こども本の森関連ニュース(2019年2月現在)

2018年7月にまとめたこの件。

 その後色々と動きがあったようなので、再びまとめてみる。

  • 2018å¹´9月28日:高書架の安全性に関する市民からの意見と、その回答。

大阪市:「(仮称)こども本の森 中之島」について (…>お寄せいただいた「市民の声」>文化・スポーツ・観光)

 

大阪市:報道発表資料 「(仮称)こども本の森 中之島」施設基本方針(素案)に対するパブリックコメント実施結果を公表するとともに、施設基本方針を策定しました

パブリックコメントの内容は色々だが、市側の回答で目を引かれた点をいくつかメモ。

基本的には子どもの手に届く範囲以外に配架する本は展示用途とし、副本を展示することとするため、同じ本を書架から出して読んでもらえるように検討しています。また高い位置に配架する本は、レプリカにする等の軽量化の検討とともに、落下防止などの、安全対策を徹底します。

先の市民の声への回答と同趣旨。両方をあわせると、高い位置に置く本は飾りで、実際に読むための本は低い位置に置くということ。

指定管理者には、「運営体制」において、司書やアートディレクターの配置を求めていく予定であり、専門家の配置を必要条件として進めていきます。

図書館のように調査相談、目録整備等は行わず、従来の図書館とは異なる魅力を持った新しい文化施設とします。 

(選書について)基本的な方針は、指定管理者を募集するにあたって市が方向性を示し、民間事業者から、そのノウハウを活用した提案を受けながら、策定していきます。具体の選定と管理は、指定管理者が行うこととしていますが、市も指定管理者と連携しながらよりよいものを目指して取り組んでいきます。

司書を置く、レファレンスと目録整備は無し、選書は指定管理者と市の連携、ということか。

これらのパブリックコメントを踏まえて施設基本計画を策定したとのこと。ただ上記ページに掲載されていた基本計画を見たところ、パブリックコメント募集時の基本計画との違いが一見よく分からなかった。ううむ、どこを変えたんだろう。

 

こども本の森 中之島 (@kodomohonnomori) | Twitter

 

  • 2018å¹´12月13日:条例施行規則の制定

大阪市:大阪市こども本の森中之島条例施行規則の制定について

ちなみに条例はこちら、条例施行規則はこちら。

 

  • 2019å¹´1月8日:寄贈本の募集を開始。

大阪市:「こども本の森 中之島」への寄贈本を募集します! (…>歴史・文化に関する取り組み>その他文化に関するご案内)

条件は児童図書、比較的新しいもの、書き込みや汚れ・破れなどがないものの3点。上記ページに寄附要領等もあるが、個人が所有する中古本というのが原則。目標は1万冊とのことで、各区役所に寄贈受付ボックスを設置しているそうだ。

新しいといっても目安は平成12(2000)年以降とのことだから、だいたい19年前くらいまでは可らしい。しかし子どもなんて愛読すればするほど本を汚す生き物なので*1、家庭で大事に保存されていてきれいな本というのはかなりレアなのじゃないかな。

当初の受付期間は平成31年1月8日から1月27日までだった*2が、2月28日まで延長に。浪速区長さんが「予算の関係から2月末までの一発勝負です。寄贈が全然集まってなくて、大変困っています。」とコメントされていた*3が、やはり大変なようだ。

 

  • 2019å¹´1月24日:指定管理者募集開始

大阪市:報道発表資料 「こども本の森 中之島」の指定管理者を募集します

大阪市:「こども本の森 中之島」の指定管理者を募集します

前者は報道発表資料なので概要のみだが「募集にあたっての3つのポイント」が示されている。

(1) 本の森は、図書館ではありません。子ども向けの本がいっぱいの子どものための文化施設です!!

(2)本の森は、皆さまからの寄附金で運営していく文化施設です!!

(3)指定管理者の自由な発想による自主事業が施設の魅力を高めます!!

 「図書館ではない」という点は、後者のページに掲載された募集要項にも明記。それと関係があるのかどうか、募集要項では特に司書の配置は条件となっていないようだ。その他に、募集要項で印象に残った点。

  1. p6「自主事業の実施」。市の方で浮かんできたイメージがいくつか挙げられている。一方カフェスペースの設置は不可となっている。
  2. p8「その他付随する業務」では「ア 開館準備業務」として、本の選定・購入・装備・配架等が挙げられる。これらの業務は指定管理者の業務ではなく、指定管理者になった相手に別途業務委託契約を締結して実施してもらうとのこと。
  3. p10「(6)職員の配置」で、最低配置人員は開館時間内は常時3名以上とのこと。施設図を見ると3階建て?くらいだから、最低1フロア1名ということか。子どもが来る施設だったら、実際はもっと居ないと困るだろうな。
  4. p12「指定管理期間」は平成32(2020)年3月1日から平成37(2025)年3月31日を予定。元号変わっとるがな!というツッコミは野暮だが、「本の森」は建築中のため工事の状況によって指定期間が変動する可能性があるようだ。
  5. p19「10 提案を求める内容」。項目立ては普通なのだが、ノリにやや面食らった。以下は実際の記載内容を引用。

(1) 1 指定期間中の本施設の維持管理にあたっての基本方針・運営計画・年間の開館スケジュール(開館時間、休館日)等

【ちゃんと施設を管理するのが、基本!】 

(2) 6 本の管理方法(持ち出しへの対応)

【本の森は、「中之島公園へ本を持ち出してもいい」施設!さあどうする?】

【】内はxiao-2のテンションが上がっちゃった訳ではなく、市側の提示する「キーワード」らしい。一方では、指定取り消しの場合には違約金だ損害賠償請求だといかついことも書いているドキュメントなので、温度差に風邪引きそうだ。そういえば募集にあたっての3つのポイントでも「!!」が踊っていたが、そういう雰囲気なのだろうか。

 今回目を通したのは募集要項だけだが、説明会資料一式も掲載されている。そのうち読んでみよう。