のどかな日吉の町並みに突如あらわれるカオスな異空間
「お寺始まったな」――。
ケータイ写真の共有サイト「携帯百景」に投稿されたそのひと言を震源に、ブログを中心としたクチコミで大きな波紋を広げている「お寺」がある。東京・西八王子にある、「松栄山 了法寺」だ。
了法寺は日蓮宗の寺院。実際に訪ねてみると外観そのものはごく普通で、どこにでもある寺院にしか見えない。だが、その入り口にある看板には、なぜかアニメ調のキャラクターがずらりと並ぶ。
看板には「ようこそ了法寺へ!」という快活なコピーが掲げられ、どこか異空間に迷い込んでしまったような錯覚におちいる。
よく見るとそれぞれのキャラクターには名前がつけられ、寺院の宗旨や寺院の施設について解説している。横にはQRコードまで用意され、ケータイの特設サイトにアクセスできるという凝りようだ。
ケータイサイトにアクセスしてみると、コンテンツを通じて実際の寺院施設が楽しめるようになっている。寺院がアトラクションのように感じられるのだ。しかし、実際にお寺の住職に話を伺ってみたところ、「私はコンピューターには詳しくないもので」という返事。
では誰がこの企画を立てたのかと聞くと、「檀家さんのお孫さんに、詳しい方がいらっしゃいまして」という。そこでイラストを描いたCG作家のとろ美さんと、企画を発案・プロデュースした「檀家のお孫さん」、三井一仁さんに直接お話を伺うことにした。
お詫びと訂正:掲載当初、三井一仁さんを「看板のデザインを担当」としていましたが、正しくは「企画の発案・プロデュース」の誤りでした。(2009年7月17日)