日本学術会議が法人化を事実上容認…国の財政支援は評価、介入の懸念は「解消されていない」
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日本学術会議は22日、臨時総会を開き、政府の有識者懇談会が示した法人化を含む改革案の是非を議論した。光石衛会長は「これまで主張してきたことが反映されていない点がある」とする一方、「法人化の具体的な姿が示されたことは評価する」などと述べ、事実上容認する姿勢を示した。
学術会議のあり方を巡っては、内閣府の有識者懇談会や作業部会が2023年8月以降、33回にわたり、法人化した場合の組織形態や運営方法について議論を重ねてきた。
懇談会が20日に公表した最終報告書によると、現状は国の機関である学術会議を国から切り離した法人に移行させる一方で、国が財政支援するとした。
ただ、報告書では、財務状況を監査する監事や活動を評価するレビュー委員会(仮称)を新設し、首相が任命するとした案も提示された。22日の総会では会員から、独立性が脅かされるなどと反対の声が相次いだ。
これについて光石会長は総会後の記者会見で、「深刻な懸念がなお解消されていない」などと指摘。一方、法人化後も国が経費を負担する点や政府が会員選考に直接関与しないことなどが示されたことに、「歩み寄りもあった」と評価した。
政府は、学術会議の姿勢に関係なく法人化に向けた関連法案を来年の通常国会に提出する方針だ。光石会長は「法制化に向けて具体的な検討が必要となる論点も残されている」とし、懸念の解消に向けて政府と協議を続ける姿勢を強調した。