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「初音ミク」といえば、ネットでは言わずと知れた歌声合成ソフト(ボーカロイド)だ。2007年8月31日にパッケージが登場したあと、動画共有サイトの「ニコニコ動画」(ニコ動)に初音ミクを使った動画が数多く公開されて一気に注目を集めた。そして、発売からもうすぐ2年経とうとしている今でも、衰えることなく作品の投稿は続いている。
そうしたボーカロイドムーブメントの火付け役となったクリエーターの一人が、今回インタビューした「ワンカップP」(わP)だ。
初音ミクをAmazon.co.jpで予約したのに発売日に届かない──。その嘆きを歌にし、初音ミク以前に発売されていたボーカロイド「MEIKO」に歌わせてニコ動に投稿したところ、すでに初音ミクを手に入れた別のクリエイターが動画で突っ込みを入れてきた。その歌に「わP」が動画で応戦して……という微笑ましいやり取りが人気を集めて、ニコ動内で一躍注目されるようになった(一連の流れは下の動画で見られる)。
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それ以降、自分の動画「子猫のパヤパヤ」を元にした絵本「こねこのパヤパヤ」(ローヤル企画)を手掛けたり、CD「名鉄パノラマカー メモリアルアルバム 〜ありがとさよなら〜」のCDジャケットを描くなど、ニコ動を飛び出した活動も行ないつつ、ボーカロイド作品も休まずに投稿してきた。
そんな彼が突然、4月30日に投稿した「もっとうたわせて 【初音ミク・MEIKO・巡音ルカ】」という動画で1年の休止宣言を発表する。ファンにとってはとてもショックな出来事だったが……。なぜかそれ以降も動画が投稿されている!?
なぜ休止宣言なのか? そして今もなぜ動画を投稿しているのか? 忙しい本人に無理矢理、取材を頼み込んで真相を聞いてみた。
仕事が忙しくなったから活動休止
── 突然、ニコ動で活動休止宣言をされましたが、その理由は何でしょうか?
わP:仕事が忙しくなるのが分かっていたからですね。この5月から1年限定で、多忙と言われてる部署に異動になったんです。
ニコ動で休止宣言を出したのは、やっぱりニコ動が活動場所だったからなんですよね。ブログやmixiに書くというのは何か違う。でも、ニコ動でメッセージを伝えるには、何か動画がひとつ必要になるんです。忙しくなったら動画が作れないだろうということもあって、ひとつ気合いを入れて投稿しました。
でも6月末くらいから仕事が「本気出してきた」という感じで、いよいよキツくなって来ています。