ロシア軍が制圧地域拡大か、米紙「戦場の大半で主導権」…ウクライナ議会幹部「米国の砲弾がない」
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ロシアがウクライナ侵略を開始してから24日で1年10か月となる。米紙ニューヨーク・タイムズは22日、露軍が東部の戦線に人的犠牲をいとわず兵力を投入しており、「ロシアが戦場の大半で主導権を握っている」との見方を伝えた。ウクライナは防衛態勢を強化して露軍の攻勢をしのぐ構えだ。ウクライナにとっては試練の冬となっている。
同紙によると、露軍は東部ドネツク州アウディーイウカやバフムト、ドネツク州に隣接するハルキウ州のクピャンスク方面の戦線で、わずかながら制圧地域を拡大している。ウクライナ最高会議(議会)の幹部は「現在、前線の状況は困難で徐々に悪化している」と劣勢を認めた。「米国の砲弾がなく、我々は今夏に苦労して奪還した領土を失い始めている」とも語った。ウクライナ軍が大規模な反転攻勢を仕掛けた南部ザポリージャ州一帯の戦線でも露軍の逆襲に直面しているとの情報もある。
ウクライナは昨年8月後半以降、ほぼ一貫して戦闘の主導権を握ってきた。だが、今年6月に南・東部で着手した反転攻勢に失敗したことが響いているようだ。
オランダのマルク・ルッテ首相は22日、18機の米国製戦闘機F16をウクライナに送る準備を進めていることをSNSで明らかにした。米政策研究機関「戦争研究所」は22日、「ウクライナが年末までに受け取る可能性が非常に高い」と指摘した。実際に供与すればオランダが初めてとなる。
一方、ウクライナ空軍は22日、南部でロシアの爆撃機「Su(スホイ)34」3機を撃墜したと発表した。