「テレパステレパス」や「アイシンクアンシン」など、ニコニコ動画のボーカロイド曲でお馴染みの若干PことKNOTS(ノッツ)さんが、初の一般流通アルバム「ヘルメンマロンティック」をリリースした。
アルバムにはボーカロイド曲は一曲もなく、シンガーソングライター「KNOTS」のベスト盤とも言える内容になっている。
KNOTSさんは山口県在住の宅録系シンガーソングライターで、これまでに自宅録音の自主制作盤を3枚発表している。またボーカロイドブーム以前からライブ活動も行なってきた。漫画も以前から描き続けていて、現在はpixivで公開しているマンガ「たくろく!」が人気だ。
彼の音楽の魅力は、なにより一度聴いたら忘れられない透明感のある歌声、そしてアタックの強いアコースティックギターの音にある。宅録作品では打ち込みのドラムなどを加え、ブランキージェットシティなどに通じるエッジの効いたサウンド、そしてスピッツを連想させる哀感のあるメロディと、コミカルでいて鋭く時にほろっとさせる歌詞が彼の作品を印象付けている。
今回のアルバムにはボーカロイド曲は一曲もなく、シンガーソングライター「KNOTS」としての作品だ。以前、ASCII.jpのインタビューで語っていた「自分自身の音楽活動もそろそろ再開したい」という意思を具体化したのが、このアルバムなのかも知れない。CDのジャケットやブックレットの漫画もKNOTSさん自身の手によるものだ。
そのKNOTSさんのアルバムと同日の11月25日に、初のメジャーアルバム「filmstock」をリリースしたのがbakerさんだ。彼はボーカロイドブームの黎明期に登場し、キャラクター先行で語られていたボーカロイドのイメージを、ポストロック系のスタイルで更新した「サウンド」など重要な作品を発表している。
bakerさんはKNOTSさんと同世代のミュージシャンで、実は4年前に横須賀で「対バン」したことがあるらしい。その後二人はボーカロイドを使い、偶然にも同じニコニコ動画で作品を発表するようになる。そしてLOiDレーベル※に参加するという形で邂逅を果たすことになった。そのお二人のインタビューを二週連続でお届けする。その初回はKNOTSさんを中心にお話を伺っている。
※ LOiD : 「クリエイターのためのクリエイターによるレーベル」を標榜するレーベル兼クリエイター集団組織。NTTとAVEXが共同で設立した、ハッチ・エンタテインメント株式会社の完全独立部門。
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