絶滅危惧船「ホーバークラフト」大分で復活の理由 定期運航は世界で1カ所のみの"爆音"珍乗り物

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ホーバークラフト
海面から砂浜に上陸するホーバークラフト。2023年9月に開催された「納入式」にて(写真:筆者撮影)

フェリーよりはるかに速く海上を疾走、さらに陸地まで走れる「ホーバークラフト」という船をご存知だろうか?

一般的な船と違い、ホーバークラフトは海面上を飛ぶように進むため、仕組みとしては飛行機にも近い。世界でも他に1カ所しか就航していないという、旅客船としてのホーバークラフト定期航路が、来年にも大分県でスタートする。

最高時速80Kmで「飛ぶ」

船体の下部につく黒いゴム状のものが「スカート」。この部分が膨らむ(写真:筆者撮影)

ホーバークラフトが「飛ぶ」秘密は、船体の下をぐるりと取り巻く「スカート」部分にある。

船の下部にあるファンから真下に空気を送ると、「バババッ!」という独特の音とともに、ゴム状のスカートが空気で膨らんでエアクッション状に変化、圧縮した空気を下方向に噴射して浮上。船体最後部のプロペラを回して推進力を得れば、最高時速80kmで海面の数十cm上を飛ぶように前進できる。

一方で、フェリーなど普通の船は、浮力で海水に浮かんで水面下のプロペラを回して進む。

水の抵抗を受けるため速度は約20ノット(時速40km弱)程度だ。おなじ船でも、海面に「浮かぶ」ではなく「飛ぶ」からこそ、ホーバークラフトはフェリーより圧倒的に速い。

しかも条件によっては、同様の速度で陸地も走れる。フェリーなら桟橋で降りてターミナルビルまで歩くような場所でも、ホーバークラフトならバスのように小回りを利かせて、上陸したうえで玄関近くまで運んでくれるのだ。

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