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近年、パソコンの周辺機器のなかで人気が高まってきた製品カテゴリの1つに、小型の高級キーボードがある。端的にいえば、高級なピアノのように、タイピングしたときの感覚が官能的とすら感じるキーボードだ。 外付けキーボードなのにテンキーがなく、モデルによってはファンクションキーも廃している。これって本当に使いやすいの?と思うかもしれない。確かに毎日のように数値データを入力している経理職には不向きだろう。 しかしメールやレポートといった文章、プログラムのコード、生成AIのプロンプト入力が業務の中心であるならば、キーの数が少ないこのキーボードでも事が足りる。そして一度操作に慣れたら、パソコンを買い替えても文字入力の感覚は従来のままでいられるといったメリットがある。 海外でも注目度が高まっているこの小型高級キーボードのなかから、お勧めのモデル3製品を紹介しよう。 小型高級キーボードの代名詞「HHKB St
日本銀行は2024年12月18、19日に開いた金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.25%で据え置くことを決定した。次の利上げ時期はいつなのか。そのタイミングをめぐってさまざまな臆測が飛び交う中、一部金融関係者の間で、ある話題に注目が集まりつつある。 日銀による「預金準備率引き上げ」の可能性だ。 日本では準備預金制度の下、金融機関が顧客から受け入れている「預金等の一定比率以上の金額」を日銀に預け入れることを義務づけている。この比率が「預金準備率」だ。 預金準備率の水準は預金区分やその残高によって異なるが、現状は各預金区分残高の0.05~1.3%程度となっている。この準備率を基に、日銀の当座預金に預け入れなければならない最低金額を「法定準備預金額」(または所要準備額)といい、これを超えて日銀に預け入れている金額を「超過準備額」という。 超過準備には政策金利と
2024年9月、最高裁判所である母親の訴えが退けられた。20年以上、ひきこもりの状態にあった長男を、問題解決をうたう民間業者の施設に入居させた松本わか子さん(仮名、85歳)。2年後、息子は熊本県内のアパートで独り亡くなっているのが見つかった。「大切に育てた子がなんでこんな惨めな死に方をしたのか」。ただそれだけを知りたいと、業者の元職員らを相手取り、裁判を起こしたが、願いはかなわなかった。 ある日突然、息子の死を知らされた 「息子さんが亡くなりました」 2019年4月のある朝、松本さんは民間施設「あけぼのばし自立研修センター」(以下、あけぼのばし)の職員の男からの電話で、長男悠一さん(仮名、死亡時48)の死を知らされた。施設からは親子が連絡を取ることを厳しく禁じられていた。一方で悠一さんは熊本の介護施設で働き始めたとも伝え聞いていた。いったいなぜ。しかし、松本さんが何を聞いても、職員の男の話
12月某日、都内の街頭ディスプレイに、十数台のスマートフォンが一斉に向けられた。数十秒の画像が流れる間、通行人は盛り上がる女性たちを避けながら通り過ぎていった。 これは「センイル(韓国語で誕生日)広告」の一場面だ。この日はK-POPアイドルの誕生日に合わせて、巨大な街頭ビジョンにお祝いの動画が放映された。広告枠を買って動画を流したのは、アイドルが所属する事務所ではなくファン。センイル広告が普及している韓国では、街頭ビジョンや地下鉄通路、バス停、ラッピングバス、コンビニエンスストアなど、あらゆる場所にファンが“推し”の広告を出している。 こうしたセンイル広告をファンが撮影してSNSで拡散していくことで、推しのお祝いムードは一段と高まる。数十人から資金を募ってK-POPアイドルのセンイル広告を出したことのあるファンダム(ファンたちのコミュニティ)のメンバーは「今年は韓国と日本でセンイル広告を出
牛丼チェーンのすき家と松屋が、12月半ばからイクラ丼を期間限定で販売したことで話題になりました。この件に関して記事を書く依頼がありましたので、筆者も実際に買って食べてみました。 今年(2024年)はサケの漁獲量が前年比で減り、国産のサケの価格が上がっています。サケの魚価が上がればイクラの価格もあがります。ところが、すき家も松屋もイクラ丼の価格は980円〜となっており、なぜ消費者に手が届きやすい価格で提供できるのでしょうか? 2社ともイクラの原料の産地は「非公表」としていますが、この価格を実現できたのは、国産のサケ(シロサケ)の卵(イクラ)ではなく、粒が少し小さい輸入品のカラフトマスの卵を使ったイクラを恐らく使用しているからではないかと考えられます。 イクラに限らず、サケ、サバ、シシャモ(カラフトシシャモ)をはじめ多くの国産水産物は、輸入品に切り替わっています。ところが水産物の需要は世界全体
国内の公共交通機関の乗り物としては15年前に“絶滅”した「ホーバークラフト」が、大分で復活されようとしている。 前編『絶滅危惧船「ホーバークラフト」大分で復活の理由 定期運航は世界で1カ所のみの"爆音"珍乗り物』では、ホーバークラフトが絶滅した経緯や大分で復活が計画されている理由を解説した。 後編となる今回は、「昔と今のホーバークラフトの違い」について検証していこう。結論から言うと「かなり別モノ!」だ。 従来のホーバークラフトは「爆音」 2023年9月、イギリスから1カ月かけて運ばれたホーバークラフトが、大分県大分市・田ノ浦ビーチに上陸した。 【2024年12月29日8時25分追記】初出時、田ノ浦ビーチの所在地について誤りがありました。お詫びして修正致します。 この際に、各地から集まったファンを驚かせたのが、1号機「Baien」の音だ。2009年まで運航されていたホーバークラフト(以下:旧
「妻が自身の使える金額を超えてグッズなどを買ってしまう。コンサートのチケットを当てるためにも膨大な時間を費やしているようだ」(群馬県・40代男性) 2024年11月から12月にかけて、東洋経済が行ったアンケート調査には、「推し活」についての生々しい意見が幅広い世代から数多く寄せられた。 何らかの「推し」がいるという人は30代以下の男女で3割を超え、50代や60代でも男女とも2割に近い水準に達している(博報堂「オシノミクスレポート」)。もはや推し活は若者だけにとどまらず、世代を超えた社会現象となっている。 日本におけるコンテンツビジネスの発展に詳しい中山淳雄氏は「『推し活』と同じような活動は1980年代からあるが、例えばアイドルグループの人数が増えたように、当時と比べて対象が多様化し、インターネットによってファン自身が直接コンテンツに参加できるようになったことが大きい」と解説する。 「沼落ち
なぜ、日本経済は停滞を続けているのか。それは、いわゆる「失われた30年」を総括せず、放置しているからだ。 日本の「失われた30年」はすべて「バブル」のせい 過去の失敗を分析して原因を明らかにすることをせず、ただ反省をしたふりを続けているからだ。 21世紀初頭には過去を「失われた10年」と呼び、それが「失われた20年」、そして今では「失われた30年」と名称を変え、分析も改善案も議論せずにいる。 政治家や官僚、あるいはどこにも存在しない誰か他人のせいにして、日本自虐論で、「やっぱり日本はだめだ」と、したり顔で言うメディア、有識者、政治家、そして近年では経営者たちも加わり、日本に愛想をつかすことが、自分がそのダメな日本とは違う人間、企業である、というアイデンティティの主張となっている。自分だけは違う「日本人」「日本企業」だというわけだ。 2025年、日本経済に必要なのは、「失われた30年」と彼ら
千葉県北西部に位置する流山市は人口増加率が高く、住みたい街ランキングなどで常に上位にランクインする都市だ。保育園の数も増やしてきたことから子育て世代にも人気であるとメディアで取り上げられることも多い。「市政は経営」という理念を掲げる井崎義治市長は、全国に先駆けてマーケティング課を市役所内に設置するなど「流山市発展の立役者」として高い評価を得てきた。 2023年の市長選では6選を果たし、外から見ると順風満帆に映る井崎市長だが、足元の流山市における観光政策で苦戦を強いられている事実はあまり知られていない。地元には井崎市長が誇る「マーケティング力」を疑問視する向きがある。 千葉日報は2024年5月、流山市にある第3セクターの経営状況に関して、次のように報じた。 「流山市の観光振興のため市が筆頭株主となり2020年に設立した第3セクター『流山ツーリズムデザイン』(NTD)が経営不振で約4800万円
校長の「合理的配慮? 何ですかそれは」の言葉に愕然 A氏は今年、複数の私立学校が集う都内の進学フェアに参加した。A氏の子は読み書きに困難がある学習障害で、高校受験を控えている。そのため入試や授業でどのくらい合理的配慮を受けられるのかを確認したかったという。 「私立は対応が手厚いと聞いていたのですが、4校のブースを回ったところ、ほぼ門前払いの対応でした。ある学校の管理職は『うちはそういう生徒を対象にしていない』と返答し、別の学校の校長は『合理的配慮? 何ですかそれは』と言葉自体も理解していない様子でした。今通っている公立中学校では合理的配慮に関して話し合いができていたので、私立学校のトップの認識に本当に驚きました」(A氏) こうしたケースは特別なことなのだろうか。学習障害の子を持つ母であり、読み書きに困難のある子どもの支援を行う一般社団法人 読み書き配慮 代表理事の菊田史子氏の元には、合理的
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