2026-04-06

ナフサの供給は本当に大丈夫

問題点は、ひと言でいえば「総量の説明で、安定供給不安を打ち消そうとしている」ことです。数字を並べていますが、反論としてはかなり粗いです。

1. 総量と安定供給混同している

このコメントは、輸入ナフサ、国内精製分、さらに川中製品在庫まで合算して「国内需要4か月分」や「半年以上」と言っています。ですが、経産相会見でも同時に「供給の偏りや流通の目詰まり」が生じていると認めています。つまり日本全体の総量が足りることと、必要な品目が必要場所必要タイミングで届くことは別です。ここを一緒にしているのが第一問題です。 

2. 「ナフサの不足」と「ナフサ由来製品在庫」をすり替えている

報道側の論点が「ナフサそのもの供給6月ごろ危うい」という話なら、反論ポリエチレン等の在庫まで入れるのは比較対象がずれています東洋経済も、経産省説明の「4か月分」は川下在庫込みであり、ナフサ自体については別問題として整理しています。要するに、原料不足の懸念に対して、中間製品在庫を持ち出して“誤認”と断定しているわけです。 

3. 品目差を潰している

石油化学工業協会公式コメントでは、石油化学製品は「全体では2か月程度」、そのうち「ポリエチレンポリプロピレンなど主要製品」は3.5〜4か月程度の在庫とされています。つまり、3.5〜4か月というのは一部の主要製品の話であって、全部が同じ余裕を持っているとは言っていません。このコメントはそこを丸めて、「国内需要4か月分」と広く見せています。 

4. 前提が楽観シナリオなのに、結論だけ断定的

国内精製の継続」「中東以外からの輸入倍増」「川中製品の追加調達強化」は、どれも今後うまく回ることを前提にした見通しです。実現可能性やボトルネック調達コスト輸送制約、品目ごとの代替性はこの文面では示されていません。それなのに結論は「事実誤認」「そのようなことはありません」と確定口調です。根拠の開示水準に対して、結論の強さが不釣り合いです。

5. 政府自身説明より強く言いすぎている

石化協の公式コメントロイター記事表現は「直ちに供給困難となる状況ではない」です。これはかなり限定的な言い方です。一方、このコメントは「そのようなことはありません」「国民生活経済活動に影響を生じることのないよう」と、かなり強く打ち消しています。ですが、経産省自身が目詰まり対応や融通支援を進めている以上、“影響ゼロ”を示せているわけではないです。適切なのは直ちに全面停止ではないが、品目別・地域別の逼迫はありうる」という整理です。 

要するに、このコメントの弱点は、数字が全部ウソだというより、数字の使い方が雑で、結論が強すぎることです。

とくに問題なのは、原料ナフサの話に、川中在庫を混ぜて“報道は誤り”と断定している点です。ここがいちばん批判されやすいところです。

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