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6. 火山の分布 a. 世界 世界の火山分布を下に示す。だいたい地震の分布と一致していることがわかる。とくに太平洋を取り巻く地域に多い。 この図には現れていないが、海嶺では大量のマグマが噴出していると考えられている。海嶺は海底から数千m盛り上がっているが、それでも水深数千mのところにあるので、噴火の現場を直接見ることはできない。しかし、海底で溶岩が流出した証拠である枕状溶岩が大量に見つかっている。枕状溶岩は、流れやすい玄武岩質溶岩が海中で流れるときにできる。冷たい海水に触れた溶岩の表面はすぐにかたまり薄い皮をつくるが、内部から次から次に押し出してくる溶岩がその薄い皮を突き破り流れ出し、そこでまた薄い皮を作りということが繰り返されて、枕を積み重ねたような構造になる。数千mの深海では数百気圧の水圧がかかっているので、マグマの噴出・噴火といっても爆発はせずに、静かに溶岩を流すだけである。 中央海
2 資源 地球は有限なので、当然資源も有限である。このまま消費を続けていると、そのうちなくなってしまうのではないだろうか。 2・2 水資源 ヒトに水は欠かせない。生物としてまず水が必要だし、生活用水、工業用水、農業用水としても必要である。だが、世界的には水の供給に悩んでいる地域も多い。降雨量はどうしても季節に偏りがある。だから年間を通じて有効に利用しようとすれば、ダムを造って水を貯めておかなくてはならない。しかし、巨大ダム建設にはいろいろな問題がつきまとう(6・4参照)。 地下水の利用も限られる。深い井戸を掘れば、まわりの浅い井戸が枯れる恐れがある。だいたい地下水として蓄えられている水はそれほど多くはない。また、日本の平野(沖積平野)で大量に地下水を汲み上げると、地盤沈下が起こる可能性がある。そのために、東京や大阪などでは、地下水の利用には制限が設けられている。 海水を真水に変えるには、莫
戻る このページのトップへ 目次へ home 2.露点(露点温度) 空気の温度(気温)が高いほど飽和水蒸気量(飽和水蒸気圧)は大きい。そこで、水蒸気を含む空気を冷やしていくと、気温が高いうちはすべて水蒸気のままでいられる。しかし、さらに気温が下がりその空気が含んでいる水蒸気が飽和に達すると、水蒸気は凝結をはじめて、ものの表面に水滴としてつくようになる(磨いた金属の表面などが曇ることでわかる)。この水滴ができ始める気温、つまりその水蒸気量(水蒸気圧)を飽和水蒸気量(飽和水蒸気圧)とする気温を露点(露点温度)という。 水蒸気を含む空気は、露点まで気温が下がると水蒸気の凝結が始まる。さらに気温が下がるとその気温の飽和水蒸気量以上の水蒸気は水となる。例えば、下の図で、Aという気温の空気に青点線の水蒸気が含まれていたとする。この空気の温度を下げていくと、Bという気温で水蒸気が飽和に達する。このB
1. 大気と海の起源 原始地球は、水素やヘリウムというガスが存在する中で集積する。そして、その大きさが月を超えたあたりから、こうしたガスを保持できるようになる。つまり、原始地球の大気は太陽の組成や木星型惑星の組成に似た水素、ヘリウムを主成分とする大気であったかもしれない。こうした大気を太陽組成大気(いわゆる一次大気)という。 だが、現在の大気ははこうしたものとは大きく違っている。つまり、地球の大気は原始太陽系星雲のガスを捕獲したものではなく、固体地球内部からの脱ガス(衝突脱ガス大気、いわゆる二次大気)によるものである。そもそも、原始地球初期の激しい微惑星衝突の時代には、原始太陽系星雲のガスを捕獲できたとしてもそれは一次てきなもので、高温になった表面からはすぐに宇宙に逸散するであろう。少なくとも、その時点で原始地球や微惑星からの脱ガス成分と混じってしまう。そうした意味で、「一次大気」という言
1.日本列島 日本列島そのものは、ユーラシアプレートと北米プレートに乗っていて、これらは太平洋プレートにより東から、フィリピン海プレートにより南から押され、太平洋プレートとフィリピン海プレートは海溝やトラフをつくって潜り込んでいる。こうして、日本は3つのプレートが1カ所で接する三重点(トリプルジャンクション)が近くに2つもあるという、極めて複雑な様子を示している。世界のプレートの配置はこちらを参照。 このため、世界の地震と活火山で解放されるエネルギーの約10%は日本とその周囲でのものになっている。世界的に見ても、地質活動が非常に活発な地域である。こうした変動は今日も続いている。海溝(トラフ)の軸-地震帯(浅い地震)-火山フロントが平行して並んでいる典型的な島弧(弧状列島)である。 基本的には日本列島はアジア大陸の端にある、太平洋プレートとフィリピンプレートの沈み込みに伴う付加によって生じた
戻る このページのトップへ 目次へ home 1.高気圧と低気圧 海面更正をした後でも、気圧は測定した場所や測定した時刻によって異なる。ある同じ時刻で測定した気圧を海面更正して、気圧の等しい地点を結んだ線を等圧線という。等圧線は地形図の等高線と同じで、交差したり分岐したりすることはない。実際の天気図上での等圧線の引き方はこちらを参照。 等圧線と引いていくと閉じた輪になるところができる。その中心に行くほどまわりより気圧が高くなったいるところが高気圧、その中心に行くほどまわりよりも気圧が低くなっていれば低気圧である。高気圧や低気圧は単純にまわりより気圧が高いか低いかで決まり、1気圧(1atm=1013hPa)よりも気圧が高いか低いかということではない。 高気圧と低気圧についてはこちらも参照。 また気圧の低い低圧部と低圧部の間の気圧の高いところを気圧の尾根、高圧部と高圧部の間の気圧の低いとこ
4 原子力 化学エネルギーで生命を維持しているわれわれ人類が(地球型生物が)、本当に核エネルギーを制御できるであろうか。 4・3 原子炉 (1) 原子炉 原子炉には、ウランなどの重たい元素の原子核の核分裂を利用する「分裂炉」と、水素などの軽い元素の原子核の核融合を利用する「融合炉」がある。融合炉の実用化は当分無理であろうから、ここではおもに分裂炉の問題を考える。 (2) 原子力発電 原子力発電は、原子力で蒸気を発生させ、その蒸気の力で発電タービンを回して発電するものである。すなわち、火力発電とは、何によって蒸気を発生させるのかが違うだけであって、まか不思議に発電するものではない。ただし、火力発電よりは熱を電気に変える効率が低く(最新型火力発電の約50%に対し、原子力発電は33%程度)、さらに放射能をつくってしまうという問題がある。 (3) 日本で使われている原子炉 核分裂の連鎖反応を制御し
対数 1=100、10=101、100=102、1000=103、10000=104という具合に、大きな数になっていくと10の何乗という指数表示が便利である。さらに、大きな数を見かけ上小さな数として表わすのが対数である。とくに10の何乗の部分の数値を常用対数という(10を底とする対数)。ふつう(理科では)対数といえば、常用対数を指す。 対数(記号は“log”)を使うと、log1=0、log10=1、log100=2,log1000=3、log10000=4となる。 では、2、3、4、…などはどうなるのだろう。じつは2=100.3010、3=100.4771、4=100.6020、5=100.6990、6=100.7782、7=100.8451、8=100.9030、9=100.9542などと表わすことができる。だから、log2=0.3010、log3=0.4771、log4=0.6020、
a.地球の形(1) 地球は丸い。このことは古代ギリシャの人たちも知っていた。船で沖から陸に近づくとき、遠くではまず小さな山の頂から見え始めて、裾野は陸に近づいてこないと見えない。あるいは北極星の高度が北に行くほど大きくなることもある。こうしたことから地球は平ではないとわかる。 アリストテレス(紀元前384年~322年、子供の頃のアレクサンドロス大王(紀元前356年~323年)の家庭教師もやったことがある)はさらに、月食は地球の影の中に月が入ることによって生ずる現象であること、その影の縁の形がいつも丸いということから、地球は球であると確信した。 さらに時代を下り、マゼラン(1480年ころ~1521年)は1519年9月20日にポルトガルから出発し、西回りで世界一周を果たし、1522年9月6日にポルトガルに戻った。もっとも、マゼラン自身は1521年4月にフィリピンでの現地の争いに巻き込まれて死ん
4 原子力 化学エネルギーで生命を維持しているわれわれ人類が(地球型生物が)、本当に核エネルギーを制御できるであろうか。 4・2 ウランとプルトニウム (1) ウラン 自然界のウランは、おもにウラン235とウラン238という2種の同位体(原子核の中の中性子の数が違うだけで化学的な性質はまったく同じもの)として存在する。そしてその割合は、地球上のどの場所からとってきても、さらに太陽系のどの場所のウランでも、1:137.8(0.7%:99.3%)になっている。下の元素の起源を参照。 そして、核分裂の連鎖反応を起こすのは、自然界にはわずか0.7%しかないウラン235の方である。これでは濃度が低すぎるので、ふつうはウラン235の割合を高めて(濃縮して)利用する。軍事的な目的では、ウラン235の割合がほぼ100%近くまでになるまで濃縮するが、発電用では3%程度にまで濃縮したものを使う。ウラン235の
戻る このページのトップへ 目次へ home 1.断熱膨張と断熱圧縮 気体は膨張すると、冷やさなくても自然に温度が下がる。逆に、気体を圧縮すると自然と温度が上がる。外界との熱の出入りがない状態を断熱状態という。だから、気体は断熱膨張すると温度が下がり、断熱圧縮すると温度が上がるということになる。 気体が断熱膨張するということは、、エネルギー(熱)が与えられない条件で、外からの圧力に抗して体積を増やすということである。これは外に対して仕事をすることを意味する。つまり、自分自身のエネルギー(熱)を使ってしまうので、温度が下がることになる。断熱圧縮は逆である。 これを分子の運動を主体に見ると下のようになる。気体はそれを分子が、その温度に見合った速さでバラバラに飛び回っている。いま、シリンダーのピストンを引っ張るとそのピストンにぶつかった分子は、ピストンが引かれている速さの分だけ跳ね返ったあと
2.プルームテクトニクス 1950年代~60年代にかけて、地震計と地震学が発達したおかげで、地球の上部の構造はかなりよくわかってきた。地球の構造(1)、地球の構造(2)を参照。この結果、プレート(リソスフェア)というものが浮かび上がり、プレートテクトニクスに発展していった。 その後1980年代から地震波CT(コンピュータ・トモグラフィ)という技術が普及し始め、マントルの奥深くまでを“見る”ことが可能になってきた。その結果、マントル深部(マントルと核の境界付近)からキノコ状にわき上がってくるホット・プルーム、逆にマントル深部に落ち込むコールド・プルームというプルームの存在がわかってきた。こうして、地下数百kmまでのマントル上部の情報を元にして組み立てられていたプレートテクトニクスから、全マントルの情報をもとにしたプルームテクトニクスが組み立てられつつある。 まだ外核・内核の中はよくわからない
第2章 物質の起源 1. 素粒子 a.分子、さらに原子 “もの”をどんどん細かくわけていったとき、その“もの”の性質を示す最小の粒が分子である。だが、“もの”によってはさらに細かくわけることもできる。それが原子である。たとえば水の1分子は、2つの水素原子と、1つの酸素原子にわけることができる。だがこのようにわけてしまったら、これはもう水ではない。 原子は構造をもち、中心の原子核と、そのまわりに存在している(回っている)電子にわけられる。原子核は、水素をのぞけば、陽子と中性子からなっている。ふつうの水素原子の原子核だけは、陽子1つからなっている。 陽子は+(プラス)の電荷を持ち、電子は-(マイナス)の電荷を持っている。ふつうの状態の原子では、陽子の数と電子の数は同じなので、全体としては電荷を持たず、電気的に中性である。中性子はその名の通り、電荷を持たない。 陽子の質量は(1.6726215
4 原子力 化学エネルギーで生命を維持しているわれわれ人類が(地球型生物が)、本当に核エネルギーを制御できるであろうか。 4・5 放射能の危険性 (1) 放射能と放射線 物質が放射線を出すときに、その物質は放射能を持つという 。放射能を持つ物質は自然界にもごく微量存在しているが、原子炉を運転すると(原爆・水爆が爆発しても)、放射能を持ったさまざまな物質が大量に生み出されてしまう。つまり、核燃料(ウラン235やプルトニウム239)を核分裂させてエネルギーを発生させるためには、中性子(中性子ビーム)が必要だし、ウラン235やプルトニウム239の原子核が核分裂したときに、複数の中性子が発生する(そうでなければ核分裂の連鎖反応は起きない)。また、原子炉の中でウランなどが中性子を吸収してできるアメリシウムやカリホルニウムなどの元素も中性子を放出する。さらに、ウランやプルトニウムが核分裂して新しくでき
戻る このページのトップへ 目次へ home 1.大気圧 空気も“もの”である以上質量がある。そして地球上では質量があれば地球の重力によって引きつけられている。つまり大気も重力によって引きつけられ、地表を押す力(重さ)となる。これが大気圧である。厳密にいうと、圧力とは一定の面積(1m2)に加わる力であるので、大気圧も1m2に加わる大気の重さによる力ということになる。 この大気圧を目に見える形で示したのが、一時ガリレオ(イタリア、1564年~1642年)の秘書もやったことがあるトリチェリー(イタリア、1608年~1647年)であった。彼は、下のように長さ1mくらいのガラス管に水銀を満たしてからふたをして、同じく水銀を満たしたお皿にそのガラス管を逆さにしてたててた後、ガラス管のふたをはずすと、ガラス管の中の水銀はすっと下がり、お皿の水銀面からの高さ約76cmで止まることを示した(1644年
文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール構想を批判する 山賀 進 1.スーパーサイエンスハイスクール構想とは スーパーサイエンスハイスクール構想(注1)とは、文部科学省から学校として指定を受ければ、学習指導要領の枠にとらわれない理数系の科目を重視した教科課程(カリキュラム)を組める、またそのために1校あたり3,000万円程度の予算も付くというものである。文部科学省はとりあえず20校程度(今年度は26校)、将来的には100校程度を目標に、こうした学校をつくるようである。 その内容を簡単にまとめると、a.高校および中高一貫校(中等教育校)において理数系を重視したカリキュラムの研究をする、b.大学や研究機関との連携を探る、c.科学クラブなどの活動を推進する、というものである。 目的は「将来有為な科学技術系人材の育成に資する」(文部科学省)というものである。 なお、このスーパーサイエンスハイスク
第二部-2- 地球の科学 第1章 地震 3. 震源の分布(付録1) 世界の震源の分布を自分でつくってみる。なお、この方法は、京都大学理学研究科・地球惑星科学専攻・地球物理学分野 久家慶子氏のページ(2008年11月16日現在つながりません)で公開されていたものであり、氏の了解を得て引用している。なお、この方法のオリジナルは同大学環境学研究科の酒井 敏氏とのことである。また、ある程度のExcelの知識も必要である。以下の手順でできると思うが、どうしてもできないときは一番下のExcelファイルをダウンロードして実際に見ることもできる。
a.地震とは何か(弾性反発説) 1906年にアメリカ西部サンフランシスコ近辺で起きた大地震、とくにその前後の地殻変動を研究したリード(H.F.Reid、1859~1944)は、地震の原因説として「弾性反発説」を唱えた。その考えは単純で、下図のように断層(図の点線)をはさんで接している両側の岩盤を考える(a)。断層に力が加わり断層がずれ動くことによって、断層のところを境にして岩盤が歪(ひず)んでくる(b)。その歪みが岩石の耐えうる限界を超えると岩石は破壊され(c)、その衝撃が地震波として伝わる。これが弾性反発説であり、今日では地震学者の合意を得ているものである。地震が起きた瞬間、A点、B点、C点、D点は下図のように動く。A点とD点は断層(震源)の方に引っ張られ、B点とC点は震源から押されるように動くことに注意。 地震の原因となった断層を震源断層といい、それが直接、あるいはそこから派生した断層
第1章 天体(惑星)としての地球(2) 4. 天球 a. 天球とは(1) 星をちりばめた空を見ると、まるで大きな丸天井がわれわれを取り巻いているようである。この観測者(地球)を取り巻く大きな(仮想的な)丸天井を天球という。天体までの距離があまりに遠いので、肉眼ではその距離はわからない。だから天球はその距離を無視してある一定の距離で球を考え、そこに天体を投影したものである(下右の赤い星)。ようするにプラネタリウムの丸天井みたいなものである。われわれの地球は自転・公転という運動をしているわけだが、逆に天球を考えて、その天球がわれわれのまわりを回っていると考えることもできる。実際、昔の人達はそう考えていた。 戻る このページのトップへ 目次へ home b. 日周運動 恒星は星座を考えることができることからわかるように、天球上では相互の位置をほとんど変えない。だから恒星は天球に貼付いた模様の
3.脊椎動物の進化(1) a.脊椎(せきつい) ヒトもその一員である脊椎動物は、背中に脊椎(せきつい)という骨が通っていて、体を支えている。脊柱をつくる骨のことであるが、同時に脊柱を指すこともある。脊柱はいわゆる背骨で、骨と軟骨で中の脊髄を保護している。脊髄は脊柱の中を通っている神経の束で、頭部で膨らんで脳となる。 b.原索動物(げんさくどうぶつ) 脊椎動物の一番原始的な姿を連想させるのが、原索動物である。脊椎ではないが、脊索という支持器官が背中の神経管と平行に走っている。脊椎動物では、脊索はその周囲にできる脊椎や軟骨に取り囲まれて、脊柱内に痕跡として残っているのにすぎなくなる。 原索動物としては、ナメクジウオやホヤがいる。このような原索動物の化石は、カンブリア紀(5億4200万年前~4億8800年前)のバージェス頁岩(けつがん)から、ナメクジウオによく似ているビカイアというものが出てくる
戻る このページのトップへ 目次へ home 1.大気の大循環と地球の自転 地球のエネルギー収支をみると、赤道付近で熱の供給過剰、極地方で放出過剰となっている。そこで、熱が余っている赤道付近から、熱が足りない極地方へと熱が移動する。それを担う一つが大気である。もし地球が自転していないとすれば、それは単純に赤道で上昇して極で下降する大気の対流となる。地上では極地方から赤道に向かって吹く風、すなわち北半球では北風、南半球では南風となる。 しかし実際には地球は自転しているのでコリオリの力が生ずる。このために対流は3つのセルに別れてしまう。 まずコリオリの力の弱い程度では、赤道で上昇し、中緯度で下降する比較的単純な対流になっている。これをハドレー循環という。この対流により下降気流が降りてくる場所が亜熱帯高圧帯であり、雲が発生しにくいので、そこに陸があると砂漠地帯になっている。両半球の亜熱帯高圧
1 人口と食料 2010年の地球の人口は約70億人、しかもまだどんどん増え続けている。問題は、こうした人口を、この有限な地球が養っていけるかである。 1・2 食糧 (1) 地球の定員 1・1の(1)で述べたように、われわれヒトの生存のエネルギーも、もとをたどれば太陽エネルギーということになる。つまり、地表に降り注ぐ太陽エネルギーを、われわれが栽培している穀物がどの程度固定できるかで、基本的な地球の定員が決まる。 a 地表に降り注ぐ太陽エネルギー=170J/m2・秒 →1.5×107J/m2・日 (1cal=4.2J) b 耕地の面積は地球の表面積(5.1×1014m2)の3.0%=1.5×1013m2 c 穀物の光合成の効率=0.1% d 一人が1日に必要とするエネルギー=9.2×106J/人・日(2200kcal/人・日、1cal=4.2J) つまり、地球の定員=(a×b×c)÷d
1. 大気の変遷 a.酸素 はじめ、地球の大気には酸素がなかった。あるいはほとんどなかった。大気中の酸素は、生物が作り出し、それがたまりにたまってできたものである。現在の地球の大気組成は体積百分率で、ちっ素が78%、酸素が21%、アルゴンが0.93%、この3つでほとんどを占める。二酸化炭素は約0.03%程度とごくわずかでしかない。 生物とは無関係に酸素ができることもある。酸素は上空に昇った水蒸気が、太陽光の中の紫外線によって分解することによってもできる。だが、その量は大変に少なく、大気圧に換算して1hPa(1ヘクトパスカル、1Pa=1N・m-2、1気圧≒10万Pa、100Pa=1hPa(ヘクトパスカル)、だから1hPaは約10-3気圧)程度でしかない。現在の地球の大気圧は1013hPa、酸素はその20%なので200hPaもある。逆にいえば、こうした反応では現在の酸素の量の1/200程度しか
1. 全体の歴史 地球全体の歴史は下左(カラー部分)のように区分されている。顕生代(古生代、中生代、新生代)以降はおもに生物(動物)の進化の段階で区分されるが、先カンブリア時代の区分の指標について、またその時代については必ずしも合意が得られているわけではない。時代区分の絶対年代は研究の進展によって変わってくる。 ※ 国際層序委員会(ICS)の2021年7月版は下のサイトでダウンロードできる。またこのサイトは2021年5月版ではあるが、日本語バーションもダウンロードできる。 https://stratigraphy.org/chart ※ こちらの地質年代表も参照。 いずれにしても、46億年という長い地球の歴史の中で、大量の生物が住むようになった古生代以降の年月は5億4200万年(約12%)でしかない。ましてや、われわれヒトもその一員であるほ乳類が反映しているのは新生代のわずか最近の6550
a. 遠い地震の距離の測り方 震源からの観測点までの距離が遠いときは、震源からの距離は地表に沿って測ったり、この2点を結んだ直線距離で測ったりせず、震源-地球の中心-観測点がなす角度(角距離)で測る。たとえば、東京-マニラは角距離30°、東京-ニューヨークは角距離110°などといった具合である。 戻る このページのトップへ 目次へ home b. 地震波の影(シャドーゾーン) 震源から地震波(P波、S波)は、地球の中心に向かって凸の曲線を描きながら四方八方に広がって、地球全体に伝わっていく。ところが、震源から角距離103°以降にはS波が伝わらない。一方P波も103°~143°まで伝わらない。結局、震源103°~143°の帯状の範囲にはP波もS波も伝わらないことになる(表面波は伝わる)。この帯状の地帯を地震波の影(シャドーゾーン)という。 戻る このページのトップへ 目次へ home
第5章 恒星 6. HR図 ヘルツシュプルング(1873年~1967年、デンマーク)とラッセル(1877年~1957年、アメリカ)は、縦軸に絶対等級、横軸にスペクトル型をとり、そこに恒星をプロットして恒星の研究を行った。この二人の名の頭文字をとり、このような図をHR図という。 HR図 縦軸は上ほど絶対等級が小さい、つまり明るいということを示す。横軸のスペクトル型は左からO、B、A、F、G、K、Mの順、つまり左ほど表面温度が高いことになる。縦軸の目盛りは絶対等級の他、光度(太陽の光度を1とすることが多い)でもよい。また、横軸の目盛りはスペクトル型の他、恒星の表面温度や色でもよい。 HR図は、恒星の性質や進化の研究に欠かせないものである。 太陽は絶対等級5、スペクトル型はG型の標準的(平均的)な恒星であることが、上のHR図からわかる。 また、HR図の中では、右上の恒星ほど半径が大きく、左下の恒
最近では始祖鳥よりも古い時代の鳥類化石も報告されているが、きちんと確認されていないようである。 始祖鳥よりも少し時代が下った白亜紀の初期(約1億2500万年前)の時代になると、中国の河北省から孔子鳥や中華鳥などのはっきりと鳥類とわかる化石がたくさん出てくる。 いずれにせよ、鳥類はほ乳類よりは起源が新しく、恐竜の中の獣脚類(ティラノザウルスなど)から進化してきたらしい。羽毛恐竜などの発見により、鳥類と恐竜の差は小さく、鳥類は絶滅を免れた恐竜、恐竜の生き残りといういい方をする人もいる。 また、ダチョウやエミューなどの大型の飛べない鳥(走鳥類)は、他の飛べる鳥とは起源が違うという考えもある。ダチョウとワニの肉を食べたことがある。確かに、ダチョウの肉の味は、いわゆる鳥の肉の味とは違い獣の感じがした。ワニの肉の方は、鳥の肉と区別がつかなかった。部位によっても違うのかもしれない。したに、爬虫類から鳥類
a. 世界の地震 日本にいると地震はどこでも起きそうだが、そうではない。下図のように、おもに帯状の地域に起こっているのがわかる。これを地震帯という。目につくのは太平洋のまわり(環太平洋地震帯)、それと太平洋、インド洋、大西洋の真ん中、あとちょっと幅が広いが地中海からインドにかけて、さらにこれらと比べると数は少ないがアフリカ東部などに地震が多いことがわかる。 さらに下の震源の深さ100km以上のものを見ると、非常に限られた地域にしか起きていないことがわかる。地球中で一番深い地震が起こるのはトンガ・ケルマディック諸島付近で、最大700km程度のものも起きている。日本付近でも深い地震が起こるが、せいぜい600kmくらいまでである。ただ、深いといっても地球の半径6400kmとくらべれば、その1/9程度でしかない。 下の海底地形図で見ると、環太平洋地震帯やインドネシア方面は海溝になっている。この地帯
第4章 太陽系(1) 1.惑星(1) 太陽と、太陽のまわりを回る天体を総称して太陽系という。太陽を回る天体のうち、比較的大きなものを惑星という。太陽系の他の天体は、準惑星(dwarf planet)、太陽系小天体(small solar system bodies)、衛星となる。 従来はこれまでの慣習で、太陽に近い方から水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、めい王星(冥王星)の9つを惑星といっていた。ところが、観測技術の飛躍的な進歩により、めい王星以遠にもめい王星より大きな太陽系天体が見つかったこと、そもそもめい王星の軌道面が他の惑星と比べて大きく傾いていること、まためい王星は発見されころ推定されていたよりもかなり小さい(半径は水星の半分以下、半径も質量も月よりも小さい)ことが明らかになってきた。こうしたことを踏まえ、2006年の国際天文連合において、惑星の定義とめい王星の位
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