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OSTER project ロングインタビュー

初音ミクのCD「みくのかんづめ」は、愛から生まれた

2008年12月01日 11時00分更新

文● 広田稔/トレンド編集部

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初音ミク

初音ミク (C) Crypton Future Media, Inc. ALL RIGHTS RESERVED

 ニコニコ動画の「野生のプロ」が、また世の中に放たれる──。

 昨年の8月31日に発売されたボーカロイド「初音ミク」は、ニコニコ動画で一大ブームを巻き起こした(関連記事)。その立役者の一人が、OSTER project(OSTER)さんだ。

 オリジナルのキャラクターソング「恋スルVOC@LOID」を昨年の9月13日に投稿。「【初音ミク】みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」や「ハジメテノオト」など、他のクリエイターが公開したオリジナル曲とともに初音ミクの知名度を押し上げて、その人気を不動のものにした。

恋スルVOC@LOID

「恋スルVOC@LOID」の再生数は、原稿執筆時で104万4133回。日々、いくつもの動画が投稿されるニコニコ動画でも、100万再生を超える「ミリオンプレーヤー」は今のところ83個しかない

みくのかんづめ

OSTER Projectさんの曲をまとめたアルバム「みくのかんづめ」 (C) Crypton Future Media, Inc. ALL RIGHTS RESERVED

 OSTERさんは、その後も「Chocolate☆Magic -ドキドキ大作戦-」「ミラクルペイント」「RING×RING×RING」「trick and treat」といった作品を、ニコニコ動画に投稿し続けている。その多くが数十万回再生されており、ユーザーの手で「VOCALOID殿堂入り」というタグを曲に付けられるほど有名な「職人」なのだ。

 そうしたOSETRさんの人気曲をまとめたのが、3日に発売されるアルバム「みくのかんづめ」だ(Amazon.co.jp)。

 今回、OSTERさんとCDの発売レーベル「MOER」でディレクターを担当する原史顕氏に話をうかがったところ、数々の名曲はボーカロイドへの愛から生まれ、今回のアルバムも両氏の「相思相愛」から始まったという。以下、OSTERさんのひととなりやCDにかけた思いをお伝えしていこう。

※MSNメッセンジャーにて取材した元の雰囲気を出すため「(笑)」を「w」と表現し、顔文字やニコニコ動画内の隠語も一部残しております。


わずか3、4日で作った「恋スルVOC@LOID」

── まずはニコニコ動画を始めた時期から教えてください。

OSTERさん

OSTERさん

OSTER そうですねぇ、元からニコニコ動画は結構見ている方でした。βの初期、「レッツゴー!陰陽師」が投稿される前から見てましたよw

── 動画を投稿しようと思ったきっかけは何ですか?

OSTER 何でしょう、ニコニコ動画はすぐにコメントで反応が返ってくるシステムってのが斬新だと感じていました。投稿を始めたのは、自分の曲に対する周りの反応が見たかったっていうのが、一番の理由だったかもしれません。

── OSTERさんといえば、やっぱり「恋スルVOC@LOID」が有名です。初音ミク発売の前にもボーカロイドはありましたが、そうしたソフトで曲を作っていたのでしょうか?

OSTER いや。最初に買ったのはミクさんです。

── ボーカロイドに歌わせるのは意外に大変で、挫折する人もいると聞きます。初めてできちんと歌わせるのが難しくなかったですか?

OSTER いや、ミクさんが優秀なだけです!……って言えってミクに言われましたw

── ww 初音ミクの発売が8月31日で「恋スルVOC@LOID」の投稿日は9月13日です。発売直後に買って、あれこれ試していたという?

OSTER えっと、届いたのは恋スルVOC@LOIDをアップする3、4日前ですね。

── ってことは元々あった曲に3、4日でボーカル部分を足して調整をしたという感じでしょうか?

OSTER いや、曲も詩もその間に作っています。

── 本当ですか!? そんなにサクっと作ったとは。

OSTER やっぱり新しい技術を取り入れると、モチベーションがすごく上がりますからね。特に今回は楽器にしてはすごい個性的というか、キャラ的な感じだったので、インスピレーションがふつふつと沸いてきたんです。大切にいつまでも使ってあげたいのでそういう願いがああいう形で曲になったんだと思います。

── 何と言うか、愛にあふれてますな!

OSTER 愛がなきゃ何も作れませんw ミクさんへの愛だけじゃなく、色んな人を愛したり色んな人に愛されたり。そういう経験が自分の中ではとても大切なんです。もちろん恋愛的な意味だけではなく。

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