屁理屈を名人芸にまで昇華させた朝日新聞

このところ、朝日新聞のネタしか書いていない気がするのだけれど、ことこの新聞に限って言えば、まずネタが尽きない。加えて、批判するモチベーションが倍増する(笑)。ちょっとぐらい体調がすぐれなくても、書かずにはいられなくなる。私も少々病的なのかもしれない。
朝日新聞に対する批判に火がついた8月5日、6日の検証記事だが、一面に掲げられた杉浦信之取締役の「慰安婦問題の本質 直視を」を読んで、「何故、こんなに堂々と屁理屈が書けるのだろう」と呆れてしまった。杉浦は、「慰安婦として自由を奪われ、女性としての尊厳を踏みにじられたことが問題の本質だ」と書いた。朝日新聞が「吉田氏が済州島で慰安婦を強制連行したとする証言は虚偽だと判断し、記事を取り消します」と書いたのは、同じ5日だ。つまり、朝日新聞の論説にには、この5日まで、吉田清治の証言は生きていたのだ。こんな文章、屁理屈以外の何ものでもない。
その屁理屈の種明かしは、元朝日新聞記者に任せるのが適切だ。別冊正論 Extra.12 「朝日新聞・NHKの大罪」の中で、元朝日記者である稲垣武氏と本郷美則氏、産経論説委員の石川水穂氏の3人が対談している。対談のタイトルは、「なぜ朝日の偏向報道はやまないのか」だ。この中で稲垣氏が、朝日の屁理屈について語っている。
稲垣 とにかく、朝日の社説でも論説の類ね。つまり、そういう事実に基づかないことを書くから、どうしてもそれをごまかす屁理屈ばっかり上達してくるわけよ。屁理屈のレトリックというのはいまや名人芸化している。でもどんな名人芸を尽くしても、どうしても自分に都合の悪いことがあるでしょう。そういうときは喧嘩両成敗にしてしまう。北朝鮮も悪いけど、それにちゃんと対応できない日本も悪いというわけ。喧嘩両成敗にしてしまうんだ。それが一つの例です。それもできないとなると、今度は言葉を失って黙っちゃうんだなあ。
本郷 叩いても揺すっても黙っている。いるじゃない、そういうやつさ。まったく卑怯だよなあ。
稲垣 都合の悪いことは絶対書かないんだね。初めから黙っちゃう。そういえば神戸で小学生の猟奇的殺人をやったA少年な。事件発生後の社説は冒頭で「言葉を失う」と書いてある。言葉が商売の論説委員が言葉を失ってどうするんだよと思ったよ。その後は例によって例のごとく、社会が悪い、社会が悪いと言っていたけどね。この屁理屈たるや、もう噴飯ものだよね。
つまり、慰安婦問題の本質は…と滔々と書いた杉浦信之の文章も、朝日新聞の企業風土が生んだ屁理屈なのだ。「言葉を失って黙っちゃう」というのは、産経が大スクープを掲載した昨年と今年元旦以降、今年8月5日までの朝日の沈黙、および、朝日自身の検証記事を掲載した5日、6日以降、同月28日に「慰安婦問題 核心は変わらず」を出すまでの沈黙だと考えれば、合点が行く。稲垣氏が言う“喧嘩両成敗”は、今回の場合、強制連行を広義の人権問題と相対化させた手法に通ずる。
こういう背景を考慮すれば、木村伊量社長が社員向けに出したメールに書かれた、「今回の記事は朝日新聞への信頼をさらに高めた」「理不尽な圧力に絶対に負けるな。とことん応援します」という文章は、屁理屈を通せという指令に取れなくもない。もっとも、こちらは開き直りと説明する方が適切かもしれないが。
朝日新聞は、32年前に「事実に基づかないこと」を書き、それ以来、それをごまかす屁理屈をこねくり回してきた。その屁理屈を経て、慰安婦問題は「強制連行」もしくは「強制性」の問題から「人権問題」にすり変わった。このまま彼等の好きなようにさせてしまえば、いま人権問題と言っている慰安婦問題が、今後どのような突然変異を起こすか、わかったもんじゃない。
慰安婦報道に関する検証委員会なんて作ってもダメだ。検証委員会など、紙面に逃げ口上を出すために組織するものだ。何せ、彼等は屁理屈を名人芸化するまで極めた連中である。屁理屈と同じく、逃走にも長けている。刑事告訴か、国会の証人喚問が相応しい。
文春によれば、朝日新聞は近々、「吉田調書報道」の検証記事を作る予定だそうである。産経や読売という論敵に留まらず、NHK、共同など、思想が似通ったたメディアにもスカンを喰らった朝日の吉田調書報道。今度はどんな屁理屈を繰り出すか、こうご期待だ。
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