日本のメディアには「報道する自由」も「報道しない自由」も担保されている
国際NGO「国境なき記者団」の英国支部が今月3日、ロンドンで2024年の「報道の自由度ランキング」を発表したが、調査対象の180カ国・地域のうち日本は70位。前年68位から2つランクを落としたそうで、G7ではサイテーだったという。このなんとか記者団に何故日本のランクがそんなに低いのか尋ねたところ、「ジャーナリストが特定のテーマについて報道するのが難しいからだ」とし、「ジャーナリストがよりデリケートなテーマについて報道する自由に伝統の重みや経済的利益、政治的圧力が影響を与え、政府の責任を十分に問うことを妨げている」と上から説教をぶってくれたのだという。
確かにジャニーズ問題などは周知のことであったとはいえ、報道は遅れに遅れた。だがそれは、自由が制約されているわけではなく、自由という土壌がある中で、メディア側が単に自粛しているだけである。山本七平が「空気の研究」をという書籍を発表している通り、日本人には「空気をよむ」国民性がある。時に空気は世論や社会活動を制約するが、自由がないわけではなく、そんなことを理由にランクを下げらるのも困ったものだ。
さて、この70位というランクだけをとらえ、便乗し、「日本には報道の自由がない」と主張する輩が結構多い。それは恐らく、左派政党やメディアが報道の萎縮という根拠に乏しい主張をし、それを信じ込まされている連中が多いということだろう。メディアは巧みに、それを安倍長期政権の「安倍一強」という政治構造と一体化させ、「安倍政権下で報道の自由が歪められた」と叫び、パヨクがそれに呼応し、「安倍政権=報道圧力」という構図を完成させてしまう。ところが、安倍政権下で報道ステーションのMCを務めていた古舘伊知郎は、その構図と真逆なことを言っている。
古舘伊知郎、日本に報道の自由「ない」民主党政権時代「大臣クラスから直で番組に電話が…」 (日刊スポーツ)
古舘アナは日本に報道の自由があるかについて、「ない」とし、パネルに「民主党政権時代、大臣クラスからクレームが来た」と掲げた。
古舘アナといえば、04~16年まで、テレビ朝日系報道番組「報道ステーション」のMCを務めていたが、「09年に民主党が政権を取った以降の印象で言うと、結構大臣クラス、政治家から直で番組なりに電話がかかってきて『あのキャスター黙らせろ』とか、『すぐ謝罪しないと困る』とか言ってくる感じがあったんですよ。ええって思ってたんですよ」。
12年に自民党が政権を取り戻し、第2次安倍内閣となったが「自民党は3年間観察したと思います。ちょっと洗練された。第2次安倍政権から。全然、直で来ないですよ。番組や僕なんかに。(抜粋)
古館MC時代の報ステと言えば、安倍政権には極めて批判的なスタンスでの報道が多かった印象がある。そのため、SNSなどでは散々批判されたし、拙ブログでも何回もその報道姿勢を批判した。TBSの報道特集やNews23などと並び、彼らの反安倍は一貫していた。それでも番組MCを務める人物が、政権から注文が一切来ないと言っているのだ。
「帰りに日刊ゲンダイでも買って読んでみてくださいよ。全銭萎縮なんてしていないじゃありませんか」というのは、安倍政権のメディアに対する圧力に、メディア側が委縮しているというある種の陰謀論に、安倍総理が国会で答えた答弁であり、YouTubeで検索すればいくつも出てくる。メディアは自由を制限されているのではなく、GHQに飼いならされた頃に染み付いた自己検閲から抜け出せていないだけだ。それを権力側に責任転嫁するのはやめてもらいたい。
一方で、メディア側が行使する報道しない自由によって得をしている団体はある。安倍政権に激辛だったメディアの多くは、現政権に対しては甘すぎる。この、岸田内閣を追い詰めないという報道姿勢も、彼らの自由のひとつなのだ。
「国境なき記者団」の指摘に関しては、ひと言、「余計なお世話だ」を返しておけばよい。
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