嫁両親も含めて、思いつきで回転寿司に行くことになった。
よくCMしている全国チェーンではなく、地域に数店の回転寿司だ。
行列は覚悟していたが、店に着くと案の定、入口には家族連れや観光客でいっぱい。
番号札を取って待合席で並んでいると、子どもたちがタブレットを奪い合って遊び、
やっと席に案内される。
この店、レーンは回ってはいるが、ほとんどの客はタブレット注文。
レーン上の寿司は“見本”のようなもので、人気ネタはほとんど直接レーンに流れてこない。
「お母さん、赤貝お好きでしたよね?」
「好きよ。じゃあ注文しましょうか」
タブレットで注文し、待つこと数分。
1貫ずつ分け合い、私はさっそく口に運んだ。
……ッッ!!!
一瞬、周囲の賑やかな声が遠のく。
(あ、これは……強烈だ)
横を見ると、義母も同じ顔。
二人とも無言で水を取り、一口。
「……これ、すごく辛くない?」
義母がそっと言う。
……ッッ!!!
一瞬、息が止まり、視界がにじむ。
「これ、辛すぎじゃない?」
一皿を完食したあと、苛立ちがじわじわとこみ上げてくる。
(わさび多すぎて味わえない寿司なんて、なんの意味があるんだ)
二人して涙目になるくらいで……普通こんな量は入れないですよね? 貝は少なめが一般的だって聞きますけど」
声のトーンは低め。
「この皿返すので返品でお願いできますか?」
店員は一瞬固まり、「……申し訳ありません。そのお皿分はお代から外します」と答えた。
なんとなくの知識で、注文したもの違う商品を受け取ったら、契約不履行であるのもテレビかネットの知識であった。
目的地まで届けることが出来なかったから契約不履行でここまで無料と言われた。
なので、多すぎるわさびも契約不履行なのでは?と思い、返品を申し出てみた。
義母は横で黙って見守っていたが、会計を終えたあと小声で言った。
私は肩をすくめた。
は???
大手の回転ずし屋はワサビ抜きでの提供だから、小さい回転寿司屋にいったのかな? もう少しちゃんと書かないとリアリティーが足りないよ。
> よくCMしている全国チェーンではなく、地域に数店の回転寿司だ。 すまん、冒頭にこう書いてたんだけど、書き方がまずかったか?? 昨日起こった実話ではあるんだけどね