中村哲医師の壁画、タリバンに塗り潰される…中村さんと知っていたかは不明

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 【テヘラン=水野翔太】アフガニスタンで人道支援に取り組み、2019年に武装集団の銃撃で死亡した民間活動団体(NGO)「ペシャワール会」の中村哲医師(当時73歳)を描いた首都カブールの肖像画が、5日、イスラム主義勢力タリバンの指示で塗り潰された。制作した草の根の芸術団体「アートローズ」(本部・カブール)が確認した。

カブール中心部の通り沿いにあった中村哲医師の肖像画(アートローズ提供)。タリバンは横顔と詩を塗り潰した
カブール中心部の通り沿いにあった中村哲医師の肖像画(アートローズ提供)。タリバンは横顔と詩を塗り潰した

 中村さんはペシャワール会の現地代表として農業用水路を整備するなどした。肖像画は功績をたたえるため、死後に200人超の有志たちがカブール中心部の通りの塀に描いた。団体のオメイド・シャリフィ代表によると、中村さんの顔と脇に添えられた詩が白く塗り潰され、代わりにアフガンの「独立」を祝う文言が黒い文字で記されたという。

 シャリフィさんは読売新聞の取材に「残念だ。タリバンからは理由も知らされていない」と悔しがった。タリバンには政権樹立を前に、米国に対する勝利をカブール市民に誇示する狙いがあったようだ。中村さんの肖像画と知りながら塗り潰したかは不明だ。

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