,できる限り迅速な承認を」と要望書を出していました。
さすが小児科学会!

そして、この国内第三層臨床試験のサンプル数は74例。

こんなに少なくていいんですか?ですが、世界ですでにスゴい数の実績もあり、日本人だけ特別なものにはならないだろうと想像できますし、先に個人輸入していた先生方がデータを発表されたりしていましたので、「足りないから無理!」というような話にはならなかったのでしょうか。



だとしたら、MMRの緊急承認/輸入もできそうですが。問題は国が買うよとなると、また足下みられて(日本の審査基準は外国とちがうから特別なお金かかるよね?だから高くなるんだよ的な)高くなっちゃいますかね。


細田さんのブログ記事「日本におけるワクチン承認審査」を読んでもう少し勉強します。


さて。迅速が大切な訳ですが、なぜだかお金のかからない意見発表にすごく時間のかかった人たちもいます。

2013年6月24日に産婦人科の専門団体が突如発表 「妊娠を希望する女性に対する風疹の罹患予防に関するお願い」

母子感染した人たちの手記を読むと、もっと前になぜでなかったのだろう????ですが。


で、緊急輸入をしたのはポリオワクチンでした。当時のソ連から。
小児感染症免疫 2007年「ポリオ生ワクチン緊急導入の経緯とその後のポリオ

当時の大臣が、私が責任を引き受けるから、というリーダーだったからできたこと。
また世論を高めたのは連日のNHKの報道だったということです。


前例がないわけじゃないので、少ないサンプル数でさくっと認可するとか、大臣主導で緊急輸入するとかしないんですか?ですね。

それとも、このまま自然におさまるのをまつという形で妊婦さんを感染させ続けるのでしょうか。

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