ダム建設の社会学 - 社会学徒の研究（？）日誌 “A quoi sert la sociologie ?”

ダム建設の社会学 - 社会学徒の研究（？）日誌 “A quoi sert la sociologie ?”

社会学　前原誠司国交相が、八ッ場ダム建設中止を明言したとのこと。僕は群馬の出身なので、子どもの頃...概要を表示 社会学　前原誠司国交相が、八ッ場ダム建設中止を明言したとのこと。僕は群馬の出身なので、子どもの頃からこのダムの問題には関心を持っていました。でも、地元の人間であっても、複雑な利害関係の絡み合うダム問題を理解するのはきわめて困難です。　八ッ場ダムではなく、佐久間ダムの問題を扱った研究ですが、ダム問題を戦後日本の開発主義の流れに位置づけ、近年の状況変化を丹念な調査で明らかにした社会学的研究があります。『開発の時間／開発の空間：佐久間ダムと地域社会の半世紀』です。地味な問題を綿密な社会調査によってアプローチした研究で、その情報量と分析の精緻さには圧倒されます。民主党政権になってダム問題が再び脚光を浴びている今だからこそ、こういう地味な良書が注目されて欲しいです。　マスメディアによって脚光を浴びた対象が、マスメディアによっては捉えきれない複雑さと奥深さのあることが自覚されたとき、『開発の時間／開発