「一遍を探せ!」 ―京都で一遍上人に会ってきました②―
2019年 05月 24日
19.5.24
さらに驚いたのは「一遍聖絵」と言いながら上人をことさらに特別視した痕跡が全くと言ってよいほど認められないこと。大勢の僧たちと踊り念仏をしている場面では彼がどこにいるのかさえよくわかりません。まさにウォーリーならぬ「一遍を探せ」状態なのです。
そして極めつけはその臨終の場面。多くの人が上人を取り囲み、前方の人こそ体を乗り出して涙しているのですが、後方の人たちは勝手におしゃべりしたり、おそらく販売用と思われる笠を高く積み上げたり、鼻をつまんでみたりと好き勝手しています。よく見るとスリらしきずるがしそうな男の顔すらあるではないですか。要は単なる野次馬集団まで事細かに描かれているということです。
by takeshi_yamagen | 2019-05-24 10:54 | 博物館は楽し