YAMAGUCHI::weblog

噛み付き地蔵に憧れて、この神の世界にやってきました。マドンナみたいな男の子、コッペです。

YAMAGUCHI::weblogの2024年を振り返る

はじめに

こんにちは、AWSデベロッパーアドボケイトをしているものです。2024年も最終日となりました。私の誕生日でもあります。

www.amazon.jp

過去の年次の振り返りはこちら。

ymotongpooの2024年

去年立てた目標

  • コミュニティ関連
    • OpenTelemetry meetup とかハッカソンとかやっていきたい
    • Go Conference 2024は久々のオフライン開催なので無事に行う
  • 執筆・翻訳・監訳
    • 1冊は翻訳本を出す
    • 同人でもいいので何かしら書き下ろしたい
  • 趣味
    • キャンプでハンモック泊やタープ泊などの軽量キャンプに行く
    • 普通二輪の免許を取得したらツーリングキャンプに行く
    • グリル料理を覚える
  • 語学

コミュニティ関連

OpenTelemetry

opentelemetry.connpass.com

OpenTelemetry meetupは運営スタッフが増えたことや、イベントの間隔も3ヶ月に1回とかなので、2024年もなんだかんだで3回実施できました。これも会場を快く提供してくださる企業のみなさまのおかげです。大変ありがとうございます。このイベントの外でもOpenTelemetryが話題にのぼることがだんだんと増えてきて、OpenTelemetryがかなり普及してきたように感じます。

これまでは初歩的な内容が多かったように思いますが、2025年はより実践的な内容が共有されることが増えるだろうという期待があります。このイベントも継続して楽しくやっていきたいですね。

opentelemetry.io

それと並行して、OpenTelemetryのドキュメント翻訳プロジェクトが立ち上がったので、approverとして関わっています。OSSはドキュメントのあるなしで大きく普及度合いが変わってくると思うので、なるべく多くのコンテンツを翻訳できればと思っています。日本語化に興味がある方はぜひお声がけください。こちらもご参照ください。

ymotongpoo.hatenablog.com

Go Conference 2024とかGoコミュニティとか

Go Conferenceの主催が3代目の @sivchari さんへとバトンタッチし、新たなフェーズに入りました。新型コロナ禍からオンライン開催に移行していましたが、Go Conferenceは今年からまたオフライン開催が復活しました。素晴らしいスタッフの方々のおかげで大きな問題もなく開催されました。

大盛況のスポンサーブースエリア

歴代主催者での記念写真

今年はついに2013年から参加していたGo Advent Calendarに参加せずに1年が終わりました。今年は転職したこともあり、また別のアプローチでGoのコミュニティへの貢献などを増やしたいと考えています。

執筆・翻訳・監訳

今年は2冊の翻訳書籍を出版できました。これらの書籍はかなり内容的に思い入れのあるものだったので、翻訳に携われて本当に良かったです。

ymotongpoo.hatenablog.com

ymotongpoo.hatenablog.com

書き下ろしの執筆に関してはまったくできませんでした。年初には年後半にできればいいかなと思っていたんですが、まさか思いもよらず転職することになったので、年後半の予定がまったくもって想定していたものと違ってしまいました。

趣味

バイク

去年の振り返りを書いている段階ではまだ普通二輪免許も持ってなかったのですが、その後無事に年明けすぐに普通二輪免許を取得しました。その後、レンタルバイクで友人とツーリングに行って最高だったのと同時に、現状だと400cc付近に良いレンタルバイクの選択肢がなかったことと、排気量制限が鬱陶しくなったので、2月から4月頭にかけて大型二輪の教習にも通い、こちらも無事に免許を取得しました。

というわけで、今年前半は免許の取得からツーリングなどで趣味としてバイクに乗る時間が非常に多くありました。レンタルバイクや友人から次の車種を借りて、さまざまなバイクを試してみました。乗った順に並べるとこんな感じ。

  • Honda GB350
  • Honda 400X
  • Honda GB500TT
  • Ducati Streetfighter V2
  • Ducati Streetfighter V4S
  • Yamaha XSR700
  • Yamaha MT-07
  • Honda CB650R
  • Ducati Streetfighter V4SP
  • Honda CB650R(2回目)
  • Honda XL750 Transalp
  • Honda CBR650R E-clutch

そして友人である先輩が処分するというので、本当に旧車とは思えないくらい乗りやすかったGB500TTを安く譲ってもらいました。まさか初めて持つ125cc以上のバイクが旧車、それも1985年製のものになるとは思いませんでした。500ccということで、新車発売当時に同時に400ccモデル(GB400)も出ていたこともあって、日本国内にほとんど流通していない!しかもかなり古いので純正部品はまず手に入らない、なかなかメンテナンスが難しいバイクではありますが、バイク人生においてビッグシングルのキャブレター車を所有した、というのは良い経験になっていると思います。

譲り受けた時点で、前々オーナーがかなりいじった状態のままでフェンダーレスになっており、ナンバープレートステーとテールランプが単気筒の振動でかなり経年劣化してて、ツーリング中にいきなりもげてレッカーする羽目になったのはいい勉強になりました。(いまは新しいものに付け替えたのでしばらくは大丈夫)

レッカー車を山の中で待っていたとき

また、いまホンダで二輪開発の最前線にいる後輩含めて、研究室の世代が近いOBたちでツーリングに行けたのは楽しかったです。朝7時から夜11時まで、1日中雨の中のツーリングはしんどかったけど、それでもかなり楽しいツーリングでした。普段はソロツーリングが多いけど、気の合う人たちとのマスツーリングは楽しいですね。そんな後輩が開発を主導したE-clutchが搭載されたCB650Rを先日注文もしました。来年春には納車されます。

GB500TTを維持するか、それとも乗り換えるか、駐輪スペースの都合もあるのでめちゃくちゃ悩んでいます...*1

ツーリングキャンプ

たまたま1人で動ける時間があったので、11月半ばに初めてのツーリングキャンプに行ってきました。

初めてのツーリングキャンプなので、遠くを目指さず下道で行ける範囲、かつ積載量を加味してハンターカブでテント泊してきました。ハンターカブの積載力は本当にすごくて、リアキャリアだけで余裕を持ってキャンプ道具が積めてしまいました。真冬に行くとなると更に嵩が増しますが、そうだとしてもこの装備で考えると寝袋が厳冬期用に替わるくらいなので、余裕を持って行けそうです。

リアキャリアにてんこ盛りに載せたらスタンド1つだと転倒しかねない感じになったので、サイドスタンド2個にしたり強化しないといけないなと考えています。

転職

10月末に13年半勤めたGoogleを退職し、11月からAWSに勤務しています。

ymotongpoo.hatenablog.com

ここ何年かは、自分の興味による理由ではなく、他の要因でキャリアが決まってくることが多くなってきて、今回もそういった事情での転職でした。前職と現職で感じたのは、どんなに大きな組織にいても、身近な権限を持った人間の振る舞いが自分の身の回りに大きな影響を及ぼすということです。そういった意味では現職のマネージャーとディレクターには今のところ恵まれています。会社が変わると丸ごと文化も変わる上に、オンボーディングがかなりきっちり組まれているので、来年2月くらいまではそのキャッチアップで結構時間が取られる感じになっていて、少し焦りを感じています。

また新しいコミュニティに入るということで入社前は緊張していましたが、今のところAWS JapanやJAWS-UGのみなさんが温かく迎えてくださって、大変ありがたく感じています。JAWS-UGには、これまで得た知見を共有することでの貢献から始めていければなと思っています。一方で、AWSとしてJAWS-UG以外のコミュニティイベントへの支援もする、というのが今回の転職での私への期待として挙がっていたので、こちらはこちらで去年までと同様に関わっていければと思います。

1つ懸念点としては、日本ではコミュニティイベントが週末に開催されることが多く、家庭の事情を考えるとどうしても選択して参加せざるをえないということです。これから平日開催のイベントが増えることを期待しています。

語学

スペイン語は相変わらずDuolingoを淡々と続けているんだけれども、他の言語はスペイン語を継続するために辞めてしまいました。日常で使う機会がないとモチベーションを維持するのが難しいものです。

スペイン語のほうはなんだかんだで世界中で話者が多いので、使おうと思ったらまだ機会があるので維持できています。先日もre:Inventで南米から来ていた参加者たちとちょっとした会話をする機会がありました。

先日読んだ、尊敬するKazu Languagesさんの著書で書かれていた語学習得法の中で、自分が前から気になっていたPimsleurがおすすめとして書かれていたので、始めようか迷っています。(サービスを始めるとなると1日30分を必ず確保しないといけない)

来年に向けて

  • コミュニティ関連
    • JAWS-UGへの貢献
    • OpenTelemetry meetup の活性化
    • Goコミュニティへの新しい貢献
  • 執筆・翻訳・監訳
    • 書き下ろし
  • 趣味
    • ツーリングキャンプをもっと
    • グリル料理を覚える
  • 語学

*1:GB500TTに興味があるよ、という方はご連絡ください

OpenTelemetryの公式ドキュメント日本語化プロジェクトのメンバーを募集しています

はじめに

こんにちは、AWSデベロッパーアドボケイトをしているものです。この記事はOpenTelemetry Advent Calendar 2024の最終日の記事です。現時点で何日か穴が空いてるので、代打で書きたい方がいたらぜひご参加ください。去年の記事みたいなゴリゴリの内部実装みたいな話を書こうとも思いましたが、OpenTelemetryの盛り上がりを来年以降も継続するためにメンバー募集をしたいと思います。

宣伝

唐突に宣伝ですがOpenTelemetryの概念を理解するための入門書として『入門OpenTelemetry』という書籍が来月末に発売されます。

"Learning OpenTelemetry"の翻訳書です。ぜひ予約してください!

OpenTelemetry公式ドキュメントの翻訳プロジェクト

去年の6月にOpenTelemetryの公式ドキュメントの翻訳プロジェクトが密かに始まり、8月に正式にプロジェクトとして大々的に公開されました。

opentelemetry.io

現在、翻訳が進められている言語として、日本語、中国語(北京語)、スペイン語ポルトガル語、フランス語があります。進捗は言語によってまちまちですが、公式ウェブサイトの画面右上にある言語メニューを選択することで各言語のドキュメントを確認できるようになっています。

実際に上のアナウンスが日本語化されたブログ記事がこちらです。

opentelemetry.io

参加方法

私は母国語で公式ドキュメントが読めるというのはユーザーの拡大において非常に大切なことだと思っています。これを実現するには多くの人手が必要なのですが、今のところ日本語化のコントリビュートは4人からのみで、そのうちほとんどが私が翻訳したものになっています。しかし最近転職とかもあったので、私がほぼ稼働できていません!この火を途絶えさせないためにもぜひ参加メンバーを募集したいと思います。

コントリビュートの方法に関してはこのページに書いてあるので、面倒ではあると思いますがまず上から読んでください。(特にTranslation Guideのところが大事です)

opentelemetry.io

サンプルとして、 open-telemetry/opentelemetry.io にある既存の日本語版を見てもらえればと思います。

github.com

pull requestを作っていただけると、 @open-telemetry/docs-ja-approver になっている人々(現状日本語話者は私と @katzchang )がレビューしてからマージという流れになります。

github.com

pull requestがいくつかマージされると、上のGitHub teamに登録される流れとなり、晴れてapproverになれます。

気後れする方へ

とりあえずどんな感じなのか気になっているけどいきなりpull request作るのは気後れしてしまうという方は、ぜひOpenTelemetry翻訳プロジェクト関係者が集まるチャットに参加して気軽に話しかけてみてください!

まず公式はCNCF Slackの #otel-docs-localization チャンネルです。ここでは翻訳プロジェクトに関わっている世界中の主要なメンバーが全員揃っている上に、なんとまだいまは人が少ないので非常にカジュアルに会話できるという、大変オトクなチャンネルになっています。

cloud-native.slack.com

しかし「やり取りを英語でするのはちょっと・・・」という方向けにもおすすめの場所があります。それが古に作った「Observability Japan」という怪しいDiscordサーバーの #otel-docs-ja チャンネルです。

discord.gg

このDiscordサーバーですが、いまは OpenTelemetry meetup の開催直前になるとちょっとだけ盛り上がるだけという、かなり過疎なサーバーですが、質問などがある場合はすぐに反応があります。

このチャンネルは元々はOpenTelemetryの仕様が1.0になる遥か前に勇み足で日本語化を始めた際に、連絡用に作ったチャンネルだったのですが、公式な翻訳プロジェクトの開始に伴い、元々の日本語化プロジェクトのレポジトリはアーカイブとなりました。

github.com

ぜひお気軽にご参加ください!

やらないといけないこと

すでにプロジェクトは始まっているので、淡々と翻訳していくだけなのですが、記事の翻訳をするにともなって、副次的に次のようなことも課題として挙がっています。

  • 訳語の統一、およびそのブレの自動化
  • 言語間で差異が出ている見出しの順序の統一

方針などは議論しながら進めていければ思いますので、興味を持たれた方は上のSlackや、私のTwitter DMなどでご連絡ください。

おわりに

宣伝もしたとおり『入門OpenTelemetry』も出ますし、来年はOpenTelemetryがますます飛躍する年だと思います。ぜひ一緒に盛り上げていきましょう!

それではみなさん良いお年を!

Googleを退職します

こんにちは。Google CloudでオブザーバビリティやSREを担当していたエンジニアです。明日でこう名乗るのは最後になります。明日、2024年10月31日付でGoogleを退職します。

かしこまった挨拶

Googleに入社してから10年目までの話は次の記事で一旦まとめているので、改めて振り返ることはしません。

ymotongpoo.hatenablog.com

上の記事を書いたのは新型コロナ禍真っ只中で、カンファレンスなどもみなオンラインばかりで、人とのつながりがなかなか難しくなったころでした。その後、ワクチン開発や発症後の処置方法の確立、新型コロナウイルスの5類感染症への移行などがあり、オンラインからオフラインへの移行が再び起こりました。Google Cloud Innovatorsも立ち上がり、上記の記事の後の数年はこのコミュニティの活性化を大きな柱として仕事をしていました。

そして、唐突に退職に至ったわけですが、これも仕事が嫌になった、とか、評価が悪かった事による解雇とかいった理由ではなく、諸般の事情(主に家庭)から諸々検討した結果、そうなりました。13年半勤めた会社をこのような形で退職することになるとは思いませんでしたが、逆にこういったことがないとずっとGoogleで働いていたと思います。入社時と比べると企業の大きさは社員数で見ても8倍以上*1、売上高では10倍以上*2となりました*3。在籍中にはCEOが3回変わったことも含め、企業の文化も大いに変わったところもあり、残念ながら多くの良いと思っていた文化が失われました*4。しかし、依然として社員として働きやすい企業であることには変わりません。技術インフラも素晴らしいものが多く、いまのところまだ世界の先端をゆくものも多く見られます。

社内で仕事をご一緒した同僚も素晴らしい方々ばかりでした。職務上、開発、マーケティング、営業、技術営業、法務、PR、コンサル、サポート*5といったさまざまな職種の方々とご一緒する機会が多くあり、さらに自分の場合はそれが複数の製品においてありました。曲が強い人、いつでも穏やかな人、情熱ほとばしる人、信じられないほど思慮深い人など、みなそれぞれに個性的な同僚ばかりでした。振り返ってみると、こういった一人ひとりがGoogleの強さであると、あらためて感じています。国内外問わず同僚という枠を超えて多くの友人ができたことはかけがえのない財産です。

また社外の多くの方にもお世話になりました。YouTubeではコンテンツホルダーのみなさまと、Partner Developer Relationsでは初期採用事例として実装に協力してくださった企業の方々と、Cloud Developer Relationsではさまざまな顧客企業の方々と多くの関わりがありました。多くの場面で実際の利用者の視点からの製品フィードバックをいただき、ときには懇親会でざっくばらんなお話をしたりと、大変親しくさせていただきました。

コミュニティのみなさまにも大変お世話になりました。多くの技術カンファレンスに登壇する機会がありましたが、登壇者として、参加者として、スポンサーとして、多くの方々との関わりがありました。Google関連コミュニティも大変楽しく関わることができました。Google Developer Groupの皆様にはイベントで各地域にお邪魔した際に大変良くしていただきました。Google Developer Expertのみなさまには月例のミーティング、あるいは全然テクノロジーが関係ないBBQといったアクティビティなどで親しくしていただいたとともに、さまざまイベントでのみなさまの登壇やオンラインでの発信からは多くのことを学びました。何気ない会話が私の業務に生かされたこともたくさんありました。Google Cloud Champion InnovatorsのみなさまにはGoogle Cloudの多くのイベントでお世話になりました。これからもCloud Innovatorsの発展を楽しみにしております。

Googleという会社は、ご存知の通り、とんでもなく多角的な事業展開をしている企業です*6

これらすべてを行っている企業は2024年現在、ビッグテック/ハイパースケーラーと呼ばれる企業を含めても他に存在しません。そのような企業で、しかも各ビジネスが成長する中で、それを傍らで見ることが出来たというのは非常に幸運なことだったと感じています。特にGoogleにおいてDeveloper Relationsという部署は、常に各種製品の開発チームと関わりながら、ときには一緒になって開発を行うことができる、稀有な部署でした。(主要なサービスだとGoogleマップ以外には何らかの形で関わった事がある)さまざまなプロジェクトの思い出を数え上げればキリがありません。2013年後半から11年もの間、デベロッパーアドボケイトとしてGoogleで働けたことは私のキャリアにおいて大きな財産です。

退職することにはなりましたが、Googleが提供するサービスや製品が日常生活に欠かせないインフラとなっている今、Googleという会社との関わりが途切れることはありません。1人のユーザーとして、これからもGoogleが素晴らしい製品や技術を提供し続けてくれることを願っています。

13年半、ありがとうございました。

とりとめのない雑記

訪問したオフィスとか

訪れたオフィスの一覧を思い出して書いてみたけど、結構いろいろなところに行かせてもらった。ロンドンとニューヨークのオフィスが好きだった。パリ、シアトル、チューリッヒは結局行くきっかけがなかったのが残念だった。また新しい本社ビルも結局見ることはなかった。

San Brunoのオフィスは買収したYouTubeの本社をそのまま使ってたんだけど、食堂に入ってた会社の質が良くなくて、数多あるオフィスの中でもカフェは特に不人気だった。しかも外に食べに行くにしても歩いていける場所には選択肢が無くて、YouTubeのチームメイトはかなり食事に不満を持っていた。いまは改善されてるらしい。

  • Tokyo (Roppongi, Shibuya)
  • Seoul
  • Taipei
  • Hong Kong
  • Manila
  • Hyderabad
  • Kuala Lumper
  • Singapore (Asia Square, Mapletree)
  • Jakarta
  • Sydney
  • Melbourne
  • London (King's Cross, Victoria)
  • Amsterdam
  • Copenhagen
  • Berlin
  • San Francisco
  • San Bruno
  • Mountain View (Sunnyvale)
  • Los Angeles (Beverly Hills, Playa Vista)
  • Chicago
  • New York

あと自分は正社員の中でいうと勤続年数が全社員の上位6%くらいだったらしい。逆に13年以上在籍してまだ上位に5%以上の長期在籍者がいるというのに驚いた。

大変だったことなど

楽しかったことはたくさんあって書ききれないので、話す機会があればまたそのときに。

YouTube Liveの配信サポート

YouTube Liveがリリースしてまだ間もない頃にLIVE福島の郡山の回を現地で配信サポートしていたら、ユニコーンYouTube Live使ってリモート参加することになった。嫌な予感が的中して、現地で配信担当してた業者が配信をエンコードをモニタリングも兼ねてるノートPCで行い、WiFi経由で、バックアップ回線なし、モニタリングと同系統の回線を使って配信してくれたおかげで映像はカクつきまくって音も飛び飛びで会場はブーイングの嵐。明らかにデータ送信側の問題なのに、受信側のYouTubeのせいにされてめちゃくちゃ腹たった上に技術側の人間が現地に自分しかいないから、どうにかしてくれと言われてめちゃくちゃ困った。

あと視聴者がすごく多くなって急にラストワンマイルでのレイテンシーがひどくなったという報告を受けたので、現地からニューヨークにいたYouTube SREとGoogle Meetで話しながら対応したのはしびれる瞬間だった。

出張中に車上荒らしにあった

本当に面倒だった。

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Google Now カードの対応

Googleアシスタントの前身となるGoogle Nowという機能があって、その中にサードパーティ企業がAndroidiOS向けのGoogle検索の上部にカードを表示できる機能があったんですが、ある企業が実装がうまくいかないというんでサンプルコードを書いて提供したところ、あろうことかそのコードをそのまま本番稼働させて事故になった。いまはもうサービスごと消えたんで良かった。

チェンナイのホテルで衰弱

このときの出張が、そもそも旅程が強硬だった上に、ハイデラバードまでは同僚と一緒に移動してたのがチェンナイへ行くのは自分ひとりで緊張感が高まっていた。全館カビ臭いホテルに着いてすぐに腹痛と下痢と熱に見舞われ、何も食べられずにベッドでポカリ飲みながら寝てたときは翌日登壇できると思えずしんどかった。翌朝には少し体調が回復したんで、なんとか登壇できて、その後のデリーへの移動もなんとかできたけど、とてもじゃないけど同じような旅程では行けないなと思った。案の定他の同僚も辛かったらしく翌年から旅程が変更になった。

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gdg.community.dev

干し芋

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次の仕事

11月1日から新しい職場で働きます。

*1:2010年末で24,400人、2023年末で182,502人

*2:2010年度で230億ドル、2023年度で3,060億ドル

*3:この間にアメリカ自体のインフレもあるので単純な比較は出来ませんが

*4:大企業になったので不満がないかといえば嘘になりますが、今回の退職はそれとは関係のない話

*5:Google社外にも伝わる組織名に言い換えています

*6:これ以外にAlphabet傘下の別子会社も含めると自動運転などもある

*7:10億人以上のユーザーのいるサービスが検索、YouTubeGoogleドライブ、GmailGoogleマップGoogle Playストア、Googleフォトと多数ある

『SREをはじめよう』という本が出版されました #becoming_sre

はじめに

こんにちは、Google Cloudのオブザーバビリティ/SRE担当者です。私が翻訳しました『SREをはじめよう―個人と組織による信頼性獲得への第一歩』という書籍がオライリー・ジャパン社より出版されました。書店ならびに各社オンラインストアでご購入いただけます。

www.oreilly.co.jp

『SREをはじめよう』はどんな本か

(2024.10.17 追記: Forkwellさんのイベントで書籍紹介を行いました

www.youtube.com

本書は『SREの探求』のようにGoogle以外の組織を含めた、より一般的な文脈でのSREの実践を、オムニバスなエッセイの形でなく、概論の形で捉えたい人には最適の書籍です。すでに原著の『Becoming SRE』の日本語の感想などもいくつかの記事で見かけていますが、本書はまとめを読んで理解する、という書籍ではなく、本書と対話をするつもりで読み進めながら考えるほうが効果的な書籍だと思いますので、すでにまとめなどを読まれた方もぜひ翻訳版を手にとって一読いただければと思います。

本書は良くも悪くもSREを理解するための書籍です。SREとはなにか、を整理して要点を提示してくれている側面はあるものの、全体としては読者がSREの実践において現時点でどこにいるのか、その認識をより明確にするための補助となる書籍です。したがって、製品の細かな設定やベストプラクティスの構成に関する話ではなく、概念や文化、プラクティスに関する確認を散りばめています。「すでにSREは実践できている」と自認している方々にも、自分たちの立ち位置を確認するために、有用な書籍だと思います。

私が訳者としておすすめしたいのは、読者のみなさんの組織の中でSREに取り組んでいる方々全員で、本書を輪読をしながら感想や意見を交換することです。SREには多くのプラクティスが存在し、そのプラクティスの実践に寄り添うためのさまざまな技術や製品が存在します。(オブザーバビリティ、CI/CD、機能フラグ、ストレージ、コンテナオーケストレーター、IaC、ポリシーマネージャー、etc...)これらを、SREの根幹である「信頼性」を「適切なレベル」で「継続的に」維持するために使うという意識がある場合とそうでない場合とでは、システムに対する見方が大きく異なってきます。

本書の本文中にもあるように、本書はSREの概要に関してGoogleが提唱し続ける価値や実践に寄り添うようにしていますが、一方で多くの著者自身の意見を述べています。脚注のレビュアーのコメントにもぜひ注意を向けてみてください。本書を読み進めながら、「SRE実践の幅」を感じとってもらえれば幸いです。その幅を感じることで、本書以外のSRE関連書籍をあらためて読んだ際に、新たな発見があることと思います。

みなさんの感想をお待ちしています。

こぼれ話

著者 謝辞内の脚注7

今回、本を書くことは容易なことでしたが、世界は大変でした。本当に辛かった。誰にとっても。

この文の最後に脚注7として「原著の執筆は2021年下旬から行われました。」とありますが、これは新型コロナ禍であったことと、議事堂襲撃事件などを含め、アメリカでの治安の急激な悪化が背景にあります。著者がアメリカ在住なので本文でそのような表現になっています。(著者に確認済み)明言をしていないことと、議事堂襲撃事件はアメリカ固有の文脈が強く、日本語訳版において「世界は大変でした。〜誰にとっても。」という内容に即すかが悩ましかったので、新型コロナ禍の部分を強調でいるような含みをもたせるほうが良いと思い、脚注も同様にニュアンスを含めるにとどめました。

序文 アドリエンヌ・リッチの詩

序文冒頭のアドリエンヌ・リッチの詩の引用は最後の最後まで悩まされました。たとえば、3章の脚注10におけるリルケの詩や10章の脚注9にある首楞厳経、あるいはそれこそ他のオライリーやその他の著名な技術書からの抜粋などは、各々の日本語訳版をあたることで表現を揃えられました*1。しかし、このアドリエンヌ・リッチの詩に関しては日本語訳版が見当たらず、自分で翻訳することとなりました。

付録C 第10節

日本語話者、および日本在住の方向けのSRE関連情報を加筆しました。正直この内容は流動的なので掲載するか迷ったのですが、日本のSREコミュニティの発展を願って掲載しました。こういった情報がどんどん増えることを期待しています。

*1:資料の検索にあたっては編集の瀧澤さんのお力添えがなければ何倍もの時間がかかっているところでした。あらためて感謝します。

SRE NEXT 2024で「オブザーバビリティのマクロからミクロまで」というタイトルで発表しました

はじめに

こんにちは、Google CloudでオブザーバビリティやSREのデベロッパーアドボケイトをしているものです。少し時間が経ってしまいましたが、去る8月3-4日に開催された「SRE NEXT 2024」にて、開発フェーズの各段階におけるオブザーバビリティについての発表を行いました。

sre-next.dev

スライドはこちらです。

speakerdeck.com

動画はこちらです。

youtu.be

発表内容のTL;DR

本番環境が持つべきオブザーバビリティ(マクロなオブザーバビリティ)は、事前に拾いきれない不測の事態を発見し対応するためのものであるのに対し、リリース以前のオブザーバビリティ(ミクロなオブザーバビリティ)は、求められたパフォーマンスを提供していることの確認をするためのものです。そのため、それぞれに用いるツールセットや取り組み方には違いが生まれます。

これらを理解するために推薦する書籍として以下の4冊を挙げます。

  • 『SLO サービスレベル目標』
  • 『オブザーバビリティ・エンジニアリング』
  • 『効率的なGo』
  • 『詳解 システムパフォーマンス 第2版』

こうした情報を一貫した日本語で、日本の方に早く広く伝えたいので、翻訳活動を行っています。