”遠い飲み屋”を目指して 編笠山・権現岳周回 2日目
1泊2日で挑む編笠山・権現岳ハイク。
白山ハイクの後遺症(筋肉痛)が残る中、無事編笠山に登頂。
待望だった遠い飲み屋こと、青年小屋に訪れることができた。
ここまでの様子はコチラ
”遠い飲み屋”を目指して 編笠山・権現岳周回 1日目その1
”遠い飲み屋”を目指して 編笠山・権現岳周回 1日目その2
5時に起床。気温は1℃。夜明け前の東の空に富士山が浮かび上がっている。
昨夜は予想通り冷え込み、8畳間にたった1人なので余計に寒く感じられ、夜中何度か目が覚めた。
本来朝食開始は5時30分からだが、始まったのは6時。
どうやら寝坊されたようだが、1人で切り盛りされているので、かつての青年たちは誰も文句を言わず温かい眼で見守る。小屋主の竹内さんには内緒にしておきますね。
でもこのレポを見たらバレバレですが(笑)
スクランブルエッグが甘くて美味しく、しっかりお替りしました。
しっかりOPP対策を施し、最後尾で出発(7:09)
お世話になりました。また是非寄らせてもらいます。
編笠山の上空にも雲ひとつない青空が広がる。
そういえば4時頃、外で一服していたところ、ヘッデンをつけたハイカーが編笠山から降りてきて、小屋にも寄らずに権現岳に向かっていった。
今日は権現岳(2715m)に向かい、三ツ頭(2580m)を経由して観音平に周回する。
権現岳までは距離約1.4㎞、標高差約330mで、標準CTは1時間40分(YAMAPでは1時間20分)なので、目標CTは2時間に設定。
まずはシラビソ林の中を緩やかに進んでいく。
振り返ると、編笠山がドーンと鎮座。
”またこいよ!”と言ってくれてそう。
気温が3℃と手がかじかむので、ここで手袋を装着。
標高が上がるにつれ、背後には南アルプスの山並み。
右手(東)には富士山。
次第に傾斜が急になり、岩場を登っていく(7:47)
左手(西)が開ける地点では、昨日は全く見えなかった北アルプス。
稜線は標高約2700m地点まですっかり冠雪しており、槍ヶ岳(3180m)も望めた。
少し視線を南にやると、御嶽山(3067m)
中央アルプスの木曾駒ヶ岳(2956m)
北アルプスと比べて、こちら側は冠雪がほとんど見られない。
北西側には日本百名山の蓼科山(2531m)
7:54 ノロシ場(標高約2530m)
ようやく急登な岩場登りが終了。
かつて武田家の重臣高坂弾正(昌信)が狼煙(のろし)台を置いた場所とされる。
少し広くなっているのでここで小休止。
キャップから持参したヘルメットに換装。
本当に今日はいい天気だ。
やはり日頃の行ないが良いせいなのだろう(ウソ)
眼前に聳える西ギボシ(2640m)
ここからが権現岳へのルートの難所になる。岩壁を登るので、登山ポールを収納。
この辺りはヤセ尾根になっているが、慎重に歩けば問題ない。
西ギボシへの取り付き地点に差し掛かる(8:18)
一見、真っすぐ進むのが正しそうに見えるが、実は誤り。
左側のこの岩に描かれた薄い赤○に進むのが正解。
この赤○、本当に薄くて、事前に予習していないと見落とす可能性大。
赤○を見失わないように急斜面を登っていく。
鎖場のある岩壁も。
濡れていると滑りやすいので注意。また落石しやすいので石を落とさないよう注意するのと、先行者がいる場合ある程度間隔を置かないと危険。
今回小屋出発を最後尾にしたのも、こういう訳もあったんです。
8:36 西ギボシ山頂(標高約2640m)
小屋から1時間27分と標準CT(50分)より大幅に遅れたが想定内。
続いて東ギボシ(2700m)に向かう。
ギボシ(擬宝珠)とは、橋の欄干などの親柱に付いているタマネギ型の飾りのこと。
東ギボシはピークを目指さず、南側斜面をトラバース気味に巻いていく。
ここからがこのルートの核心部。
まずは斜面をトラバースしていく。
鎖がしっかりあるので、浮石に気をつけて進めば特に問題なし。整備されている青年小屋の方、ありがとうございます。
ここは一番の難所で、斜度50度以上ある急斜面を斜めに登っていく。
すれ違いは困難なので、ハイカーの姿が見えたら手前で待機しましょう。
幸運にも誰とも出会わなかった。
なんとか東ギボシの肩に到着(8:58)
ようやく緊張を緩め小休止。
”よく頑張ったな” by富士山
”やればできるじゃん” by南アルプス
”まだまだ気を緩めるなよ” by赤岳
”・・・・” by蓼科山
さて、権現岳へのビクトリーロードを進もう(9:08)
権現岳から赤岳に続くキレット縦走ルート。
私が足を踏み入れることはまずないだろう(笑)
9:12 権現小屋(標高約2675m)
青年小屋と同じ経営だが、今年も休業中。反時計回りの場合は宿泊に便利だが、健脚者は日帰りがほとんどで泊まらないし、1泊2日プランの場合時計回りが多いので青年小屋に泊まるはずで、微妙な位置にある。
9:16 キレット縦走路分岐(標高約2699m)
昨日小屋で一緒になった展望荘の女性は、ここから赤岳に向かうと言っていた。
山頂直下の灌木が、何やらキラキラ光っている。
よく見ると水滴で、おそらく昨夜この付近は氷点下になって霧氷が付き、日差しで溶けたのだろう。
9:23 権現岳山頂(標識)(標高2701m)
タイムは2時間14分(標準CT1時間40分)と、目標(2時間)少しオーバー。
正確には山頂はこの岩を登った先だが、設置困難なのでここに標柱がある。
9:26 権現岳山頂(標高2710m)
少し強い風が吹いておりこれ以上は危険と判断したので、ここを山頂としよう(笑)
日本百高山(第88位)で、編笠山とともに山梨百名山。
なおこの権現岳で通算300座(累積は951座)を達成しました。
山頂南側の大岩の下にある檜峰(ひみね)神社奥宮
祭神は八雷神(やくさのいかづちのかみ)と磐長姫(いわながひめ)
古事記によると、八雷神は伊邪那美命(いざなみのみこと)が死んで黄泉国(よもつくに)に居た際に、その身体に纏わっていた八頭の雷(蛇)神(大雷、火雷、黒雷、折雷、若雷、土雷、鳴雷、伏雷)とされる。
磐長姫は大山津見神(おおやつみ)の娘で、富士山の女神木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)の姉。姉妹とも天孫の能邇邇藝命(ににぎのみこと)に嫁いだが、磐長姫が醜かったので送り返され、この結果天孫(皇室)の寿命が短くなったとされる。
行動食で栄養補給し、下山開始(9:48)
権現岳山頂直下にも鎖場がある。
大岩を巻き込むように鎖が垂れており、後半が見えないので下りの場合少し恐怖感を感じる。
濡れていると滑りやすいので、下りは特に注意。
五輪駆動(両手両足+お尻)を駆使して慎重に下る。
次に目指す三ツ頭(2580m)の先には富士山。
この付近は目印が少なく、下りでは道に迷いやすい箇所もあるので注意。
権現岳と三ツ頭間の鞍部(10:25)
鞍部から三ツ頭への登り返し。
10:44 三ツ頭(みつがしら)(標高2580m)
権現岳から56分(標準CT45分) ここで小休止。
山頂には経典を埋納したとされる経塚と石碑がある。
経塚の先には左から、東ギボシ、権現岳、阿弥陀岳、中岳、赤岳が遥拝できる。
古来より信仰の山とされているのがよく分かる。
もう岩場はないようなので、ヘルメットを外す。
ここから先はひたすら下るだけ(11:05)
11:08 天女山コース分岐(標高約2555m)
左に進むと前三ツ頭(2364m)を経て、天女山コース。
観音平には木戸口公園側へ。
編笠山裾野の見事な紅葉。
急坂を慎重に下っていく。
再び視界が開けると、南アルプスと中央アルプスの山並み。
12:01 木戸口公園(標高約2223m)
三ツ頭から56分(標準CT50分)
公園となっているが、開けているだけで特に何もない(12:11)
編笠山と青年小屋。
眺めは良いのだが、なかなか標高が下がっていかない(-_-;)
12:24 旧ヘリポート跡(Hanaベンチ)(標高約2130m)
かつてはヘリポートだったようだが、現在はグリーンのベンチが1つあるだけ。
通称Hanaベンチと呼ばれ、背もたれに骨型のプレートが付いている。
Hana 2004-2021 Paw prints on many hearts and mountains
(多くの人たちの心や山々に足跡を残したハナ(2004-2021))
ハナちゃんは今もこの景色を見ているんだね。
植生が変わり、クマザサが目立つ様になってきた(12:45)
13:01 雲海(標高約1873m)
こちらにも雲海という地点がある。標識にあった延命水は分からなかった。
13:20 ベンチ(標高約1770m)
ここで最後の小休止。このルート、下りは長いとは聞いていたが、本当に長い…
黄葉が目に眩しい。
クマさんに出会わないよう、時折大声を出して下っていく(13:31)
”長いぞー このバカ尾根は!合流点はまだかー”
13:41 八ヶ岳横断歩道合流点(標高約1588m)
ここが三ツ頭コースの実質的な登山口。権現岳から3時間53分(標準CT3時間)で、後遺症(筋肉痛)にも見舞われず降りられた。
ここは十字路になっており、観音平へは右(八ヶ岳横断歩道)へ。
八ヶ岳横断歩道は観音平から美し森(大泉町)までの八ヶ岳の裾野を結ぶ、
全長約16㎞のトレッキングコース。
天女山コースを降りてもこの横断歩道を利用すれば観音平に戻られるが、
10㎞以上余分にかかる(-_-;)
総じて歩き易い路面で、岩畳が敷かれた場所も。
緩やかな登りに差し掛かるが、疲れた身体には堪える。
登れば当然下るのが道理(笑)
この階段、歩幅と段差が私に合うので歩き易い。
でもあんまり下り過ぎないでね。
14:01 分岐(標高約1525m)
観音平へは直進し、沢側にさらに降りていく。
涸沢(標高約1512m)を渡って対岸へ(14:03)
普段は水は流れていないようだが、天候によっては渡渉する必要があるので注意。
予習して分かっていたが、観音平までの登り返しが待っている(-_-;)
東屋が見えてきた(14:20)
14:21 編笠山・権現岳観音平登山口(標高約1566m)
権現岳から4時間33分(標準CT3時間35分)で、目標CT(4時間40分)通り。
2日間歩いた編笠山・権現岳を眺めながら、帰宅の途につく。
クイズの答えは13回でした。正解されても何もありませんのでご容赦を(笑)
☆今回歩いたコース☆ (クリックすると拡大します)
やっぱり、山っていいね!
編笠山(2524m)、西ギボシ(2640m)、権現岳(2715m)、三ツ頭(2580m)
累積標高差(TOTAL) ↑1478m ↓1479m
累積標高差(2日目) ↑594m ↓1339m
行動時間(2日目) 7時間12分、うち休憩時間 1時間18分
出会った人(2日目) 30人ぐらい 出会った動物 なし
2023年:77・78・79・80座目
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