文体百般/梅棹忠夫ブックガイド



少し前のことになりますが、2011年8月4日に発売された『考える人』(新潮社)No.37では、「追悼特殊 梅棹忠夫――「文明」を探検したひと」と題した特集を組んでいます。


同特集に、ブックガイド「世界をデッサンする――梅棹忠夫の10冊」を寄稿しました。


梅棹忠夫さんは、学生時代に『知的生産の技術』(岩波新書)と出合ってから、気になる存在となって、書店や古本屋で著書に遭遇するつど手にとってきました。とはいえ、すべての著書を読むまでには至っていなかったので、この機会に全著作を読み、そこから10冊を選んでご紹介したのが今回のブックガイドです。


私がものを考えるときの念頭におくことの一つに、「エコロジー」という概念があります。といっても、昨今「エコ」と言われる意味ではなくて、そもそもこの概念を提唱したヘッケルが考えていた意味でのエコロジーです。つまり、ある生物について、それを取り囲む自然環境や他の生物全体との関係の全体について考えるのが、ヘッケルの言うエコロジーでした。ヘッケルはもっぱら生物について言ったわけですが、生物以外のものについても同様の「生態系」のようなものを考えることができると思います。



これについては、以前『InterCommunication』のNo.63「アートと社会のエコロジー」特集号(NTT出版、2008)のために「年表・エコロジー300年史」という年表や「エコロジーがわかるキーワード65」、「ブックガイド<3つのエコロジー>」といった原稿を書いた際にまとめてみたのですが、その際にも梅棹さんから学んだことが念頭にありました。


もうすぐ次号が並びますが、同梅棹特集号には、連載「文体百般――ことばのスタイルこそ思考のスタイルである」の第3回も掲載していただいています。


⇒新潮社 > 『考える人』 > 「追悼特集梅棹忠夫――「文明」を探検したひと」その4
 http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/high/high184.html