「朝鮮半島分断は日本の責任!?」 ~ もはや通用しない加藤登紀子の日本悪玉論
12月8日は日米開戦の日である。この日の真珠湾攻撃に関しては、「日本による姑息な騙し討ち」という評価が洗脳のように繰り返されてきたが、今では、時の米国大統領であったルーズベルトが、日本に「最初の一発を打たせる」ことを目的化し、その目的達成のために日本を締め上げたことは良く知られている。短絡的な結論付けと思考停止では、歴史を見ることはできないのだ。
そういう自虐史観に溢れていた日本は、インターネットの普及によってマスメディアの刷り込み能力に陰りが見え始めるとともに、より健全な日本への変わろうというその過程にある。ネットの情報は玉石混交であることは確かだが、それでも大手メディアの思惑を詰め込んだ報道は、我々が受け取る情報の一部でしかなくなった。メディアはネットを叩くことで存在感の維持に全力を傾けるが、そういう努力は以前ほど結果を左右しない。そして、その時代に取り残された人たちが逆にクローズアップされることになる。
その時代に取り残された人の代表例が、日曜日のサンモニに出演した加藤登紀子だろう。尹錫悦南鮮大統領が非常戒厳を発令したことをめぐり、寺島実郎が用意されたコメントを読んだあと、発言を振られた加藤は、こんなことを言い始めた。
続けてコメントする形となった加藤は「今日は太平洋戦争が始まった日なんですよね」と切り出すと「韓国の人たちの、祖国が2つに分かれた悲しさは、いつもズキズキするほど感じて。やっぱり、日本の戦争が始まったこと自体にも、今日は悔しい、というか、なんでなんだろうと、思わなきゃいけない日なんだろうと思うんですけど」と言及した。
さらに「私も大陸にいて終戦を迎えた者の1人として、日本の戦争が何で始まったのかよく分からない。しかも、どうしてこんなに終わらせることができなかったのか。終戦に持っていくプロセスが何もなくこの戦争が進んで、そして1945年の原爆投下、ソ連参戦というところまで戦争を引き伸ばした」と回想。「それがもしなかったら、もう少し早く戦争を終わらせていれば、戦後の世界はどう変わったのか、と思うと、まず朝鮮半島が2つに分断されることもなかったかもしれない。いろんな意味で、ちょっと責任を感じなくてはいけないと思うんですね」とした。
ずっと以前から極左的な発言を繰り返してきた加藤登紀子だからこそ、サンモニはコメンテーターとして彼女を呼んだのだろう。番組制作側の期待に違わぬ発言だが、言っていることは無茶苦茶。事実が捻じ曲げられるというレベルではなく、事実がどこにもない。
日本は戦前、朝鮮半島を統治した。しかし、日本の統治時代に南北が分断された歴史的事実はない。日本がそう画策した事実もない。南北朝鮮の分断に関して責任があるとすれば、それはソ連と米国である。敗戦国日本には半島分断に影響力を及ぼす余裕などない。こういう日本悪玉論は既に完全に論破されているはずだが、この番組ではまかり通り、誰もツッコもうとしない。
大東亜戦争の終戦へのプロセスは、日本はより早くから根回ししていた。「体制護持」を死守できれば敗戦を受け入れるというメッセージはステークホルダーの各国には伝えられていた。敗戦を引き延ばした主役級はやはり米ソだ。米国は原爆という究極の兵器の実験を広島と長崎でやるために終戦を遅らせ、ソ連は領土拡張と権益拡大のために日ソ不可侵条約を一方的に破棄して日本に攻め込んだ。そのくらいの事実、その気になれば学べる歴史だ。きっと加藤登紀子のイデオロギーが、学習を邪魔するのだろう。
結局、加藤登紀子は、話題のテーマだった戒厳令には全く触れず、発言の時間を「日本の戦争責任」というテーマにすり替えた。大東亜戦争を煽ったのは新聞やラジオというマスメディアだが、そんな責任はすっぽり抜け落ち、戦前戦中の政治体制だけが槍玉にあげられる。まさに、GHQが書いた筋書き通りだ。
やはり安定のサンモニである。健康にも精神衛生にもよろしくない番組だが、引き続きウオッチする必要大だ。
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