ぬれた体に電気ショック、食事は腐った肉のスープ…元ウクライナ兵捕虜「地獄の日々だった」

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 【キーウ=倉茂由美子】ロシアのウクライナ侵略が始まってから24日で2年半となる。この間、露軍のウクライナ兵捕虜に対する拷問や非人道的な扱いが問題視されてきた。侵略初期から11か月間、激しい拷問に耐えた元兵士が過酷な実態を語った。

ウクライナの首都キーウ近郊で捕虜となったコレスニコフさん(21日、キーウで)=関口寛人撮影
ウクライナの首都キーウ近郊で捕虜となったコレスニコフさん(21日、キーウで)=関口寛人撮影

 「人間性を破壊する地獄のような日々だった」。7月8日、首都キーウに住むマクシム・コレスニコフさん(48)は当時の様子を語り出した。手は細かく震えていた。

 金融機関に勤めていたコレスニコフさんは侵略開始直後、「国を守らなければ」と志願し、キーウに迫った露軍と近郊マカリフで戦った。通信施設を守る任務に就いていた2022年3月20日、露軍の戦車に拠点を包囲され、指揮官は投降を決断した。コレスニコフさんら約50人が武器を投げ捨て、手を上げて拠点を出ると、露兵は手を縛って目隠しをし、車で移送した。

 ベラルーシ経由でロシア西部ブリャンスク州の刑務所に着くと、捕虜を支配するための拷問が始まった。朝夕に1人ずつ通路に呼び出され、金属棒などで殴られた後、床を引きずり回された。全裸で建物内を走らされ、「ロシアに栄光あれ」と叫ぶよう命じられた。

 最も恐ろしかったのは、シャワーの時間だ。刑務官数人が捕虜を押さえつけ、ぬれた体に電気ショックを与えた。痛みで叫び声を上げる反応を見て、大笑いをして喜んでいた。「拷問は、彼らにとってただの気晴らしの遊びのようだった」

 ウクライナ国営通信によると、捕虜となったウクライナ兵は1月時点で約8000人に上る。

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